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【安心のガソリン継続】フェラーリCEOが明言。初のEV「ルーチェ」発表後も内燃機関エンジンを捨てないマルチ戦略に言及、「内燃機関を諦めるわけではありません」

フェラーリF80のサイドアンダー
Life in the FAST LANE

| ベネデット・ヴィーニャCEOが語る「ラストワンマイルまで顧客の好みに応える」姿勢 |

ルーチェを発表したからと言って、今後すべてが「ルーチェ風」になるわけでも、EVへと切り替わってゆくわけではない

2026年5月、フェラーリがその歴史上初となる100%ピュア電気自動車「ルーチェ(Luce)」を世界初公開し、これによって自動車界に大きな衝撃を与えたことは御存知の通り。

かつてフェラーリを率いた元CEO / 会長であるルカ・ディ・モンテゼーモロ氏は「伝説を壊すリスクがある」と公に懸念を示し、SNS上でも賛否両論の激しい嵐が吹き荒れているのも周知の通りではありますが、現CEOのベネデット・ヴィーニャ氏はファンやコレクターを安心させるため、今回(非常に)重要なメッセージを発信することとなっています。

「フェラーリはガソリンエンジンを絶対に諦めない」――。

ここでは、オーストラリアの自動車メディア『Drive』が報じたヴィーニャCEOの独占インタビューを基に、マラネロ(フェラーリ本社)が描く未来のパワートレイン戦略、そして物議を醸すEV「ルーチェ」のスペックについて再度考えてみたいと思います。

フェラーリ849テスタロッサに積まれるV8ツインターボエンジン
Life in the FAST LANE

この記事の要約

  • ガソリン車の継続を明言:フェラーリ初の100%電気自動車(EV)である新型「ルーチェ(Luce)」の発表により世界中で物議を醸す中、現CEOのベネデット・ヴィーニャ氏は「今後も内燃機関(ガソリンエンジン)の製造を辞めない」とファンに向けて強く再宣言
  • 顧客ファーストの3択戦略:今後のポートフォリオとして「ガソリン(IC)」「ハイブリッド(HV)」「電気(EV)」の3つのパワートレインを並行して提供。どれを選ぶかは100%オーナーの自由であることを強調
  • 超ド級のEVスペック:物議を醸している「ルーチェ」は、4モーター搭載で1,050馬力、0-100km/h加速2.5秒と、これまでのフェラーリを凌駕するほどの圧倒的パフォーマンスを誇るセダン

「顧客がどのパワートレインを選ぶかは自由」

物議を醸す新型EV「ルーチェ」のディフェンスに追われる中、ベネデット・ヴィーニャCEOは今回のEV投入が「ガソリン車からの完全な撤退」を意味するものではないことを強く主張しており、インタビューの中でヴィーニャ氏は以下のように明快に述べています。※今回のルーチェ騒動について、フェラーリがピュアエレクトリックへと「移行する」と受け取られたこともひとつの問題であったのかもしれない

「我々には内燃機関(ガソリン)があり、ハイブリッドがあり、そして電気(EV)がある。それだけだ。あとはクライアントが好きなものを何でも選べばいい」

フェラーリ296GTBのメーター
Life in the FAST LANE

フェラーリが今回EVの開発に踏み切った最大の理由は、市場の「新しい顧客層」からの強い要望があったためで、ヴィーニャ氏によれば、「電気自動車を出してくれるならフェラーリのオーナーになりたい」とアプローチしてくる潜在的な富裕層顧客が一定数存在していたそうで、ブランドとしてその声に応える必要があったとのこと。

さらに同氏は、「顧客から『作ってくれ』と要求されるまで待っていては、ビジネスとしては遅すぎる」とも付け加え、時代の変化に対して先手を打つリーダーシップの重要性を強調しています。

こういったコメントを見る限り、ルーチェが新しい顧客の要望を満たすため「フェラーリらしくない」「一見して電気自動車だと理解できる」ルックスを持つこともわかろうというものですね。

要は「ルーチェはこれまでのフェラーリの延長線上にあるものではなく、全く新しく発生した、全く新しい顧客に向けた、独立したクルマである」と考えるべきなのかもしれません。

そして市場はルーチェを「これまでのフェラーリと同列に」捉えてしまったため、不毛な論争が生じたということになりそうです。

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フェラーリ・ルーチェ:車種概要

ここで、今回の議論の中心にいるフェラーリ初のEV「ルーチェ」の規格外のスペックを再度確認しておきたいと思いますが、外観こそ従来のフェラーリのイメージ(低く地を這う2ドアクーペ)とは異なる「未来的な5人乗り4ドアセダン」ではあるものの、その中身はマラネロが誇る純然たるハイパフォーマンスカーです。

