フェラーリが”テスタロッサ”の商標権を失う可能性。
これは「Zeit and Spiegel」が報じたもので、玩具メーカーのAutec AGが現在「テスタロッサ」の商標権を主張。
ドイツでは5年間商標を使用しないとその商標権を失うそうですが、フェラーリは5年間これを使用しておらず、このままフェラーリがこれに異議を唱えないと商標権はその玩具メーカーのものに。
なお、この玩具メーカーが主張する商標の範囲は「自転車から電気シェーバー」までとなっているそうですが、自転車やシェーバーで「テスタロッサ」が出てくるとちょっと衝撃的ではありますね。
フェラーリが「テスタロッサ」についてどの国で商標を取得しているのかは不明ですが、今回の件はおそらく「ドイツのみ」だと思われ、他の国での状況は不明です。
商標は非常に複雑な問題で「自動車メーカー同士」でも争いがあり、最近だとアウディQ2の「Q2」はアルファロメオが商標を保有しており、何らかの取引が成立した模様。
フェラーリ関連だと「599GTB”フィオラノ”」の「フィオラノ」はオートバックスが日本国内で商標を保有しているのでこれを使用できず、F1マシンの「F150」はフォードのトラックと同じ名称なのでフォードの異議によって名称を変更した、という件もありますね。
他自動車関連だと「ミニ・カントリーマン」は日本では「カントリーマン」を(ミニのチューニングショップが商標を持っているので)使用できず「クロスオーバー」に変更、かつて「オペル・コルサ」はトヨタの「コルサ」とかぶるので使用できず、といったことも。
どうしてもその名称を使用したい商標を他メーカーが補修している場合、メーカー同士での商標のトレードや、商標権の売買、レンタルも行われることも多いようですね。
アウディのSUVラインアップは「Q」というコードネームが付与されますが、現在はQ3/Q5/Q7というラインアップ。
ここにQ1が加わるとされますが、アウディは全セグメントでSUVを揃えたく、となるとQ2/Q4を、という話になります。
ただしQ2とQ4はフィアットグループが商標を保有しており、「アルファロメオ155 Q4」のようにアルファロメオに対して使用されていた、という過去があります。
アウディはフィアットよりこの商標を取得したい意向ですが、フィアットはこれを拒絶している模様。
現在交渉を行っているようですがアウディが思うようには進まず、難航しているようですね。
そのためアウディが予定していた「Q2」は「Q1」に、「Q4」は「TTQ」へと変更になりそうだと報じられています。
商標の移譲があったケースでは、トヨタの「シルビア」が日産に、ブリジストンの「クロスファイア」がクライスラーに移ったというものがありますね。
自社内での移動だとホンダでは「インテグラ」「トゥディ」「ストリーム」などが2輪と4輪との間で移動しています(もともと2輪と4輪とで商標を取っているのでどちらでも使用可能)。
iPhoneについても「アイホン」を日本の会社がすでに日本国内で商標を取得しているのでアップルはその会社に商標の使用料を払っているようで、その会社からすると思わぬ収益ですね。