
| 「金の力」で夢を叶える超特注プログラムの衝撃 |
ただしいくらコストがかかるかはわからない
「カタログに載っていないけれど、こんなポルシェが欲しい」
ポルシェファンなら一度は妄想したことがある夢の仕様。
例えば、「パナメーラにマニュアル(MT)があったなら」「もしパナメーラにカブリオレ(オープンモデル)が存在したら」と考えたことがある人がいるかもしれませんが、ポルシェの特注部門責任者が「現実には存在しない、パナメーラのMT仕様やカブリオレのラインナップ」に対して驚くべき回答を行った、とのこと。
「十分な予算と情熱(そして忍耐力)さえあれば、ポルシェはそれを現実に仕立て上げる用意があります」
ここでポルシェが誇る最高峰のビスポークプログラム「ソンダーヴェンシュ」の驚愕の実態、そして超富裕層が熱狂するワンオフ制作の舞台裏に迫ってみましょう。

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【この記事の要約】
- マニュアル・トランスミッション搭載のパナメーラが作れる:ポルシェの超限定特注部門「ソンダーブンシュ(Sonderwunsch)」が、顧客からの要望があれば「マニュアルトランスミッション(MT)仕様のパナメーラ」や「パナメーラ カブリオレ(オープンカー)」の制作すら検討可能であると示唆
- 巨額の予算と年数が条件:数億円規模の予算と数年の納期、そして法規制や安全基準をクリアできれば、カタログに存在しない夢のモデルをゼロから仕立て上げてくれる
- 馬力アップよりも「デザインと個性の共有」:単なるエンジンのパワーアップではなく、世界に1台のボディ形状やインテリアをデザイナーと共に創り出すプロセスこそが本質
「MTのパナメーラ?作れますよ」ポルシェ幹部が明かした驚きの真実
今回報じられているのは米国モントレー・カー・ウィークの会場で、ポルシェの「ソンダーブンシュ(特別要望)」およびクラシック部門を率いるアレクサンダー・ファービグ(Alexander Fabig)氏が取材に応じた内容であり、ソンダーブンシュ部門といえば、最近でもヨーロッパの極秘顧客のために数億円の予算と3年の歳月をかけて911ベースのワンオフモデル「Flachbau RS(フラッハバウ/スラントノーズ)」を作り上げたことで大きな話題を呼んだばかりです。
そして取材陣が「もし顧客がマニュアルのパナメーラを作ってほしいと頼んだら可能か?」と尋ねたところ、ファビーグ氏は即座にこう答えることに。
「ええ、まさにその通りです。非常に素晴らしい例ですね。今後は『このプログラムでどこまでできるか』を聞かれた際、その例を使わせてもらいますよ」
実際に現在も「マニュアルの走りを称える(celebrating the manual side of life)」ためのクレイジーなトランスミッション移植やスワッププロジェクトが、同部門で複数進行中であると明かされており、そう遠くない日に「とんでもないクルマ」が登場することになるのかもしれません。
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伝説の「パナメーラ カブリオレ」構想は実現するのか?
かつて自動車業界で噂された「パナメーラ カブリオレ(4ドアまたは2ドアの大型オープンモデル)」についても質問が及び、ファービグ氏によると、現在進行中のアクティブなプロジェクトではないものの、「ソンダーブンシュで何が可能なのか」を示す限界例として長年社内や顧客との会話で挙げられていたと言います(ポルシェはかつて、パナメーラ・カブリオレのパテントを出願したことがある)。
「もし顧客から『作ってほしい』と正式に依頼され、適切な条件が揃えば、我々はパナメーラ カブリオレすら形にするでしょう」とも語っており、ポルシェの職人集団にとって「不可能」の文字は極めて少ないことが伺えます。
断られるのは「安全基準」と「公道走行の法規制」のみ
さらにポルシェが顧客の要求を拒否するケースはほぼ存在しないといい、唯一のボトルネックとなるのは「法規制」と「安全性能(クラッシュテストなど)」。
ただし、ファービグ氏は茶目っ気たっぷりにこうも付け加えています。
「もちろん、公道を走らせたいかどうかに依存します。最終的に公道不可(サーキット専用など)で良いなら、お引き受けできる範囲はさらに広上がります。もしご自身で国を所有されていてナンバープレートが不要なら、話はもっと早いですね(笑)」

