| メルセデスAMGは「4気筒+ハイブリッド」をCクラスの頂点に据えたことで大きくその支持を失ってしまう |
AMGのようなクルマには「数字」よりも、理屈に左右されない、魂を揺さぶる「なにか」が必要である
さて、メルセデスAMGは「V8エンジンの存続」について明言していますが、そのV8エンジン最新モデルとなるであろう新型AMG CLE63がスペインにて目撃されることに。
今回YouTubeへと公開されたスパイビデオには車体前後にカモフラージュがなされたプロトタイプが映っており、「4本出し」スクエア形状のテールパイプを見るに、この試作車が(これまでの例に倣うと)「53」ではなく上位に位置することがわかります。
-
メルセデスAMGが「廃止の方向で進めていた」V8エンジンを一転して復活させるとの報道。Cクラス、EクラスのAMGモデルに搭載され「あのサウンド」が蘇る?
| メルセデスAMGは巨額を投じて「4気筒エンジン史上最高の」出力を発生させるM139エンジンを実戦投入したところではあるが | 「いかにパワーが出ていようとも」V8エンジンの代わりとすることは難しい ...
続きを見る
やはりハイパフォーマンスカーに「4気筒」は難しかったのか
なお、メルセデスAMGは従来のV8を廃止し、電動ターボとハイブリッドによってアシストされる4気筒エンジンを核としたパワーユニットをその中心に据える予定であったものの、このパワートレーンを積んだ、そして実際に発売されたAMG C63 S Eパフォーマンス(セダンとワゴン)の販売が(その高出力・高効率にもかかわらず)低迷しているとされ、よって同社はそのクーペ版であるCLE63にはV8を積むことにしたのだと報じられています(報道によると、4気筒版のC63 S Eパフォーマンスは”まったく”に近いほど売れていないようだ)。※一方のC63(セダンとワゴン)については、もともとV8エンジンを積むように設計されていないと思われ、よってこれらについてはV8エンジンの搭載は技術的に難しいと思われる
-
やっぱり「AMGに4気筒」は難しかったのか・・・。4気筒版AMGが売れず、新型メルセデスAMG CLE63には100馬力ダウンしてもV8を積むとのウワサ
| いかに高い出力を誇ったとしても「ハイパフォーマンスカーに小排気量エンジン」では味気ない | さらにC63では構造の複雑さに起因してその車体重量が重くなりすぎており、ピュアさが失われているという意見 ...
続きを見る
動画においては明確に「V8エンジン」の存在を示すものはなく、しかしV8エンジンだと推測できる唯一の要素はその「サウンド」であり、動画からは明らかに「低く唸るような」サウンドを確認可能。
加えて、プラグインハイブリッドを積むC63 S えパフォーマンスに取り付けられていた(バッテリー充電用の)ポートもこの試作車には見られず、ここからも「このCLE63らしきプロトタイプには、4気筒ターボ+ハイブリッドではなく、V8エンジンが積まれている」と推測できます。
ちなみにですが、「680馬力の」4気筒ターボ+ハイブリッドを積むC63 S Eパフォーマンスが売れていないのは、ひとえにそれが「4気筒だから」だと分析されており、しかもその下位に位置するC53が直6エンジンを搭載しているという事実がこの「ねじれ現象」に拍車をかけることに。
メルセデスAMGとしては「従来のV8エンジン以上のパワーを絞り出す」という免罪符があれば「4気筒であっても顧客は納得するであろう」と踏んでいたのだと思われ、しかしことはメルセデス・ベンツの思惑通りに進まなかったのだと考えていいのかもしれません。
果たしてメルセデスAMGは「100馬力ダウン(おそらく585馬力くらい)しても、そして環境性能に劣るとしても、顧客がそれを求めるのであればV8を積む以外にない」という判断へとシフトしたのだと思われますが、実際にV8ツインターボエンジンを積むCLE63が発売されたとして、その販売動向(いったい何が正解であったのか)には興味のあるところです。
V8エンジンを積む新型メルセデスAMG CLS63と見られるプロトタイプはこちら
あわせて読みたい、メルセデス・ベンツ関連投稿
-
4気筒にスイッチしたメルセデスAMG C63が「ほぼゼロに近いくらい」売れていないもよう。AMGは気筒数の現象に対する反応を見誤り、状況に対処するためV8復活とも
| メルセデス・ベンツとしては「C63史上最高のパワー」があれば顧客を納得させることができると考えていたはずだが | 実際には「あまりにがっかりな」販売結果となることに さて、メルセデス・ベンツはV8 ...
続きを見る
-
メルセデス・ベンツCEOが「V8エンジンを一旦廃止したモデルには(V8の)復活はありえない」と正式にコメント。これで大排気量マルチシリンダーファンの望みが絶たれる
| 今さら「V8エンジンを搭載するために」設計を変更するといったコストをメルセデス・ベンツが割くとは考えにくい | 今のメルセデス・ベンツは多数、そして大義のために少数を犠牲にする事ができる会社である ...
続きを見る
-
メルセデス・ベンツがガソリン版Gクラスの販売終了方針を撤回し「求める人がいる限り、ガソリン、とくにV8エンジン搭載Gクラスの販売を継続します」
Mercedes-Benz | メルセデス・ベンツはいまGクラスの販売を失うことは絶対にできない | かつては生産効率に優れないとして整理対象車種であったが、現在では稼ぎ頭のひとつに さて、メルセデス ...
続きを見る
参照:NCars(Youtube)