| けっこう高く評価されていて、現在1700万円超まで価格が上昇中 |
さて、現在「お家騒動」で揺れるゲンバラですが、今回1990年代に製作された「ゲンバラ600GTR」が競売に登場。
もともとは「普通の」911(993)ターボとしてオーナーのもとへと1996年にデリバリーされ、その時点でもX50パワーキット(ポルシェ純正のパワーアップオプション)が装着されていたものの、それでもオーナーは物足りなかったと見え、そこで1997年にゲンバラへとチューニングを依頼することとなったようですね。
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コンセプトは”公道を走るル・マン用レーシングカー”
なお、ゲンバラへとチューニングを頼んだ際に求めたのは”公道を走るル・マン用レーシングカー”。
実際のところ公道を走るクルマとは思えないルックスを持っていますが、改造にかかった費用も現実離れしており、ブレーキ、サスペンション、エアロパーツのアップグレード、562馬力へのパワーアップを含む「ゲンバラ・ビターボ570」スペックへとコンバートするのにかかったのは56,375ユーロ(約730万円)。
ただしそこで話は終わらず、わずか12ヶ月足らずでまたオーナーはアップグレードを決意し、そこで装着されたのがGT2用のケブラー製オーバーフェンダー、ル・マン・ビターボ・ヘッドライト、ハニカム構造を持つドア、そしてGT2 EVOリアウイング。
さらに3.6リッター・フラットシックスエンジン本体にも手が入ることになり、GT2用カムシャフト、大型バルブ、強化コンロッド、KKK製タービン、大容量インタークーラーが装着されることに。
足回りもさらにアップグレードされてH&R製ダブルスプリングにGT2用リアアクスルマウントが与えられたほか、ブレーキローターはフロント380ミリ、リア345ミリへと拡大されています(ブレーキキャリパーはレーススペックのブレンボ製)。
改造にかかったトータルは2450万円
なんだかんだで19万ユーロ(約2450万円)も改造に突っ込んでしまったそうですが、この993ターボを購入した金額が約1740万円だったそうなので、「カレラGT一台分」くらいのお金がトータルでかかっている、ということに。
なお、そのオーナーは2002年に走行約27,400キロにて手放しており、おそらく売るときは「二束三文」だったのかもしれません(当時はこういったポルシェの改造に対して市場が否定的だった。ただ、こういったクルマにしてはけっこうな距離を走っているので、オーナーとしては満足だったんじゃないかと考えられ、損失も許容できたのかもしれない)。
このゲンバラGTR600は、さらにその後何人かの手を経ることになり、走行約5万キロの状態で今回オークションに登場したということになりますが、オークション終了まであと4日残して約1700万円まで価格が上がっています。
おそらくは現在のほうが空冷ポルシェやゲンバラに対する評価が高いために(最初に売却した時より)ずっと高い金額で売れるのだと思われますが、オークション終了までには相当な金額まで上がるのかもしれません。
なお、ところどころギャップが見られるものの、全体的には美しい状態を保っており、今更ながらゲンバラの持つ素材や仕上げに対するレベルの高さを思い知らされます。
それにしても立派な羽根だ・・・。
ホイールはセンターロックのようにも見えますが、ちゃんと5本のホイールボルトも使用していますね。
フロントフードはカーボンケブラー製。
ゲンバラGTR600のインテリアはこうなっている
そしてこちらはゲンバラGTR600のインテリア。
レーシングカー然とした外観を持つにもかかわらず、美しいレザーにて覆われています。
補強のためのバーはカーボン製ですね。
アッパーはネイビー、ロワーパートはネイビー。
カーペットはネイビー、そしてフロアマットにはグレーの縁取りがなされ、ヒールプレートも装着されています。
ステアリングホイールのトップのカーボン製。
エンジンスターターはプッシュ式。
当時としてはけっこう画期的だったんじゃないかと思います。
リアシートは「レス」。
そのかわり強固なバーにて固められています。
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参照: Collecting Cars