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一体どうすればこの窮状を脱することができるのか?フィアットがさらに(販売不振による)生産停止期間を延長、マセラティも同じ期間に生産を停止と発表

一体どうすればこの窮状を脱することができるのか?フィアットがさらに(販売不振による)生産停止期間を延長、マセラティも同じ期間に生産を停止と発表

Image:FIAT

| フィアットの親会社、ステランティスは別の工場の閉鎖を発表したばかりである |

ステランティスの状況は端で見るよりも遥かに「良くない」のかもしれない

さて、マセラティやアルファロメオ、ジープ、フィアットなど傘下にあるブランドのほとんどの売上が下がってしまい切実な状況にあるステランティス。

ブランドごとに事情は異なるものの、いずれも直接・間接的に関与しているのは「電動化」であり、この戦略がうまく機能しなかったことが販売の下落に関係しています。

このうちフィアットは「ガソリンモデルを廃止して全モデルをピュアエレクトリックカーに切り替える」という戦略を採用しているのですが、「EVが売れず」しかしすでに販売できるガソリン車を失ってしまったために(EV不振で失ってしまった販売を)ガソリン車にてカバーすることもできず、非常に厳しい状況下にあると言われているわけですね。

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フィアットはまたしても工場の稼働を一時停止

そして今回報じられている新しい窮状が「(イタリア・トリノの)ミラフィオリ工場での生産休止がまた延長される」ということ。

この工場ではピュアエレクトリックモデルの「500e」を生産していて、しかし今年に入ってこの工場ではすでに何度か生産が中断されており、今回はその休止期間がさらに延長されることが新たに決定されています。

すでに労働組合に対し、(12月2日から17日までの生産休止に加え)12月18日から1月5日までの停止が告げられていると報じられ、その結果、フィアット 500eは2024年12月2日(月)から2025年1月5日(日)まで組み立てられることはなく、もはや「需要回復の目処は立たない」のかもしれません。

フィアットの親会社、ステランティスによれば、トリノの工場での活動は「いくつかの欧州市場における電気自動車の販売の不確実性が続いているため一時的に停止される」とのことですが、ミラフィオリ工場での生産の97%が電気自動車に占められていることから、EV市場の低迷がこの工場での生産を直撃した、ということに。

そしてステランティスでは「ガソリン車も」売れないという苦しい状況に陥っていて、マセラティでは主要市場である北米での販売が「半減」し、そのためフィアット500eと同じ12月2日〜1月5日の間「生産を停止する」とも発表しており、まさにステランティス全体では未曾有の危機を迎えているのだとも考えられます。

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ステランティスは打開策を模索する

ただ、フィアットもこの状況になんら対応していないわけではなく、フィアットでは「500の新しいモデル」を追加することで販売を立て直すための動きを進行させており、具体的にはハイブリッドモデルを2026年に発売する予定だとされ、これがトリノの工場で生産されることに。

ポーランドで製造されていた前世代モデルは、現在でも一部の地域でガソリンエンジン搭載モデルとして販売されていますが、これは2007年に市場に登場したクルマで、さらにはフィアットのパフォーマンス部門であるアバルトのホットハッチ版もまだ販売されているものの、こちらは今後、完全なる電気自動車専用のブランドへと移行する予定を崩しておらず、今後の動向が気にかかるところでもありますね。

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