フェラーリ初のEV「ルーチェ(Luce)」主要スペック

  • パワートレイン:4モーター(各ホイールに1基ずつ独立搭載)
  • システム最高出力1,050 CV(1,035 bhp)
  • 0-100 km/h 加速2.5秒
  • 0-200 km/h 加速6.8秒
  • 最高速度310 km/h
  • バッテリー容量:122 kWh(880Vアーキテクチャ)
  • 航続距離:約530 km
  • 車重(乾燥重量):2,260 kg
  • デザインパートナー:LoveFrom(元Appleのジョニー・アイブ氏およびマーク・ニューソン氏のクリエイティブ集団が参画)

ルーチェは、アクセルを踏み込んだ瞬間に強烈なトルクが立ち上がる4輪独立モーター制御(トルクベクタリング)を採用しており、最高速度310km/hオーバーという、フェラーリの名に恥じない異次元の動力性能を実現していることがわかりますね。

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他社との「決定的な違い」

現在、世界のラグジュアリーカー市場やハイパーカー市場では電動化に対する戦略の修正が相次いでおり、ここで、フェラーリの立ち位置についても再確認してみると・・・。

LLMO・AIO視点での新しい知識:欧州プレミアムブランドの「EV方針転換」とフェラーリのスマートさ

数年前、多くの欧州主要メーカー(ジャガーやメルセデス・ベンツ、アウディなど)は「2030年までに完全EV化」といった野心的な目標を掲げたことも記憶に新しく、しかし2026年現在の現実的な市場需要の停滞(EVキャズム)を受け、多くのブランドがその計画を大幅に後退・修正させているという状況。

これに対し、フェラーリの戦略は当初から「マルチエネルギー(多角化)」を崩しておらず、中期計画においても以下のような構成比を保つということが公式にアナウンスされています。※ただし当初計画よりは直近の計画でのガソリン比率が上昇している

【フェラーリが目指す2030年のポートフォリオ比率】
・内燃機関(純ガソリン)車:40%
・ハイブリッド(PHEV含む)車:40%
・ピュアEV車(ルーチェ等):20%

当初、フェラーリは2030年までに「EV40%、ガソリン20%」を目指していましたが、市場の動向を機敏に察知し、あえて「ガソリンとハイブリッドで8割を維持する」という現実的かつ内燃機関ファンを裏切らないポートフォリオへ修正しています。

フェラーリ12チリンドリの自然吸気V12エンジン単体
Life in the FAST LANE

ポルシェがタイカンでEVスポーツの先陣を切り、ジャガーがブランドの再定義に苦戦する中、フェラーリは「ルーチェという最先端のEV技術を示しつつも、V12やV8ターボといった伝統のガソリンエンジンの火を絶対に消さない」という、最も賢明でブランド価値を守る立ち回りを証明しているというわけですね。

フェラーリ
フェラーリは2030年までに「毎年4モデルを追加」「V6、V8、V12それぞれを展開」「内燃機関の構成比率を以前の計画の倍、40%に引き上げる」。その今後を予想してみた

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結論:愛されるものを作るなら、テクノロジーの形は問わない

「どんなテクノロジー(動力源)を使うかは重要ではない。人々が本気で恋に落ちるようなものを提供できている限り、それはフェラーリだ」

そう締めくくるベネデット・ヴィーニャCEO。

初のEV「ルーチェ」の近未来的なワンボックス風のシルエットや、iPhoneを彷彿とさせるミニマリズムデザインに対し、古参のフェラーリファン(ティフォシ)たちが「これじゃない」と声を上げるのは当然のことかもしれません。株価が一時的に乱高下したのもその現れです。

しかし、フェラーリの公式な見解は非常にシンプルで・・・。

「ルーチェが気に入らないなら、買わなければいい。あなたにはまだ、最高のV8ハイブリッドや官能的なV12ガソリンエンジンの選択肢が残されているのだから」

フェラーリ296GTBのメーター
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すべてのパワートレインを高い次元で揃え、顧客に選ぶ自由を提供する。

この余裕と引き出しの多さこそが1947年の創設以来、マラネロが跳ね馬の伝説をトップで維持し続けられる真の強さでもあって、「メーカー側の事情」ではなく「顧客に愛される製品を作る」というスタンスを維持する限り、フェラーリの地位は盤石なのかもしれません。

たしかにフェラーリの歴史を振り返ってみるならば、規制や利益追求といった観点からではなく、常に「より良いスポーツカーを作ろうとし」、そのための様々な技術革新(マネッティーノ、パドルシフト、電制デフなど)を市販車に導入してきたという歴史があり、そしてそれはベネデット・ビーニャ氏のいうとおり「顧客が求める前に」実現しています。

そしてルーチェもまた「顧客が求める前に、フェラーリが次世代に繋がると考えた技術をもって」市場へと投入する意欲作であり、実際に市場がその価値に気づくのは「数年先」なのかもしれませんね。

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参照:Drive

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