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フェラーリの新型ステアリングホイールが「新しい運転体験」を生む?グリップを「ひねる」ことで車体を「傾ける」など直感的操作が可能に

フェラーリの新型ステアリングホイールが「新しい運転体験」を生む?グリップを「ひねる」ことで車体を「傾ける」など直感的操作が可能に

| フェラーリは「ステアリングホイール」の進化に余念がない |

この記事の要点まとめ

  • 手動トルク制御: 従来はコンピュータが自動で行っていた左右輪のトルク配分、アクティブサスペンションをドライバーがハンドルのグリップ操作で直接コントロール
  • F1由来のデザイン: 499P(ル・マン覇者)を彷彿とさせる長方形のステアリングに、ひねる・押す・引くといった動作が可能な可動式グリップを装備
  • アンダー/オーバーを自在に: コーナーでグリップを操作するだけで、車体の向きをミリ単位で調整。ドリフト走行も自由自在
  • EV時代への布陣: 4モーター搭載が噂される次期EV「エレットリカ(仮)」にてその真価が最大限に発揮される見込み

「もっと意のままに車を操りたい」――。フェラーリがUSPTO(米国特許商標庁)に申請した最新特許は、そんな熟練ドライバーの渇望に対する究極の回答かもしれません。

これまでのトルクベクタリングやアクティブサスペンションは「黒子」として裏方で機能してきたものの、フェラーリはそれを「ドライバーが自分でコントロールできる武器」として表舞台に引き出すことにしたようです。

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仕組みの核心:指先ひとつで「タイヤの力」を書き換える

今回特許として新しく出願されたテアリングホイールの最大の特徴は、左右のグリップ部分が「動く」ことにあり、フェラーリは4つの異なるデザイン案を提示していますが、共通するのは「ドライバーの物理的なアクションを駆動トルクや車体の姿勢制御に変換する」という点です。

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ステアリングの操作と機能予測

操作アクション連動する車両の挙動期待される効果
グリップをひねる左右輪のトルク差を発生コーナーでのノーズの入りを鋭くする
グリップを親指で回す特定のタイヤへ出力を集中微細なライン修正をステアリングを切らずに行う
グリップを外へ引く外側輪の駆動力を増大強制的にオーバーステアを誘発し、ドリフトへ移行
ボタン/ロック解除誤操作防止の安全策直進走行時などの意図しないトルク変動を防ぐ

従来のステアリングホイールは「前輪の向きを変える」だけのものでしたが、しかしこの新技術では、グリップを握る手の「ひねり」や「引き」が、そのまま「車体の回転モーメント」として反映されるというわけですね。

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フェラーリ・エレットリカ:1,100馬力を操るための「鍵」

なぜ今、この技術が必要なのか?

 その答えは、フェラーリが開発中のブランド初となるフル電気自動車(EV)、通称「エレットリカ」にあると考えられており・・・。

  • 4モーターの圧倒的制御: EVは各車輪に独立したモーターを配置できるため、ガソリン車よりも遥かに緻密で高速なトルク制御が可能
  • 1,141馬力の怪物: 1,100馬力を超えるパワーをステアリング角度だけで制御するのはもはや限界に近く、手元で直接「トルクのベクトル」を指示するインターフェースが必要
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トルクベクタリングの「民主化」

これまでトルクベクタリングは、姿勢を安定させるための「安全装置」という側面が強かったのですが、フェラーリの狙いは(特許を見る限りでは)「その逆」。

彼らはこれを「走りの楽しさを増幅させるクリエイティブなツール」に変えようとしているように見え、ステアリングホイールを大きく切ることなく、「捻じる」ことによって車体全体のモーメントをコントロールしカーブををクリアする……そんな「マジック」のような走りが可能になるかもしれません。

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Image:Ferrari

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そしてこれが可能となるのは上述の「エレクトリックモーターならではのトルク制御」に加え、近年何かと話題の「タイヤを地面に押し付けたり、逆にジャンプさせたりする」強力かつ瞬間的な制御が可能となるEVならではの(高電圧システムの特徴を活用した)サスペンションということに。

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結論|テクノロジーは「操る喜び」を奪わない

自動運転やAI制御が進化する中で、フェラーリが出した答えは「より高度な操作を人間に委ねる」こと。

この新型ステアリングは、コンピュータに運転を任せるのではなく、コンピュータの圧倒的な処理能力を「ドライバーの手足」として開放するもので、まさに人間の感覚を”コンピューターを介して”クルマの動きとして投影するものです。

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2026年春に予定されているフェラーリ初となるEVのワールドプレミアではありますが、そのコックピットにこの「魔法のステアリングホイール」が装着されているのかどうか。

「エレットリカ」はフェラーリの未来を示唆する存在ではあるものの、その内容によってはフェラーリの未来に影を落とす可能性も考えられ、よってフェラーリはエレットリカを「誰もが想像できる範囲をはるかに超える」これからのフェラーリの象徴として世に示す必要があるわけですね。

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参照:CARBUZZ

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