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フェラーリがついに「物理ボタン」採用ステアリングホイールへのレトロフィット対応を始める。ただしあの「赤いエンジンスターターボタン」は復活せず

フェラーリのステアリングホイール〜エンジンスターターボタン

| 少し前にフェラーリが「レトロフィット対応」としていた物理ボタン復活ステアリングホイール |

今回ついに「レトロフィット」対応が始まる

「触れただけで反応してしまう」「操作感がなくて不安」。

そんな不満が爆発していたフェラーリのステアリング内蔵「ハプティック(触覚)コントロール」につき、今回”ついに終止符が打たれる”ことに。

最新モデル『アマルフィ・クーペ』で物理ボタンを復活させたフェラーリですが、既存の『プロサングエ』や『12チリンドリ』のオーナー向けとして物理ボタン仕様へ交換するレトロフィット・サービスをディーラーが開始しており、ハイテクよりも「確実な操作感」を選んだフェラーリの決断に対し、世界中から称賛の声が上がっているというのが現状です。

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なお、フェラーリの本業はレースであり、市販車はその資金を稼ぐためのビジネスであるとはよく言われますが、モータスポーツにおいては「情報収集とスピーディーな改善」がなによりも重要で、今回の対応は「レース現場でのフェラーリの思想がそのまま市販車へと持ち込まれた」ものだとも考えてよく、いかにもフェラーリらしい出来事だとも捉えています(そしてフェラーリは操作系を常に進化させてきたメーカーであり、ユーザーインターフェースをいかに重要視しているかがわかる)。

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この記事の要約(30秒チェック)

  • 物理ボタンの復活: タッチパネル式の不快な操作感を解消するため、本物のボタンが帰ってきた
  • ディーラーで交換可能: 米国アトランタのディーラーを皮切りに、北米ではステアリング中央部の交換サービスがスタート
  • 対象車種: ハプティック式を採用していた『プロサングエ』や『12チリンドリ』などが対象
  • 背景: 昨年発表の新型『アマルフィ』での物理ボタン採用が極めて好評だったための措置

「ハプティックBS(でたらめ)」からの脱却

これまでフェラーリは、ステアリングにスマホのようなタッチ操作を取り入れてきましたが、それは「可能な限りシンプルに作る」「デザインの中に機能を組み込むことで主張を抑える」「従来のクルマっぽくしたくなかった」からだと言われます。

ちなみにこちらが前世代の「物理スイッチを使用した」ステアリングホイールですね。

フェラーリのステアリングホイール〜エンジンスターターボタン(ロッソレザー)

しかしローマ、そしてSF90ストラダーレを皮切りに導入、300km/hを超えるスピードで走るスーパースポーツにおいて、ブラインド操作ができないタッチパネルは「改悪」でしかなく、その最初のバージョンがこちら。

フェラーリのステアリングホイール〜タッチ式採用「第一世代」

スポーク部分が「ツルっとしたブラック」で、その時に使用できる機能のみがライトアップされるという仕組みなのですが、実際に運転していると「タッチ操作を受け付ける範囲がわからなかったり」「親指の付け根部分がスポークに触れるとすぐに不要な機能が立ち上がったり」してむしろ運転に集中できなくなってしまうことも。

フェラーリのステアリングホイール〜第一世代のタッチ式スイッチ

そしてそういった不満を解消した第二バージョンがこちら(けっこうすぐに登場したので、苦情が多かったのだと思われる)。

タッチ操作を行う部分に「段差」が設けられ、タッチ操作を受け付ける範囲が明確にされていますね。

フェラーリのステアリングホイール〜タッチ式操作採用(第2世代)バージョン

そしてアマルフィのデビューとともに導入された最新バージョンがこう。

フェラーリのステアリングホイール〜アマルフィに採用される最新バージョン

こんな感じで物理ボタンが導入され、操作の「範囲」「役割」が明確に。

フェラーリのステアリングホイール〜最新バージョンの物理ボタン

一方、「使用可能な機能を操作する部分だけが透過照明にて発光する」機能も継続され、これと物理ボタンとの組み合わせにより、非常に使い勝手が良くなっています。

フェラーリのステアリングホイール〜物理ボタンが復活した最新バージョン(アマルフィ)

そして今回のニュースは、「こういった使いにくいタッチ式操作をボタン式操作に変更できるパーツを後付できる」というものなのですが・・・。

フェラーリのステアリングホイール〜タッチ式操作採用バージョン

パーツ交換後であっても、残念ながらこの「赤いエンジンスターターボタン」は復活せず、相変わらずスポーク下のタッチ式ボタンにてエンジンスタートを行わねばならない、と説明されています。

フェラーリのステアリングホイール〜アマルフィに採用される最新バージョン

  • 新型「アマルフィ」が変えた流れ: 2025年に登場したアマルフィ・クーペでは、巨大な赤いアルミニウム製スタートボタンと物理スイッチを再採用。これが「これこそがフェラーリだ」と熱狂的に受け入れられた
  • センターユニットのみの交換: 幸いなことに、フェラーリの設計思想によりステアリング全体を買い替える必要はなく、中央のスイッチユニットとキャリブレーション(調整)だけで物理ボタンの操作感を取り戻せる
  • 残された課題: 交換後もスタートボタンは旧型の黒いプラスチック(タッチ式)のままとなり、しかし電話やクルーズコントロール、矢印キーが「カチッ」と押せるようになる恩恵は計り知れない
フェラーリのステアリングホイール〜エンジンスターターボタン

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現行フェラーリにおけるステアリングホイール進化の比較

特徴旧世代(ハプティック)新世代(物理ボタン回帰)
操作感振動による擬似フィードバック明確なクリック感(物理スイッチ)
誤操作のリスク手が触れただけで反応しやすく高い意図して押さない限り反応せず低い
デザインフラットで未来的だが指紋が目立つ凹凸があり、直感的なブラインド操作が可能
主な採用モデル296GTB, SF90, 初期プロサングエアマルフィ, 2026年以降の新型車


なぜ「不便さ」が「贅沢」に勝ったのか

フェラーリはかつて、伝統の「ゲート式マニュアル・トランスミッション」を廃止し、シフト操作を「より高性能なオートメイテッド・トランスミッションとパドルシフトへ」へと移行させていて、それは「速さ」という明確なメリットがあったから。

しかし、ボタンをタッチ式に変えることは速さにも楽しさにも貢献しなかったと見え、今回の物理ボタンへの「逆行」は「どれだけハイテクになっても、人間が操る道具としての直感的なインターフェースは譲れない」という、スポーツカーブランドとしての矜持を取り戻した結果と言えるのかもしれません。

フェラーリのステアリングホイール〜アマルフィに採用される最新バージョン


参考:加速する「物理ボタン回帰」のトレンド

実のところ、この動きはフェラーリだけでにとどまらず、フォルクスワーゲンも「ステアリングのタッチボタンは失敗だった」と認め、物理ボタンに戻す方針を発表しています(すでに最新モデルでは修正がなされている)。

そのほかアウディ、ポルシェ、アルピーヌ、ヒョンデ、ホンダなど多くの自動車メーカーが物理ボタンへの回帰を表明していますが(それでもレトロフィット対応は今のところフェラーリのみだと思う)、2026年は、自動車業界全体が「行き過ぎたデジタル化」を反省し、人間中心の設計(HMI)へ立ち戻る「物理ボタン復権の年」として記憶されることになるのかもしれませんね。

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