これでフェラーリ「スペチアーレ」のタイヤ問題も解決。ピレリがフェラーリと共同にてエンツォフェラーリと288GTOのタイヤを再販、なおF40とF50用は発売済み

｜　クラシックカー、ネオクラシックカー乗りにとって「タイヤ問題」は頭痛の種でもある　｜

ただし生産本数が少ないだけに「そうとうな」支出を迫られることになりそうだ

さて、ピレリが「エンツォフェラーリ向けのタイヤを再生産する」と発表。

こういった「再生産」を行うのにはいくつか理由があり、「当時の純正サイズが現在では存在しない」「同じサイズのタイヤは存在するが、見た目が昔とぜんぜん違うので装着すると違和感がある」「当時、そのタイヤとクルマとが同時設計されたので、現代のタイヤを装着すると性能上のバランスが損なわれる」などなど。

そういった理由にてポルシェは「クラシック911にマッチするタイヤ」を作ったり、ブリジストンがジャガーの古いスーパーカー向けのタイヤを再生産したり、そしてアドバンも昔のスポーツカー向けに「レトロな」タイヤを再生産しているわけですね。

スポーツカーにとって「タイヤ」はもっとも重要な部品のひとつである

そしてこの「タイヤ」はスポーツカーにとって非常に重要なパーツであり、というのも「タイヤの性能を超えてクルマを走らせることはできない」から。

実際のところ、ポール・ウォーカーの不幸な事故死も「経年によって劣化したタイヤが原因であった」と結論付けられていますが、一部のスポーツカーにとってはそのサイズのタイヤ、適切なタイヤがなく、交換したくてもできないといったケースも見られます。

そしてエンツォ・フェラーリの場合も同様で、エンツォフェラーリが設計された際に想定されていたトレッドパターンを持つタイヤを見つけることが難しく、しかし今回ピレリがそういった悩みを解決してくれるありがたい発表を行うことに。

なお、エンツォ・フェラーリは399台のみがおよそ20年前に製造されており、専用に設計されたピレリ Pゼロ コルサ システムが純正装着されていますが、これはフロントで245/35ZR19、リアだと345/35ZR19サイズをにて製造されており、もちろん今回ピレリが再生産を行うのも「全く同じ」サイズです。※コンパウンドはアップデートされているものと思われるが、エンツォフェラーリは意図的に（スピンを避けるため）アンダーステアとなるようにタイヤが設計されていたというので、この部分は踏襲されているものと考えられる

ピレリはタイヤの「再生産」に熱心である

なお、ピレリはこういったクラシックあるいはネオクラシックなクルマ、古いスーパーカーのタイヤを再生産することに熱心であり、初期のポルシェ911 を対象とした185幅のタイヤ、その逆にランボルギーニ・カウンタック・クアトロバルボーレ用に非常に幅の広いCinturato P7、さらにはワンオフモデルのカウンタックLP500向けに専用の（もちろん当時のスペックを採用した）タイヤを製造した例も。

そしてピレリはすでにフェラーリF40とF50用にも新しい、しかし当時と同じレトロな外観のを持つタイヤを製造していますが、今回ここに「エンツォフェラーリ用」が仲間入りし、さらに嬉しいことには288GTOとしてフロント225/50R16、リア265/50R16という珍しいサイズのCinturato P7も追加されています（これでフェラーリの”スペチアーレ”のタイヤ問題が解決したということになる）。

ただし今回その「価格」については発表されておらず、しかし（対象となる車両の生産台数が少ないので）タイヤの生産本数も極めて少ないと考えてよく、よってそうとうな金額になるのは間違いないのかもしれません（ただし、これらのクルマを所有する人たちにとっては、金額よりもタイヤがあるかないか、のほうが重要であると思われる）。

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