| さらにこのオーナーはちょっと特殊な仕様でオーダーする傾向があるようだ |
さて、RMサザビーズが開催するオンラインオークションに「スイスのオーナーが出品する7台の希少なポルシェ」が登場予定。
これらは「スイスコレクション」と題され、ポルシェ911GT2 RS(2010年)、ポルシェ911GT2 RS”ヴァイザッハ・パッケージ”(2018年)、ポルシェ911R(2017年)、ポルシェ911スポーツクラシック(2010年)、ポルシェ911ターボカブリオレ(1995年)、ポルシェ918スパイダー(2014年)、ポルシェ・カレラGT(2004年)の7台にて構成されます。
ポルシェ911GT2 RS(2010)
まずは997世代の911GT2RS。
68キロの軽量化、90馬力の出力向上(620馬力)がなされ、当時もっとも速かった911。
ワンオーナー、走行距離わずか6,000kmという極上の個体です。
ボディカラーはキャララホワイト、ホイールはゴールド、インテリアは2トーンカラー。
内装にはふんだんにカーボンパーツが用いられ、リチウムイオンバッテリー、カーボン製フロントフェンダー等のオプションが多数装着されています。
ポルシェ911GT2 RS”ヴァイザッハ・パッケージ”(2018)
そして2番手は991世代の911GT2RS。
当時「ニュルブルクリンク最速」を記録したことでも知られ、マグネシウムルーフやカーボンファイバー製ボンネット等による軽量化が集中的に施され、その重量はわずか1,470kg。
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リアウイングは取り外し済み
こちらの個体もやはりワンオーナーで、もともとは持ち主であるスイスのオーナーへと納車されたもの。
走行距離はわずか450km、ボディカラーはちょっと珍しいアズーロ・カリフォルニア・メタリック(2006年の北米ポルシェクラブ向け限定モデル、911クラブクーペに対し、はじめて使用されたカラーらしい)、ホイールはゴールド。
インテリアカラーはダークブルーとライトブルー、その他内外装にもオプション満載となり、お約束の「ヴァイザッハ・パッケージ」が装着されているものの、リアウイングを取り外しているという珍しい仕様です。
ポルシェ911R(2017)
そしてこちらは「ガルフブルー」にペイントされたポルシェ911R。
「シンプルな、しかしGT3スペックを持つマニュアル・トランスミッションの911」ということで爆発的な人気を得ることになり、「億」というプレミア価格をつけたのも記憶に新しいところです。
こちらもやはりワンオーナー、走行距離はわずか2,800キロ。
ボディカラーは上述の通りガルフブルー、そして911Rのアイコンのひとつでもあった「ストライプ」なし。
ホイールはシルバー、インテリアはブラウンレザーに「ペピータ(1960-1970年代のポルシェに採用されていた千鳥格子)。
どうやらこのオーナーさんはかなり変わった嗜好を持つようですが、いずれの個体も非常に素晴らしい内外装のマッチングを持っています。
そのほか、オプションとしてはシングルマスフライホイール、大容量(90L)タンク、ボーズサウンドシステム、サイドスカートボディカラー同色、ヘッドライトウォッシャーノズルボディカラー同色、アルミニウムルックフューエルフィラーキャップなど盛りだくさん。
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ポルシェ911スポーツクラシック(2010)
そして次は250台のみが限定された911スポーツクラシック。
レトロな外観そして内装が特徴で、こちらもやはりワンオーナー、しかし走行距離は25,600キロとやや多め(けっこう気に入って乗っていたのだと思われる)。
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ボディカラーはスポーツクラシックグレー、インテリアカラーはエスプレッソブラウン。
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ポルシェ911ターボカブリオレ(1995)
え?993世代の911ターボにカブリオレってあったっけ?と思いましたが、どうやらポルシェのパーソナリゼーション部門「ポルシェエクスクルーシブ」によって14台のみが製造された個体とのこと。
これは当時ポルシェの正規ディーラーのオーナーであったフリッツ・ハベール氏がポルシェに働きかけて実現したモデルだそうで、993世代の911カブリオレをベースにターボエンジンを搭載し、964ターボSのリアスポイラーを装着するなど相当に手のかかったクルマ。
よってその価格は993カブリオレよりも89,500ドイツマルク分だけ高い240,300ドイツマルクに設定されていた、とのこと。
こちらはワンオーナーではなく、最初のオーナーが(マイケル・シューマッハーのマネージャーだった)ウィリー・ウェーバーだったと言われています。
ボディカラーとホイールはブラック、トップはマルーン、そして内外装にはたんまりとカーボンファイバー製のオプション付き。
そしてさらに興味深いのは、ルーフ(RUF)製のギアボックスが装着されていることで、この作業を行ったのはなんとポルシェ自身なのだそう。
ポルシェ918スパイダー(2014)
こちらはおなじみポルシェ918スパイダー。
ほかの車両同様にちょっと変わった仕様を持っていて、シルバーに見えるボディカラーは「リキッドクロームブルーメタリック(700万円くらいのオプション)」、そしてインテリアはモカブラウン。
この仕様を持つ918スパイダーは3台のみしか存在しないとされるので「大変に希少な車」ということになりますね。
その他のオプションとしてはブルメスター製ハイエンドオーディオが紹介されていますが、918スパイダーには「お約束」とされるヴァイザッハ・パッケージが非装着。
ただしホイールはヴァイザッハ・パッケージ用のマグネシウム製へ、そしてインテリアもヴァイザッハ・パッケージ仕様へと変更されているので、単にこのオーナーさんは「外観を(ヴァイザッハ・パッケージの攻撃的なエアロパーツを避け)レトロなイメージにしたかった」のかもしれません。
ポルシェ・カレラGT(2004)
こちらはレース(ル・マン24時間)直系とも言える市販車、カレラGT。
エンジンは5.7リッターV10 、出力は605馬力を誇り、ポルシェ初のカーボンモノコックシャシーを採用したことでも知られます。
ボディカラーは鮮やかなフェイエンス・イエロー、インテリアカラーはグレー。
当初はUSスペックとしてアメリカに販売されたものを後にスイスのオーナーさんが入手したとされ、走行距離は16,327キロを指しています。
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参照:RM Sotheby's