| 日産のコンセプトカーは市販車とのつながりが薄く、あくまでもその思想を伝える役割を果たすようだ |
コンセプトカーに対する考え方は各社各様で面白い
日産自動車が今月末に開催されるジャパンモビリティショー2023に先駆け、「ニッサン ハイパーアーバン」と名付けられた新しいコンセプトカーを公開。
なお、日産はこのハイパーアーバンのほか、10月10日(火)、17日(火)、19日(木)にも別のコンセプトカーを発表するとコメントしていますが、このハイパーアーバンはそれら新シリーズの第一弾ということになりますね。
ニッサン ハイパーアーバンはこんなクルマ
そこでこのニッサン ハイパーアーバンを見てみると、まずそのオーナー像として「環境の持続可能性を優先し、都市部や郊外を活動拠点とするアクティブなプロフェッショナル 」を掲げています(いずれのコンセプトカーも、それぞれ別のターゲットが設定されるそうだ)。
そして「持続可能性」という観点では、ソフトウエアアップデートによる機能の継続的向上、そしてボディパーツなどを交換可能とすることで自身の用途や嗜好に応じた仕様へと変化させ「愛着を持って長く乗ることができる」という、ソフトウエア/ハードウエア両面におけるコンセプトを持つことも特筆すべき点。※グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)のアップデートにも対応。エクステリアのアップデートについては詳細が公開されていない
スタイリングとしては強く「未来」を意識させるもので、エッジを多用しており、おそらくはウインカー等をインテグレートしたであろうライティングが特徴的。
ボディ形状は「SUV」とはなるものの、コンパクトなグリーンエリアにクーペ風ルーフを持つという「トレンドを取り入れた」スポーティーなデザインが追求され、ニッサン ハイパーアーバンのシルエットは(日産によれば)「エアロダイナミクス性能に優れ、ダイナミックでモダン」。
なお、(外観上での)特筆すべき点は「4枚ディヘドラルドア」を採用し、この構造によって車内へのアクセスが用意となっていること。
参考までに、特徴的なボディカラーは「ライムイエロー」だと紹介されており、しかしこれがこのコンセプトカー固有のものなのか、他のコンセプトカーにも採用される「日産の未来を示すカラー」なのかも現時点では不明です。
機能的にはV2X(Vehicle-to-Everything)に対応していて、車両の電力を自宅などに提供する事が可能となっており、この制御については日産が独自に開発した「インテリジェント・チャージングシステム」が担当し、これはAIによる自律的かつスマートなマネジメントが行われると説明されています。
ニッサン ハイパーアーバンのインテリアは”万華鏡から着想を得た”という三角形モチーフのデザインが多用され(おそらくはエクステリアも同様だと思われる)、多彩なシートアレンジによって「くつろげる室内空間の演出」も。
ちなみにですが、日産は比較的積極的にコンセプトカーを発表する会社ではあるものの、そのコンセプトカーが持つ何らかのデザインや機能が市販車に転用されるのではなく、それぞれのコンセプトカーに固有の思想があたえられ、日産の考え方を示す手段として用いられることが多いもよう(よって、ニッサン ハイパーアーバン含む4台のコンセプトカーは市販を前提としたクルマではないと思われる)。
このあたりは各社各様となっており、そのまま市販化を目指すコンセプトカー、あるいは技術の集大成として製作し、そこから技術を小分けして市販車に活用するというたぐいのコンセプトカーなどが存在していて、ひとくちにコンセプトカーといえど様々な考え方が存在するということがわかります。
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参照:日産