| ランボルギーニは「その形を蘇らせる」だけではなく、完全に機能することも証明してみせた |
このカウンタックLP500は現在ランボルギーニ本社併設博物館にて展示中
さて、ランボルギーニが「カウンタックLP500のシェイクダウンを行い、一般へのお披露目を行った」とアナウンス。
まず、シェイクダウンについては、10月9日にピレリが用意したヴィッツラ・ティチーノ・サーキットにて「カウンタックLP500:ザ・シェイクダウン」と題して大々的に行われ、このプロジェクトを依頼したコレクター(オーナー)、そして製作に参加したサプライヤーが出席し、「偉大なる成果」をその目で確かめることとなった模様。
続くお披露目に関しては、10月20日に開催されたコンコルソ・ヴィラ・デステにて行われることとなり、こちらについてはいくつかユーチューバーによる動画が公開されていますね。
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なお、このランボルギーニ・カウンタックLP500は、既存のクルマを改造したり、かつてのカウンタックをレストアしたものでアはなく、「ゼロベースで」作り上げたクルマ。
というのも、再現しようとした「カウンタックLP500」は市販前のプロトタイプであり、その後市販されることになった「カウンタックLP400」とは異なる構造を持っていためで、そのためランボルギーニのクラシックカー部門、ポロストリコは当時の資料集めからはじまり、その後には当時の仕様に忠実に、ハンドメイドにてそのフレームから作っていった、という手法を採用しています(当時のカウンタックLP500は、クラシュテストにて廃車となっている)。
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なお、せっかく作り上げた、世界に一台しかないクルマをいきなりサーキットで走らせるというのは「もったいない」ような気もしますが、ランボルギーニはもともと「(フェラーリに対抗すべく)ハイパフォーマンスカー」を作ろうとして創立された会社でもあり、カウンタックそのものも「元祖スーパーカー」でもあるので、やはりその仕上げはサーキットで行うのが妥当なのかもしれません(ポロストリコで修復されたクルマは、すべて路上にて実走テストが行われる、とのこと)。
乗員とのバランスを見るとかなりコンパクトなクルマに見えるものの、(カウンタックLP500の諸元データがなく)カウンタックLP400だと全長4140ミリ、全幅1890ミリ、全高1070ミリなので、けっこう幅広なクルマということに。
タイヤサイズはカウンタックLP400に比較するとフロントで40ミリ、リアで50ミリ大きいといい、これが「均整の取れた美しさ」を表現している、とランボルギーニは語ります。
もちろん、装着されるタイヤはピレリによる「特注品」です。
なお、タイヤだけではなくほぼすべてのパーツが「ワンオフ」にて製造されたのだと思われますが、その分サプライヤーもかなり苦労したであろうことも想像でき、しかしこうやって実際にカウンタックLP500が走る姿を見るにつけ、その苦労も喜びに変わっていったのでしょうね。
カウンタックLP500はランボルギーニ本社にて展示中
カウンタックLP500については、これらシェイクダウンそしてコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステでのお披露目ののち、ランボルギーニ本社へといったん戻され、本社横のランボルギーニ博物館(MUDETEC)に11月15日まで展示される、とのこと。
その間においてはボディを架装指定ない状態、つまりチューブラーフレームむき出しのLP400、そしてまた別のLP400、さらには(市販向け)カウンタック最初のプロトタイプ、カウンタック5000QV(クワトロバルボーレ)と一緒に展示され、カウンタックの変遷をその目で確認できるようです。
このカウンタックLP500を製作した「ポロストリコ」は上述の通りランボルギーニのクラシックカーにまつわるあれこれを担当する部門ですが、「ランボルギーニの歴史的なアイデンティティーを保存する責任」を担う部署として2015年に誕生しています。
そこではランボルギーニが過去に送り出したモデルのレストアはもちろん、2001年までに生産されたすべてのランボルギーニ車の認証と修復、アーカイブの保存を行い、すべてのクラシック・ランボルギーニの価値を確立・保存することを目的に活動中。
クラシック・ランボルギーニの愛好家からのリクエストに応えるため、市場に出回らないスペアパーツの生産も行いますが、「当時と同じ仕様を厳密に再現」するため、たとえば取扱い説明書の誤記・文法ミスに至るまで「再現」されていると言われます。
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参照:Lamborghiini