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メルセデス・ベンツは中国重視、「イン・チャイナ、フォー・チャイナ」。北京にて中国専用EV「GLC L」を発表し、さらには現地専用モデルを「20車種」投入すると明言

中国 北京モーターショーでのメルセデス・ベンツのカンファレンスの様子

Image:Mercedes-Benz

| メルセデス・ベンツは「中国市場を何としても失ってはならない」 |

【この記事の要約】

  • 中国専用モデル「新型電気自動車 GLC L」が世界初公開。初の6人乗り仕様も登場
  • 新型SクラスおよびマイバッハSクラスが中国デビュー。最新OS「MB.OS」と高度なAI(VLM)を搭載
  • 2027年までに計20車種の現地生産モデルを投入する、過去最大の製品攻勢を表明
  • 自動車誕生140周年を記念し、世界140箇所を巡る「140 Years. 140 Places.」ツアーが北京に到着

メルセデスにとって中国は「もはや単なる市場ではない」

2026年4月、北京モーターショーのステージに立ったメルセデス・ベンツ・グループ会長のオラ・ケレニウス氏。

同氏は「中国はメルセデス・ベンツにとって最大の市場であるだけでなく、世界に向けたイノベーションの源泉である」と明確なメッセージを打ち出しており、実際のところ、今回北京にて発表された内容は新型車の披露に留まらず、中国のデジタルエコシステムを完全に取り込み、現地で開発した技術を世界へ展開するという”戦略の大転換”を象徴するものとなっています。

中国 北京モーターショーにて展示されるメルセデス・ベンツGLC

Image:Mercedes-Benz


注目の目玉モデル:中国専用「電気自動車 GLC L」

今回の北京モーターショーでの同社ブースにて最も注目を集めたのは、世界で最も売れているSUVの電気自動車版「GLC L」の世界初公開。

ロングホイールベースが生む圧倒的なゆとり

中国市場の強い要望に応え、標準モデルよりホイールベースを55mm延長し、これによって後席の居住性が劇的に向上したうえ、さらにこのセグメントでは珍しい「6人乗り(2+2+2配列)」が選択可能になった点は、ファミリー層やビジネス層にとって大きなトピックとして好意的に受け入れられています。

中国専用のメルセデス・ベンツ、「GLC L」の静止画像(リア)

Image:Mercedes-Benz

中国専用のハイテク装備

  • 「LittleBenz」AIアシスタント: 大規模言語モデルに基づき、広東語や四川省などの方言にも対応した擬人化アバター※やはり中国では擬人化アバターが「必須」であるようだ
  • ETC自動決済連携: 中国独自の高速道路決済システムとナビが完全統合
  • 専用チューニング: 中国の路面状況に合わせ、Sクラス譲りのエアサスペンション(AIRMATIC)を市場専用に最適化

究極の知性:新型Sクラスと「Tomorrow XX」

フラッグシップであるSクラスも(マイバッハ含め)2026年モデルでさらなる進化を遂げ・・・。

次世代OS「MB.OS」の威力

新型Sクラスには、清華大学との共同開発による「Vision Language Model (VLM)」が搭載され、これはカメラで乗員の表情やジェスチャーをミリ秒単位で認識し、言葉を発さなくても「何をしてほしいか」を察して車内環境を調整するという究極のホスピタリティを実現するもの。

言語の現地化のみならず、システムそのものの「ローカライズ」が行われていることは驚きではありますが、まさにこれこそが「今のメルセデス・ベンツの本気度」を示す事例なのかもしれません。

中国 北京モーターショーにて展示されるメルセデス マイバッハ Sクラス

Image:Mercedes-Benz

持続可能な未来「Tomorrow XX」

さらにはサステナビリティの新たな指針として発表されたテクノロジープログラム「Tomorrow XX」も中国初披露となり、これはリサイクル素材や低炭素アルミニウムなど40以上の革新的コンポーネントを実用化し、環境負荷を最小限に抑える次世代のクルマ作りを示すもの(中国だけではなく世界中にて進められる)。

メルセデス・ベンツGLCの環境性能を表す画像
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今回初公開された主要モデルのスペック・特徴まとめ

モデル主な特徴スペック(中国仕様)
新型電気自動車 GLC L世界初公開、5/6人乗り設定全長4,933mm / WB 3,027mm / 後輪操舵
電気自動車 CLA 260 Lエネルギー効率の王様電費 11kWh/100km / 2速AT搭載
新型 SクラスAI(VLM)搭載の知能派最大15個のエアバッグ / 都市部ナビ支援
マイバッハ Sクラスラグジュアリーの頂点V12エンジン継続 / MB.OS初採用
中国 北京モーターショーにて展示されるメルセデス・ベンツ CLA

Image:Mercedes-Benz


結論:140年の伝統とAIの融合

メルセデス・ベンツは今年、自動車発明140周年という大きな節目を迎えており、北京はその記念ツアー「140 Years. 140 Places.」の重要なチェックポイントとなっていて、これは世界中の140都市を回るというツアーなのですが、もちろん北京モーターショーに合わせての展開ということに。

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1886年にカール・ベンツが「馬なし馬車」を作ってから140年。

今のメルセデス・ベンツが中国で見せているのは、もはや物理的な「機械」としての完成度だけでなく、「AIという魂」を持った移動空間への進化でもあり、2027年までに20車種以上の現地生産モデルを投入するという強気の計画は「伝統あるブランドがデジタル時代においても王座を譲らない」という強固な決意の表れと言えるのかもしれません。

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中国 北京モーターショーにて展示されるメルセデス AMG GT XX(オレンジ)

Image:Mercedes-Benz


なぜ中国で「ロングホイールベース(L)」が愛されるのか?

中国では、成功の証として「後部座席でゆったり過ごす」という文化(ショーファードリブン文化)が根強く存在するとされ、そのためCクラスやGLCのようなミドルサイズであっても、後席の足元を広げた「Lモデル」がステータスとして非常に重視されるのだそう(つまり、クルマは自分で運転するものではないという考え方が根底にあるとも考えられ、これが中国独自の”運転しなくてもいい安楽なクルマ”を求める風潮に繋がっているのだと思われる)。

そしてメルセデス・ベンツはこれに応えるため、ドイツ本国にはない専用設計を中国で行うという「イン・チャイナ、フォー・チャイナ」戦略を徹底しているというわけですね。

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