【ル・マン直前】ポルシェが新型ハイパーカー「963 RSP」の発表を予告。公道仕様ル・マン"プロトタイプ"誕生か？【動画】

｜　伝説再び？ポルシェが「963 RSP」を正式にティーザー公開　｜

2025年ル・マン24時間レースを数週間後に控え、ポルシェが再び動きを見せる

さて、ポルシェが新しくティーザー動画を公開。

今回の主役は「Porsche 963 RSP」――そう、あのLMDhマシン「963」をベースにした“公道仕様”と思しきモデルです。

1ヶ月前、ポルシェは1970年代に製作した公道仕様917を紹介する映像の中で963ベースの新型車をさりげなくちら見せしていますが、今回はついにその車名が「963 RSP」となることが明かされ、さらなる映像も公開されています。

その名は「963 RSP」― “RS”は分かる、でも“P”は？

"RS"はポルシェファンにはお馴染みの"Rennsport（レンシュポルト＝レーシングスポーツ）"の略ですが、"P"の意味はいまだ不明。

ベースとなるポルシェ963が「ル・マン・プロトタイプ」であることからPrototype（プロトタイプ）の「P」だと考えるのが妥当です。

Image：Porsche

ティーザー動画の注目ポイント

最新の動画「Porsche 963 RSP: the road to Le Mans starts here」では、以下のようなディティールを確認可能。

• カーボンファイバー製パネルを手作業で研磨
• スエード調内装パーツの仕上げ
• 車体のペイント作業
• クラシックなエナメル製ポルシェバッジの取り付け
• リアの「963 RSP」バッジ（恐らく一体型リアライト）

動画のタイトルにある「road（道／公道）」というワードは「このクルマが”公道”を走る」という予告」である可能性が高く、現時点で明確に示されていないものの、これは「公道を走る963」と考えるのが妥当です。

Image：Porsche

なお、ポルシェはこれに先立つこと5月に「公道仕様にコンバートされた917」を紹介するコンテンツを公開しており、そして今回の963RSPはこれを「なぞらえる」ものだと捉えるのが自然なのかもしれません。

LMDhマシンを“合法に公道を走行できるクルマ”にするという挑戦

レース専用のLMDhマシン「963」は、本来公道走行を想定して設計されていない過激なマシンですが、それでも、ポルシェなら実現してしまうのでは？と思わせる説得力があるのが、このブランドの凄さですね。

ちなみにベースとなるであろうポルシェ963のシャシーはマルチマチックから提供されるもので、つまりは「ポルシェの設計」ではないところがちょっと残念ではありますが、搭載されるエンジンは918スパイダーからデリバリーされた4.6リッターV8ツインターボ（600馬力）なので、こちらはれっきとした「ポルシェ製」。

競技用車ではこれにウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング製のハイブリッドシステムを組み合わせてシステム合計680PSを発生し、つまりこの963には他社の技術が多数盛り込まれていて、そのためそれらの技術流出という観点からも（市販化には）様々な懸念と障壁が生じるのかもしれません。

Image：Porsche

911 GT1以来の“伝説の再来”か

もしこの963 RSPが本当に公道を走れる仕様であるなら、これは1996年〜1998年の「911 GT1 Straßenversion（ストラッセンバージョン）」以来の歴史的快挙となり、そのDNAを受け継ぐマシンが再び登場しようとしているわけですが、「the road to Le Mans starts here（ル・マンへの道はここから始まる）」というメッセージが示すように、963 RSPはサーキットだけでなく、公道を走る“ル・マンカー”として歴史に名を刻む可能性が非常に高いと見られています。

なお、このクルマが台数限定にて市販されるのか、それとも1台限りのプロジェクトなのかは現時点で明かされていませんが、続報に期待したいと思います。

ポルシェが963「ロードバージョン」を予告する動画はこちら

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