ポルシェは限定モデルの販売方法を見直す必要アリ？北米正規ディーラーの責任者が「人気モデルを手配する代わりに」顧客に見返りを要求、解雇され訴えられる

｜　このディーラー責任者は不正が見つかり解雇されるまでに数千万円を顧客から受け取ったとされている　｜

賄賂を受け取った後に「ちゃんと」人気モデルや限定モデルを顧客に引き渡したのかどうかは謎である

さて、アメリカはサウスカロライナ州チャールストンのポルシェセンターが「元マネージャーの」ジェームス・マリノ氏を訴えたとの報道。

元マネージャーを訴えるとは”穏やかではない”という印象ですが、訴訟に至った理由は「その地位を利用して、人気の高い車を購入するための賄賂を要求する計画を発見したため」で、このポルシェセンターは現在、さまざまな違反でジェームス・マリノ氏を訴えており、顧客が彼に直接支払った金額含めすべての損害を回収することを目指していると報じられています。

今回、ポルシェセンターで発生した事件の内容はこうなっている

第9司法裁判所に起こされた訴訟によると、ジェームス・マリノ氏はポルシェセンター・チャールストンで6年以上働いており、同氏のLinkedInページには、2007年に遡るさまざまなポルシェセンターでのポジションがリストアップされている、とのこと。

そして最新の勤務先であるポルシェセンター・チャールストンでは、ジェームス・マリノ氏の不適切な行為は少なくとも2022年に遡って始まったとされ、その間、彼は「限定モデル（おそらくは911GT3 RSや911スポーツクラシックなど）や人気モデルにつき、誰に売るかを決定する最終決定権を持っていた」 のだそう。

この不正事件のスキーム全体の概要について触れてみると、2022年、希少モデルを販売する条件として、ジェームス・マリノ氏は顧客に対し個人的に数千ドルを支払うよう要求し始めたとされ、 ポルシェセンター・チャールストンは、ジェームス・マリノ氏が受け取ったと思われる金額を正確には明らかにしていないものの、その金額は「数十万ドル」であると推定しています。

なお、ポルシェセンター・チャールストンは今年3月にこの計画を発見し、その後同氏を解雇するまでその計画について知らなかったと主張しており、つまりこの不正はすべてジェームス・マリノ氏が行ったことであり、ポルシェセンターとしては「関与していない」。

ポルシェセンター・チャールストンは、受託者義務違反、忠実義務違反、転売、詐欺、契約違反などについて判決を求めているほか、この計画が実行されている最中に彼に支払った賃金、そして顧客が彼に支払った資金の両方を回収することを目的として陪審裁判を提案しています。

現時点では、ジェームス・マリノ氏が顧客からだまし取ったお金を（ポルシェセンターが）直接返還するかどうかについては明らかにされていないそうですが、実際に顧客がクルマを受け取ったのかどうかもナゾのまま。

少し前には同様の手口にて、「お金だけをだまし取ったのち、車両を引き渡さなかった」ポルシェセンターが訴訟に巻き込まれていますが、ポルシェ本社としても「名誉回復のため」「これ以上の問題を防ぐため」人気モデルの販売方法については見直す必要があるのかもしれませんね。

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