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ポルシェは4ドアモデルを発売するまでに50年を要し、4台もの試作車が製作されていた・・・!すでに1950年代には最初のプロトタイプが登場【動画】

2023/03/07

ポルシェは4ドアモデルを発売するまでに50年を要し、4台もの試作車が製作されていた・・・!すでに1950年代には最初のプロトタイプが登場【動画】

| ポルシェはけしてスポーツカーのみを重視しているわけではなく、すべてのジャンルへとクルマを投入し、それぞれで「最高のクルマ」であろうとしている |

そう考えると、ポルシェがまた「7人乗り」が可能な新ジャンルへと乗り出そうとしていることにも納得できる

さて、現在のポルシェのラインアップのうち、約2/3は4ドアを持っていますが、ポルシェが4ドアモデルを投入したのは2002年のカイエンが「初」。

そこからパナメーラ(2009年)、マカン(2014年)、タイカン(2019年)と続き、さらに今後はフラッグシップモデルとなるSUVもしくはミニバンを投入すると言われているので、ますますポルシェにおける4ドア比率が高まってゆくものと思われます。

ポルシェ
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ポルシェが4ドアモデルを投入するまでには4台の試作車と50年の歳月がかかった

そこで今回公開されたのが「ポルシェが4ドアを発売するに至るまで」という1本の動画。

ここでは、ポルシェがどれほど4ドアの発売を熱望し、そして実際に発売に至った経緯について触れています。

まず最初に登場するのは1950年代の「542(当時のポルシェはモデル名を”設計ナンバー”で呼んでいた)」で、これはスチュードベーカー(1852年創業の自動車メーカーであり、現在は消滅)との共同開発車。

スチュードベーカーではZ-87と呼ばれ、ポルシェ356の車体をストレッチして4ドア化していますが、「タイプ530」を一歩推し進めた具体的なプロトタイプだとされ、合計4台が製作されるも、1954年にスチュードベーカーがパッカードに吸収されたためにこのプロジェクトは「棚上げ」となってしまいます。

Porsche-4Door (4)

ポルシェの次の4ドアに対する試みは1980年代後半に行われ、フロントエンジンの928をストレッチした4ドアシューティングブレーク「928 H50」として登場します。※このH50には2ドアバージョンもある

このクルマは、マツダRX-8やホンダ・エレメントにも似たリアヒンジ式の観音開きドアを採用し、さらにパワーリクライニングリアシートも備えるなど、日常的に後席へと人を乗せることを考慮していたものの、トランスアクスルレイアウトに起因して後席スペースが狭く、かつ構造上Bピラーを確保することができなかったために「お蔵入り」となっています。

Porsche-4Door (3)

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いよいよポルシェは本格的に4ドアへ

そしてこの928 H50の数年後、あたらしい経営陣のもとで挑戦したのが989コンセプト。

このプロジェクトは、当時のBMW M5をベンチマークとし、ファミリースポーツカーとして設計されたもので、とくに「スポーツカー」の部分に重点が置かれています。

アウディ製のV8を搭載し、まったく新しいプラットフォームを採用することで、0-100km/h加速6秒、最高速度275km/hというパフォーマンスを標榜した、いわばパナメーラの原型とも言うべき存在かもしれません。

スタイリング面では、964型911とほぼ同じ時期に誕生したにもかかわらず、993型911や、そののちの996型911にも近く、よりモダンな印象を与えます。

1991年までに3台のフルスケールモデルが製作されたものの、当時のポルシェは年間2,000台の928を販売するのがやっとの状態であり、しかし(928よりも高い価格にならざるをえないこの989を)年間15,000台売らねば開発コストを吸収できないという試算結果を受け、こちらもやはりプロジェクトが「棚上げ」されてしまったそうですが、無理に発売していたら資金難によってポルシェはひどい状態に陥っていた可能性も。

Porsche-4Door (2)

結果として、この989プロジェクト単体だと「巨額の赤字」が残るのみとなっていますが、この経験がのちのパナメーラに生かされたと考えると、無駄でははなかったのかもしれませんね。

参考までにですが、(ここまででの流れで分かる通り)ポルシェは4ドアに対して強い興味を持っており、1989年に発表されたトヨタ・セルシオ(レクサスLS)に試乗したポルシェ幹部が「これこそが、我々の作りたかったクルマである・・・」と感動したという逸話が報じられたことも。

こういった経緯を見るに、ポルシェファナティックの信仰とは裏腹に、ポルシェは(スポーツカーだけではなく)様々な要望を満たすクルマを作ることを活動の目的としていて、しかしそれはそのカテゴリにおいて最高のものでなくてはならない、と考えているのだと認識しています。

こんなのもあった。ポルシェ928の4ドア版コンセプト、「ポルシェ989」

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そして最後は中国市場向けに設計されたコンパクトなエコノミーセダン、C88。

1994年の北京モーターショーにて展示されたコンセプトカーであり、小排気量エンジンを積んだFF車という(ポルシェのイメージからは)信じられないようなクルマですが、これは中国政府の依頼によって開発を行ったとされ(結局は発売されず終い)、当時の一人っ子政策を反映してリアシートは「1つ」という設計を持っています。

ポルシェ創業者であるフェリー・ポルシェは、ドイツの国民車であるフォルクスワーゲンを設計したという実績を持ち、そしてこちらも(状況がマッチしたならば)中国の国民車となった可能性があったわけですね。

Porsche-4Door (5)

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参照:Big Car

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