フェラーリが自社テストコースにてランボルギーニ・ウラカンSTOをテスト中！一般に「他社製品をテストする」ことは珍しくないがフェラーリにとってはレアケース【動画】

｜ フェラーリは他社の製品や動向を気にしない「天上天下唯我独尊」のイメージがあるが ｜

意図的にランボルギーニ・ウラカンSTOの挙動を崩そうとする試みも

さて、フェラーリは自社にてテストコース（フィオラノ・サーキット）を持っていますが、そこではもちろん開発中の自社の車両が走行する姿が度々目撃されています。

ただし今回フィオラノ・サーキットを走るのはフェラーリのプロトタイプではなく、なんとランボルギーニ・ウラカンSTO。

ウラカンSTOというと、モータースポーツにインスパイアされた数々のデバイスそしてエアロパッケージを持ち、リアミッドには640馬力を発生する自然吸気5.2リッターV10エンジンを搭載するスーパーカー。

特筆すべきは「ランボルギーニ得意の」4WDを捨てて後輪駆動へとスイッチしていることで、これによって非常に攻撃的なハンドリングを持つ、とされています。

なぜフェラーリがランボルギーニ・ウラカンSTOを？

そこで気になるのが「なぜフェラーリがランボルギーニ・ウラカンSTOをテストするのか」ということ。

フェラーリはこれまで他社のクルマをテストしている様子が報じられたことは（ぼくの知る限りでは）なく、他社との比較によってではなく自社の基準に従い高みを目指すという印象も。

ただ、頂点を目指すからにはライバルのクルマも知っておく必要があるのは間違いなく、これまでにもテストを行っているはずで、しかしそれをうまく隠していたり、目撃されなかった、というだけの話なのかもしれません。

なお、動画ではフェラーリのドライバーが相当なペースでウラカンSTOをプッシュしており、時折姿勢を崩したり、ウィービングを行う様子も見えますが、それはつまりウラカンSTOの挙動を試しているということを意味し、ウラカンSTOの限界を知ろうとしているのかも（つまり、それだけ高くウラカンSTOを評価しているのだと思われる）。

見る限りではフェラーリのクルマとの比較を行っている様子はわからず、ウラカンSTOのハンドリングやセッティングを中心にテストしていたのかもしれませんね（そもそもフェラーリのクルマとは、エンジンの出力特性などが異なるので、単純な比較はできない）。

自動車メーカーが他メーカーの製品をテストすることは少なくない

なお、自動車メーカーが新型車を開発する際に他社製品をテストするのはよくあることで、ランボルギーニも反対にフェラーリのクルマをテストしていたことも。

シボレーはコルベットをミドシップ化し、さらに（フェラーリと同じ）V8フラットプレーンクランク採用エンジンをZ06に積むに際してフェラーリのエンジンを（振動対策を知るために）購入したことを明かしていますし、さらにはテストに911GT2RSを帯同させていたこともわかっています。

このほか、ポルシェもタイカンの開発にあたってはテスラ・モデルSを長らく使用しており、ぼくらの知らないところでまだまだ同様の例があるのかもしれません。

実際のところ、消費者の多くは「他社製品との比較によって」製品を選ぶことになるものと思われ、そのため他社製品を知らずして「良い」製品を作ることはできず、他社製品を知ることで自社が取るべき戦略が見えてきたり、どうやって違いを演出するかが理解できると考えてよく、むしろ積極的に他社製品をテストすべきなのでしょうね。

なお、販売的側面から見ると、その値付け、新製品発表の際のプレゼンなど必ず他社製品を意識する場面も必要となり、自社製品の市場内でのポジションや相対性を明確にする意味でも他社製品の調査は欠かせないものと思われます。

フェラーリがランボルギーニ・ウラカンSTOをテストする動画はこちら

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参照：Varryx