「来年の911の構成は非常に満足のゆくものとなるでしょう」。ポルシェが新型911ターボ、911カレラSについて語る。なお911ターボには911カレラGTS同様のT-ハイブリッド搭載

｜　新型ポルシェ911ターボのタービンが「シングルなのかツインなのか」はちょっと気になる　｜

必要な過給圧さえ（電動ターボによって）得られれば、ツインターボを装着する必要はなくなってくるが

さて、ポルシェの最高財務責任者（CFO）、ルッツ・メシュケ氏が992.2世代の911ターボそして911カレラSについて言及。

現在992.2世代（フェイスリフト版）だと、ノンハイブリッドの「911カレラ」、革新的なT-ハイブリッドを搭載する「911カレラGTS」、そしてノンターボ、ノンハイブリッドの「911 GT3」とが追加されていますが、2025年には（2025/2026年モデルとして）「911ターボ」「911カレラS」とが発表されると述べています。

新型ポルシェ「911ターボ」「911カレラS」はどんなクルマに？

そこでまずは新型911ターボSについてですが、こちらに採用されるパワートレーンは911カレラGTSと同じものになるとされ、つまりは「非ハイブリッド、新設計のフラットシックスエンジン」を搭載する、ということに。

なお、新型911カレラGTSは540馬力/609Nmを発生し、これは992世代の911ターボ（580馬力）と非常に近い数字です。

そうなるとポルシェは992.2世代の911ターボで「さらなる馬力を獲得する」必要があり、もしかすると（911カレラGTSではシングルとなる）ターボを2基搭載したり、排気量を拡大する事も考えられ（今回、ターボチャージャーの数や排気量には言及されていない）、一説によると600馬力をゆうに超える、とも。

ちなみに911カレラGTSに積まれる「電動ターボ」は、排気流量に関係なくタービンを回すことができるためにターボラグが「ほぼゼロ」となり、実際のところこれまで「アクセル全開から最大トルクに達するまで2秒」かかっていたものの、この電動ターボでは「わずか0.5秒」に短縮できているわけですね。

そしてこの電動ターボには無限の可能性があり、VTG技術、さらなるタービンの高速化によって「911ターボにふさわしい」出力を発生させることも可能になると考えてよく、よってポルシェはターボを「（必要な過給圧を獲得できるのであれば）シングル」のままとする可能性もありますが、ぼく的には911カレラGTSとの差別化ポイントの一つとして「ツインターボ」を期待したところ（構造が複雑になり、コストも上昇するが）。

タービンや排気量はともかく、ルッツ・メシュケ氏は992.2世代911ターボには「Varta製バッテリーセルを搭載する」ことにも触れていて、このVartaは昨年8月に（6000万ユーロにて）ポルシェにり買収されたドイツの会社（すでに新型911カレラGTSのハイブリッドパワーパック用として1.9 kWhのバッテリーを提供している）。

そのほか、同氏は992.2世代の911カレラSにつき、2025年上半期に出荷が開始されるということ（よってこれは2025年モデルということになる）、911カレラ同様に「非ハイブリッド」であることに触れており、しかし911カレラ同様に（おそらくは排ガス規制のため）大幅なパワーアップは望めず、出力は460馬力（現行モデルは450馬力）程度になると見られています（ルッツ・メシュケ氏は出力には言及していない）。

ただ、この新型911カレラSについては（911カレラ、911カレラGTSでは現在選択できない）マニュアル・トランスミッションが用意されるといい、これはぼくらにとっての朗報かもしれません。

合わせて読みたい、ポルシェ911関連投稿