| トゥーリング・スーパレッジェーラ・アリーゼRH95はパフォーマンスよりも芸術性やドラマを重視したようだ |
限定18台、ベース車両の持ち込みの後に6ヶ月をかけて製作
さて、イタリアのコーチビルダー、カロツェリア・トゥーリング・スーパレッジェーラが「初のミドシップスーパースポーツ」、Arese(アレーゼ/アリーゼ)RH95を発表。
なお、ベースとなった車輌について発表はなく、搭載されるエンジンがV8ツインターボ、そして出力が710馬力というところ、さらに内装の画像から推測するに、フェラーリF8トリブートがベースなのではないかと思われます。
搭載されるトランスミッションは7速デュアルクラッチ、そして駆動輪は後輪のみ、0−100キロ加速3.0秒/最高速度330キロというところもフェラーリのV8ミドシップモデルを連想させるところですね。
カロツェリア・トゥーリング・スーパレッジェーラとは?
カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ(Touring Superleggera)はミラノを拠点に活動するコーチビルダーで、かつての「カロッツェリア・トゥーリング(1926年創業、1966年廃業)」とは別会社とされ、しかしその名称の使用権を受けて2006年に創業されています。
ただ、カロッツェリア・ツーリング・スーパーレッジェーラ(スーペルレッジェーラ)は、その社歴として旧カロッツェリア・トゥーリングの業績を掲げているので、名称とともに歴史も引き継いだと考えて良さそうです。
そして近代の作品だと、「ディスコボランテ」「エアロ3」といったところが広く知られていますね。
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カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95はこんなクルマ
そこで今回発表されたカロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95ですが、スーパースポーツという性格を持ちながらも各部にはクラシカルな要素が散りばめられていることが特徴です。
一方ではカーボンファイバーといった最新の素材も使用されることに。
ホイールボルトは「チタン」ではなく、見たところスチール製そしてクローム仕上げ。
おそらくは機能や性能よりも「エレガントさ」を追求したためなのだと思われます。
このカロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95には、同社が過去に製造したモデルの意匠も取り入れられており、フロントだと「エアロ3」で採用された逆台形の小型グリルが採用。
サイドにはディスコボランテからインスピレーションを得たというベルトライン。
上から見ると、1960年代のレーシングカーを思わせるデザインを持っています。
特にこのリアセクションは「優雅」のひとこと。
ミドシップではあるものの、あえてエンジンを見せず、曲線と曲面で構成されたカバーを採用しています。
ルーフにはシュノーケルが採用され、見ようによってはスピードスターカバーのようにも見えますね。
「ボンネット」「リアハッチ」ではなく、クラムシェル型の「カウル」を採用。
その開閉方法ともども、やはりクラシックカーを意識したものだとも思われ、エンジニアリング上のコストや効率よりも「美しさ」「雰囲気」を重視したのだと思われます。
カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95はその細部に至るまでこだわりぬいている
これまで紹介した内容でも分かる通り、カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95は現代のスーパースポーツとは異なる考え方にて作られていることがわかりますが、外観上のハイライトの一つはこのディヘドラルドア。
カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラのデザインディレクター、ルイ・デ・ファブリベッカーズ氏によると、「映画のように」ドラマチックな、そしてアートとデザインとが融合した開口部だと表現されています。
ルーフ上のエアスクープ内部のカラーはゴールド(サフラン)。
グリルも美しく作り込まれていますね。
ホイール上の刻印も「サフラン」。
リアディフューザーはカーボンファイバー製。
テールパイプは美しく磨き込まれ、細部に至るまで手が抜かれていないこと、量産車では成し遂げることができない芸術性を持つこともわかります。
なお、この「縦方向にスクエア」な形状はエアロ3のフロントでも採用されていたもので、逆台形とあわせ、同社のひとつのデザイン的アイコンとして機能するのかもしれません。
カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95のインテリアはこうなっている
カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95の内装では「ダブルコクピットデザイン」を採用しており、ドライバー側と助手席側とで異なる空間を演出しています。
そしてメーター付近の構造、ステアリングホイールの形状を見ても、ベースはフェラーリF8トリブートなのではということが容易に想像できます。
そのためには左右シートやダッシュボードの配色も変更され、一種独特の雰囲気もありますね。
もちろん、トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95の注文者はその内外装を自由にオーダーできるものと思われますが、今回公開された「第一号車」の内装はキャラメルとココア、そしてシートベルトやダッシュボードのアクセントにはサフラン(ボディカラーはヴェルデ・ピノ)。
カロッツェリア・トゥーリングによると、第2号車は60年代のアルファロメオGTAのレーシングバージョンにちなんだレッドとホワイトとの外観を持ち、3号車はガルフカラーを採用することになる、とのこと。
カロッツェリア・トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95の生産は限定18台にとどまるそうで、「ベース車」の持ち込みののちに6ヶ月かけて製作されることに(改装にかかる価格は公表されていない)。
実車そのものは9月1日から開催されるサロン・プリヴェにて公開されるそうです。
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参照:Carrozzeria Touring Superleggera