| ポルシェ911のレストモッドには毎日のように「新作」が登場している |
同時にそのモチーフや方向性も多様化している
さて、シンガー・ヴィークル・デザインに加えて振興ビルダー、さらにはルーフやシュトロゼックといった老舗も参戦することで大きく盛り上がっているポルシェ911のレストモッド市場ですが、今回はDPモータースポーツが創立50周年を記念し「dp64クラシックRSジュビリー」を公開。
これは964世代の911をカレラRS 2.7(ナナサンカレラ)そっくりに改造した「逆レストモッド」車両ですが、外観をカレラRS 2.7に似せたのみではなく、964の特徴を活かしてハンドリングとパフォーマンスを向上させたという「2世代のポルシェ911のハイブリッド」とも言える作品に仕上がっています。
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ポルシェ911「dp64クラシックRSジュビリー」の製作にかかったのは約2年
このdp64クラシックRSジュビリーは2020年から2022年にかけ約2年をかけて製作されたワンオフモデルだそうですが、使用されるパーツはDPモータースポーツが2013年から提供するdp64クラシックRSキットを使用しており、よってそれらを使用すればこのdp64クラシックRSジュビリーと同じクルマをつくることも可能であると思われます。
このdp64クラシックRSジュビリーのドナーカーは1992年式のポルシェ964カレラ2クーペですが、カレラRS 2.7のルックスを再現するため、その外板はグラスファイバー強化プラスチック、ケブラー、カーボンで作られており、しかしより大きなバンパーとサイドスカート、片側25mmのワイドフェンダーなどDPモータースポーツによって取り入れられたオリジナル要素も(一方、ナナサンカレラの大きな特徴であるダックテールは忠実に再現されている)。
ボディカラーはライトイエロー、そしてアクセントカラーやボディサイドの「Carrera」グラフィックはコンダグリーン。
装着されるホイールは17インチサイズのフックススタイルで、リムはポリッシュ仕上げ(ちょっと珍しい)、そしてディスク部分もコンダグリーンです。
ポルシェ911「dp64クラシックRSジュビリー」には現代的な要素も
dp64クラシックRSジュビリーのインテリアは70年代のレーシングカーにインスパイアされたもので、シートとドア内張りにはチェック柄のファブリックが使われており、レーシングバケットのサイドサポートにはナッパレザー、そしてその後ろにはハイグロスブラックのクラブスポーツロールバー。
キャビンにはアルカンターラがふんだんに使われ、ポルシェ356を彷彿とさせる "ブラック・ブークレ "カーペットも採用される一方、センターコンソールには充電用のUSBスロットが2つ追加され、高音質のオーディオシステムは見えないように仕込まれた「ヒドゥン」仕様となり、Bluetooth経由にてコントロール可能です。
なお、内外装の見た目や機能のみではなく、スポーツカーとしてのパフォーマンスもアップデートされており、空冷3.6リッターフラット6エンジンは3.8リッターに排気量がアップされ、シュリック製カムシャフト、大径スロットルバルブシステム、BMC製スポーツエアフィルター、カーグラフィック製ダブルフローエキゾーストの装着によって最高出力は314馬力、最大トルはク361Nmへ。
トランスミッションはG50 5速マニュアルギアボックス、リミテッドスリップディファレンシャルを介して後輪を駆動します。
足回りだとKWクラブスポーツ製サスペンション、993世代から流用された軽合金製ブレーキキャリパーが装着されてハンドリングを向上させていますが、特筆すべきは車体重量がノーマルからマイナス100kgの1,250kgに抑えられていることで、0-100km/h加速は5.3秒(-0.4秒)、最高速度は270km/hへとに向上している、とアナウンスされています。
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参照:DP Motorsprt