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ポルシェが限定モデル「911S/T」の転売対策として販売後12ヶ月はリース契約を強制しオーナーに所有権を与えないという対策を導入。おそらくこれは反発必至だろう

ポルシェが限定モデル「911S/T」の転売対策として販売後12ヶ月はリース契約を強制しオーナーに所有権を与えないという対策を導入。おそらくこれは反発必至だろう

| ポルシェの言い分も分からなくはないが、購入したオーナーの権利を制限するのもどうかとは思う |

それよりも、ポルシェは忠誠心の高い顧客を選定・組織する方法を考えるべきである

さて、近年ポルシェの限定モデルは非常に人気が高い人気を誇っており、そのため「転売」が横行しているという実情も。

この現象は「911R」から一般化したように記憶していますが、ポルシェ自身はたびたび「限定ポルシェは投機商品ではなく、ただお客様に運転を楽しんでもらいたいという想いで作られたクルマです。そのため、できるだけ長く所有し、できるだけ自身で運転して欲しいと考えています」とコメントしています。

ポルシェが最新限定モデル、911S/Tを1,963台のみ限定発売。「もっとも高価な911」「もっとも軽量な992世代の911」そして「GT3系シャシーで唯一後輪操舵なし」
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ポルシェの最新限定モデル、911S/Tは過去最大の限定911に?

そこで今回話題となっているのが、世界最大のポルシェのファンミーティング「レンシュポルト・リユニオン」にてポルシェ911と718シリーズのモデルライアンアップ責任者、フランク・モーザー氏がカーメディアに対して語った内容です。

911誕生60周年を記念した911 S/Tが発表されたとき、多くのコレクターがこのクルマにかつてないほどの関心を寄せ、米国においては購入希望車が割当の数をはるかに上回りました。私たちは、真のエンスージアストにクルマを提供し、何年も乗って楽しんでもらいたいと考えています。このため、米国で911 S/Tを割り当てられた車両は、1年間という取り決めの最低保有期間を遵守する必要がある。実際には、米国での車両はこの期間リースのみにて販売されることになります。

つまるところ、ポルシェ911S/Tは米国において、その購入者がたとえ現金一括で支払ったとしても、その名義を自分のものとすることはできず、リース契約を強いられ、そのため所有権は自分ではなくポルシェに帰属するわけですね。

となると購入者はポルシェ911S/Tを勝手に売却することができなくなり、ポルシェはこれによって「転売を防ぐ」ことになるわけですね(ホンダがかつて、NRにおいて同様の手法を取り入れたことがあると言われている)。

Porsche-911-ST (11)

ただし1年を経過すると所有者がポルシェからオーナーへと変更されることになり、よって納車開始から1年を経過したあたりにて「中古市場に911S/Tがチラホラ出てくる」ことになるのも間違いなく、根本的な解決策にはならないのかもしれません。

なお、この販売手法は911S/Tのみにて取り入れられるといい、実際に(911S/Tの前に発売された限定モデルである)911ダカールはいくつか転売車両が登場していることも報じられています。

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参考までに、ポルシェ911S/Tは現行911のラインアップ中「最軽量」であり、そして911GT3 RSの33,780,000円を遥かに超えて41,180,000円という(公道走行可能な)911史上もっとも高価な価格設定を持つクルマ。

この価格帯のクルマを購入できる人が限られていることは間違いありませんが、さらにこのクルマを「プレミア価格で」購入しようとする人が大量に存在するであろうこと(だからこそ今回のような対策が取られる)には驚かされます。

Porsche-911-ST (21)

一体どういった人に「限定ポルシェ」が回されるのか

なお、こういった限定ポルシェについて、どういった人々に購入権利が与えられるのかは定かではなく、国や地域、ディーラーによって「様々」。

アメリカでは購入履歴によって(金額の多い人に)優先権が与えられるといいますが、日本の場合は(いくつかのポルシェセンターで聞く範囲では)表向き”公平”で、まずはポルシェセンターにてコンフィグレーションを実施し、その内容をもって購入申請を行い、その後は自身に車両が振り分けられるのをひたすら待つということに(ただし待てば車両が来るわけではなく、自身が選ばれなけば車両はいつまで経っても来ない)。

Porsche-911-ST (17)

そして「表向き公平」というのは、ポルシェ(もしくはポルシェジャパン)が誰に販売するかを作為的に選定しているためで、現時点では「コンフィグレーションを行った際、たくさんオプションを付けた人」に購入権が与えられることが多い、とも。

ただ、現在ポルシェは強く「利益」を意識していますし、より多くのお金をポルシェに落としてくれる顧客を「忠誠心のある顧客」であると認め、そういった人に限定モデルを回すことはある意味で「当然」と言えるかもしれませんし、これこそが「公平」だと言えるかもしれません。

しかし見方を変えるならば、「限定ポルシェが手に入るよう」たくさんオプションを付けるということは、つまるところ「プレミアを支払っている」のと同じことで、ポルシェはそれを顧客に求めるのに、それを購入した顧客に対しては”プレミア価格で転売するな”というのも「なんだかなあ」といった感じではありますね。

Porsche-911-ST (13)

そう考えると、「オプションの多寡」によって購入権利を決めるよりも、それまでの購入履歴や、現在の保有状況を考慮するという”フェラーリ式”のほうがより公平に近いのかもしれません(ただしポルシェ式であれば、頑張ってオプションを装着すると、一見さんであっても限定ポルシェを購入できる可能性が高くなるので、門戸は広く開かれる)。

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参照:The Drive

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