ポルシェ「ソンダーブンシュ(Sonderwunsch)」概要
「ソンダーブンシュ(Sonderwunsch)」とは一体どのようなプログラムなのか、概要をまとめてみると以下の通り。
| 項目 | 特徴・詳細 |
| プログラム名 | ソンダーブンシュ(ドイツ語で「特別要望」の意味) |
| ベース車両 | 現行のポルシェ全モデル(911、パナメーラ、カイエン等)およびクラシックポルシェ |
| カスタマイズ範囲 | 外装色、内外装素材、ワンオフボディワーク、エンジンスワップ、MT換装など極めて自由 |
| 想定予算 | 概念フェーズだけでも約1,500万〜5,800万円、実車制作を含めると数億円規模 |
| 制作期間 | 構想から納車まで1年〜3年以上(911 Flachbau RSは3年) |
| 制作の限界 | 各国の道路交通法規、排ガス規制、ポルシェ独自の安全・耐久基準 |
「馬力アップ」よりも「デザインの共創」が本質
ソンダーヴェンシュが単なるチューニングショップと一線を画すのは、「顧客自身がポルシェのデザイナー・エンジニアチームの一員となってクルマを創り上げる」という体験価値。
ファービグ氏によれば、「単に110馬力アップさせてほしい」という要求は技術的には応えるものの、そこに顧客の創造性は生まれないとし、ソンダーブンシュの真髄は「どんなボディシルエットにするか」「インテリアの素材やステッチ、配置をどう表現するか」といったデザイン面での対話こそが、億単位の費用を払うオーナーにとって最大の醍醐味となっている、と述べています。

超高級車ビスポークプログラム比較
超高級車ブランド各社が展開する「ビスポーク(完全特注)プログラム」におけるポルシェの位置付けを比較してみると・・・。
- ポルシェ「ソンダーヴェンシュ(Sonderwunsch)」
- 特徴: 走行性能や機構(MT化やボディ形状変更)まで踏み込む技術力の高さ。純粋なモータースポーツ技術を背景にした頑固な品質基準が強み。
- フェラーリ「テーラーメイド / ワンオフ(Special Projects)」
- 特徴: 既存シャシーをベースに専用デザインのアルミボディを架装するワンオフモデル(SPシリーズ)。年間制作台数が極めて限定的。
- ロールス・ロイス「コーチビルド(Coachbuild)」
- 特徴: 「ドロップテール」に代表される、陸上のクルーザーのような圧倒的ラグジュアリーと芸術性を追求。価格は数十億円規模。

ポルシェの強みは、911のような純粋なスポーツカーからパナメーラやタイカンのような実用的なモデルまで、GT部門やWEC(世界耐久選手権)で培った技術力をフル活用して「走りのメカニズム」そのものをカスタムできる点にあり、直近の「フラッハバウRS」のように、豊富なヘリテージからインスピレーションを得ることができる点にあるのだとも思われます。
過去に存在した「ポルシェの奇天烈な特注車」たち
ソンダーブンシュの歴史は古く、1970年代後半から今の今まで、富豪たちの奇想天外なオーダーに応えてきたという歴史があり・・・。
- 911 フラッハバウ(Slantnose)
- 1980年代、WECで活躍したレーシングカー「935」の空力フロントマスクをロードカーの911に移植したいという顧客の要望から誕生した伝説のモデル
- 993型 911 スピードスター
- 本来カタログモデルとして存在しなかった993型「スピードスター」を、ブッチ・フェリー・ポルシェの70歳の記念や、デザイナーのアレクサンダー・ポルシェのために特別に2台だけ制作
- シガーヒュミドール&シャンパンクーラー付きパナメーラ
- 近年公開された「パナメーラ ターボ ソンダーヴェンシュ」では、リアシートに本革仕上げのシャンパンクーラーや、湿度計付きの葉巻保管庫(ヒュミドール)を特注で組み込み話題となる
「お金に糸目をつけず、理想の1台を仕立てる」という文化は、ポルシェのDNAに深く根付いており、これは何より「顧客の夢を叶える」という創業当初からのスタンスに起因するものであると思われます。

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結論
「マニュアルのパナメーラ」や「パナメーラ カブリオレ」という夢のような話。
それは単なるネット上の都市伝説ではなく、ポルシェが公式に「情熱と予算さえあれば実現可能」と認めた夢の選択肢でもあります。
自動車業界全体が電動化や効率化、生産の標準化へと進む現代において、メーカー自身がここまで顧客の個性的(かつワイルド)な要望に寄り添い、世界に1台の車を作り続ける姿勢は極めて貴重。
もし無限の予算と数年を投じる覚悟と情熱があるならば、シュトゥットガルトのポルシェ本社へ向かい、「自分の特別なパナメーラ」をオーダーしてみるのもいいかもしれませんね。
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参照:The Drive











