| ポルシェ911のレストモッドは数あれど、さすがに「ハイブリッド」は存在しなかった |
しかも重量はレストモッド前よりも「軽量」
さて、現在は次々と新しいポルシェ911のレストモッドが誕生しているという状況ですが、今回はコラティアを拠点とする「テッドソン」より現代的なライティングにエアロパッケージ備えるレストモッド、”デイドリーム”が登場。
まずは今年はじめのニューヨーク・モーターショーでプレデビューを飾り、先週末に開催されたモンタレー・カーウィーク開催期間中に一般へと向けサプライズ公開がなされています。
ベースとなるのは964世代のポルシェ911
このテッドソン・デイドリームのベースとなるのは964世代のポルシェ911。
現時点でもっとも有名なポルシェ911のレスとモッダーはシンガー・ビークル・デザインとガンサー・ワークスだと思われますが、それらとテッドソンが異なるのは「(テッドソンは)未来を見ている」ということ。
シンガー・ヴィークル・デザインはこれまで「レトロ」路線を進み、ガンサー・ワークスはパフォーマンス方面のベクトルを強化してきたように思いますが、「後発」のテッドソンはまた別の方向性に活路を見出したということになりそうです。
テッドソンは1990年の964を3Dスキャンし、CADを使ってバンパー、フェンダー、サイドスカート、ライト、ダックテールといったポルシェ911を「911たらしめる」要素を未来へと向けて進化させることに。
テッドソンによれば「これらの改良により、クルマのスタンスが強化され、よりアグレッシブになる一方、オリジナルのDNAは見事なポルシェ911デザインの証としてそのまま残りました」。
ただしこのテッドソンの特徴はけしてその外観のみにあるのではなく、「パワートレーン」にもあるもよう。
テッドソンはオリジナルの3.6リッター・フラットシックスを分解して4リッターへとボアアップして再度組み上げていますが、その際にはなんとエンジンとトランスアクスルとの間にエレクトリックモーターを追加するという他にはない特徴を作り出しています。
その結果、最高出力は385馬力へと高まりますが、これはエンジンのみを使用する標準モードでの数値であり、「スポーツモード」になるとエンジンパワーとエレクトリックパワー両方にて駆動力を提供することになり、この場合だと出力は459馬力にまで向上することに。
ちなみにこのスポーツモードではエレクトリックモーターのパワーは50%しか開放されず、しかしスポーツ・プラス・モードになるとエレクトリックパワーが「フル」に開放されるためにさらなる高出力化が実現し、0−100km/h加速はなんと2.8秒に(スポーツモードだと3.1秒、ガソリンエンジンだけだと3.5秒)。
エレクトリック化にも関わらず車体重量は1,297kgに収められ、これは「レストモッド前の」964よりも軽い数字となっていますが、これに貢献したのが(ルーフとドア以外に用いられる)カーボンファイバー製ボディパネル。
なお、このテッドソン・デイドリームには「スーパースポーツとスポーツクラシック」とがあり、スーパースポーツはエクスポーズド・カーボンファイバーと18インチまたは19インチホイールを備えます。
一方でスポーツ・クラシック・モデルになるとレーシングストライプが入ったフルペイントのエクステリア、17インチもしくは18インチのフックス・スタイルのホイール、ヘリテージ・インテリアが標準装備。
そのほか、両グレードにはフロントとリアのアンチロールバー、ブレンボ製ブレーキシステム、アップグレードされたブレーキブースター、より幅広なピレリPゼロロッソタイヤ、ブッシュのアップグレードとジオメトリーの変更が施された特注コイルオーバーサスペンションが装備されていることがアナウンスされており、ドライブトレインについては、RRと4WDどちらでも対応が可能なのだそう。
ただ、興味深いのはテッドソン自身が強く4WDを推奨しているということで、「RRの運転には注意が必要であり、扱えるのは経験豊富なポルシェ・ドライバーだけ」とコメントしていること。
加えてテッドソンのウェブサイトには「後輪駆動モデルはまさにウィドウメーカーである」という記載もあり、このウィドウメーカーというのはいわゆる未亡人製造機(それだけドライバーが死亡する可能性が高い)であるということを指しています。
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