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フェラーリに困難が降りかかる。2005年までに遡ってリコールがなされたブレーキ問題に関し、顧客が「しっかり修理がなされず危険な目にあった」として訴訟を起こす

2024/03/20

フェラーリに困難が降りかかる。2005年までに遡ってリコールがなされたブレーキ問題に関し、顧客が「しっかり修理がなされず危険な目にあった」として訴訟を起こす

| フェラーリはこのブレーキ問題において多大な苦労を強いられる |

実際に世界中にて「数万台レベル」のリコールがなされ、原因の究明についても壁が立ちふさがる

さて、フェラーリは「ブレーキに問題がある」として2005年モデルまで遡って北米では結果的に2万3000台以上、日本や中国、ドイツでも数千台レベルのリコールを発表していますが、これは日本だと458イタリア、458スパイダー、458スペチアーレ、458スペチアーレA、488GTB/488スパイダー、J50が該当し(海外市場では612スカリエッティやローマも対象)、その内容としては以下の通り。

制動装置において、マスターシリンダーのブレーキブースター側に装着されている油圧シール部からブレーキフルードがブレーキブースター内に漏れ、ブレーキの一次回路のブレーキフルードがなくなった場合、制動力は二次回路のみで作動する状態となることがある。その状態でブレーキリザーバータンクのキャップを強く締めすぎていると、ブレーキリザーバータンクの換気が減少してタンク内に負圧が発生し、ブレーキの二次回路のブレーキフルードがブレーキリザーバータンクに戻る可能性があり、最悪の場合、ブレーキが効かなくなるおそれがある。

フェラーリが日本市場で2500台をリコール!北米では5600台、中国では2200台が同様の理由でリコール扱いとなり「ブレーキフルードが漏れ、最悪の場合、ブレーキが効かなくなる」
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フェラーリはこの「ブレーキ問題」に大きく苦しめられる

なお、この問題はフェラーリを大きく苦しめる事となり、その理由は「根本的な解決策を見つけることが難しかった」ためで、よってこの対策には相当な時間と労力を費やしています。

そこで今回さらにフェラーリにとって頭の痛い問題が生じており、それは「米国にて、フェラーリの顧客が、この問題が解決しないとして訴訟を起こした」から。

フェラーリに対して訴訟を起こしているのは、2010年モデルの458イタリアのオーナー、イリヤ・ネチェフ氏だと報じられ、 ネチェフ氏によれば「フェラーリが2022年に開始したリコールは単なる”暫定的な是正措置”にしかすぎず、その結果として数千人のフェラーリオーナーが安全でない車両に乗らざるを得なくなった」。

さらに同氏はほかのフェラーリオーナーへと(フェラーリの責任を共同にて追求するよう)呼びかけを開始し、今週にもサンディエゴ連邦裁判所に集団訴訟を起こす提案を開始したことが報じられているわけですね。

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なお、ネチェフ氏は実際に「危険な」場面に遭遇したといい、90度の急カーブに向けて約50 マイル (時速80 km) で下り坂を運転していた際、減速しようとしたにもかかわらずブレーキペダルが硬く感じられ、速度を落とすことができず、代わりにシフトダウンせざるを得なくなったとも主張しています。

原告はフェラーリの対応に不満?

さらにネチェフ氏は「この問題をディーラーに報告したところ、正常な現象だと言われた」と主張しており、どうやらこれが同氏の怒りに火をつけたと考えてよく、問題に対するフェラーリの修正内容(ブレーキフルードリザーバーキャップの交換のみ)に不足があり、本来はマスターシリンダーを交換する必要があったこと、さらにはフェラーリが欠陥の完全な性質について顧客に十分に通知する義務を怠ったことについて責任を追求。

かくして同氏はフェラーリを相手取って訴訟を起こすことに決め、「フェラーリが生命を脅かす可能性を持つ欠陥を内包した数千台のクルマを販売し、そこで不当な利益を得た」としてフェラーリ、そしてそのサプライヤーであるボッシュに対しても訴訟を展開する運びとなったのですが、現時点でフェラーリは「お客様の安全と幸福が当社の最優先事項です。当社の車両が常に公認仕様を遵守していることを保証するため、当社は厳格な安全性とセキュリティのガイドラインに従って業務を行っています」というコメントを発表するにとどまり、この訴訟の行方については注目が集まるところですね。

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参照:Automotive News, Bloomberg

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