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内外装すべてブラック!1986年以降のテスタロッサ初期/中期/後期、512TRにF512Mといったテスタロッサファミリー5台が一挙に競売へと登場

内外装すべてブラック!1986年以降のテスタロッサ初期/中期/後期、512TRにF512Mといったテスタロッサファミリー5台が一挙に競売へと登場

| これら5台を一度に見る機会そのものが非常に稀だが、フェラーリのデザイン的変遷が感じられて面白い |

いずれも劣らぬ希少モデル、どのテスタロッサも高値をつけることになりそうだ

さて、RMサザビーズがイタリアにて開催するオークションに「5台ものブラック、かつV12ミドシップフェラーリ」が登場することに。

これは「ブラック・オン・ブラック・コレクション」と題されたもので、1986年のテスタロッサ”モノスペッキオ”、1989年のテスタロッサ、1987年のテスタロッサ”モノダード”、1992年の512TR、1996年のF512Mにて構成されています。

なお、これらのインテリアもすべてブラックで仕上げられており、いずれも優れたコンディションを持つもよう。

現在RMサザビーズでは詳細情報を準備中となっており、よってこれら5台を詳しく知るには後日の情報提供を待つしかないようですが、ここでざっとそれらの概要を見てみましょう。

1986年 フェラーリ・テスタロッサ「モノスペッキオ」

まずは1986年モデルのテスタロッサで、おそらく今回の5台の中ではもっとも高い価値を持っている個体かもしれません。

搭載されるエンジンは180度V12、出力は380馬力というスペックです。

Ferrari-Testarossa (7)

テスタロッサは1984年に発表されていますが、初期モデルはセンターロックホイールに加え、ミラーが「運転席側のみがAピラーに取り付けられている」ことが特徴です(当時のイタリアの法規に合わせて作られていた)。

Ferrari-Testarossa (6)

ミラーはかなり独特な印象ですね。

Ferrari-Testarossa (5)

1986年 フェラーリ・テスタロッサ「モノダード」

1987年モデルのテスタロッサはいわゆる中期型(1986年~1988年)に相当し、ミラーが左右に装着されるようになったほか、燃料噴射装置がボッシュ製KEジェトロニックに。

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ホイールのデザインは初期モデルと同じながらも、16.33インチから16インチへと変更されています(センターロック構造はそのまま継続されている)。

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1989年 フェラーリ・テスタロッサ

こちらは後期モデル(1988年央~)に相当する1989年モデルのフェラーリ・テスタロッサ。

Ferrari-Testarossa (4)

ホイールがセンターロックから5穴へと変更され、サスペンションの設計が変更されています。

Ferrari-Testarossa (3)

1992年 フェラーリ512TR

こちらは1992年に発表された、テスタロッサの後継モデル「512TR」。

なお、テスタロッサは往年のレーシングカーにちなみ、赤いエンジンヘッドカバーを持つことから「テスタロッサ=赤い頭」と命名されていましたが、この512TRは「5リッターV12(482馬力)」から512、そしてTRとはテスタロッサの略を示しています。

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サイドやリアにはテスタロッサっぽさを色濃く残すものの、フロントは当時の他のフェラーリ、たとえば348や、同年に登場した456GTのような「なめらかな」デザインを持っており、意外と印象が変わっていることがわかります。

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一方、インテリアにおいては「ほぼ変わらない」ようにも見えますね。

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1996年 フェラーリF512M

そしてこちらはテスタロッサシリーズの最終形、1994年に発表されたF512M。

この時期のフェラーリは後期型(もしくは最終モデル)に「F」という文字を与える例がいくつか見られ、「M」は改良型(モディフィカータ=Modificata)を現します。

搭載されるエンジンは5リッターV12を継続し、しかし出力は440馬力にまで高められています。

ヘッドライトは当時欧州にて導入されて始めた「デイライト法」に対応すべく固定式へと改められ、フロントバンパー内のグリルやランプ類がコンパクトになり、フロントフードではスリット状のダクトが廃止されてNACAダクトへと変更されることに(F40のフロントフードにも同様のNACAダクトが見られ、これを譲り受けたのだと考えられる)。

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やはり特徴的なサイドとリアのルーバーは残されているものの、リアだとテールランプが(当時のフェラーリが好んで採用していた)丸形へと変更されていて、ボディカラー同色面積が増えたことでスタイリッシュな印象に。

フェラーリはこのF512Mを最後に、「V12ミドシップ」をカタログからドロップさせており、1996年にはフロントにV12エンジンを搭載する550マラネロを(F512Mの後継として)登場させています。

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インテリアはテスタロッサシリーズ共通のままで、しかしこの個体は「無償オプション」として用意されていたカーボン製バケットシートを装着していないもよう。

なお、内装はコノリーレザー張りとなりますが、コノリー社(当時のピニンファリーナの指定業者だった)は現在自動車用レザーから徹底しているとされるので、けっこう希少な仕様ということになりそうです(フェラーリは1986年頃からポルトローナ・フラウ社のレザーを併用しはじめている)。

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参照:RM Sotherby's

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