
| もしかすると北米市場向けのスペシャルモデルかもしれない |
登録された商標からは「アメリカに縁の深い」事実が見えてくる
「フェラーリがまた一つ、特別な跳ね馬を準備しているのではないか」——そういったウワサが登場しており、というのもフェラーリが米国商標特許庁などにFerrari LC67」という見慣れない商標を出願したことが明らかになったから。
このアルファベットと数字の組み合わせは一見ランダムに思え、しかしフェラーリのモータースポーツ史や北米市場との深い絆を紐解くと、ある熱狂的なストーリーが浮かび上がってきます。
ここでは、「LC67」が意味する歴史的文脈、そして最新V12モデル「12Cilindri(ドーディチ・チリンドリ)」をベースとした超限定モデルの可能性について考えてみましょう。
この記事の要約
- 謎の商標「Ferrari LC67」が申請される: フェラーリが自動車本体からアパレル、デジタル資産に及ぶ新たな商標を申請したことが判明
- 「LC」は伝説の人物「ルイジ・チネッティ」か: LCはフェラーリのアメリカ進出を支えたルイジ・チネッティ(Luigi Chinetti)、67は偉業を成し遂げた1967年を指している可能性が極めて高いと見られている
- 10台しか作られなかった「275 GTB/4S NART Spider」の再来か: 1967年に誕生し、現在数十億円の価値を持つ伝説のオープンモデル「NART Spider」のオマージュ企画が浮上している
- ベース車は最新V12「12チリンドリ」が有力: 275GTBの後継ともいえる存在であり、最新の6速MT(マニュアル・バイ・ワイヤ)仕様も発表された12チリンドリがベースになるのではないかと推測されている
謎のコード「LC67」が意味する歴史的文脈
フェラーリはこれまでにも、ワンオフモデルや数台限定の「ICONA」シリーズ、スペシャル・プロジェクト(SP)車輌において特別な名称を用いてきたという歴史があり、では今回の「LC67」とは何を意味しているのか。
識者らの考察によると、「LC」はルイジ・チネッティ(Luigi Chinetti)のイニシャルである可能性が極めて濃厚で・・・。
- ルイジ・チネッティとNARTの功績:元レーシングドライバーのチネッティは、1949年にエンツォ・フェラーリと出会い、フェラーリの米国初となる公式輸入総代理店となった人物。彼はレースチーム「NART(North American Racing Team)」を設立し、1960年代のモータースポーツ界でフェラーリに数々の勝利をもたらしたことでも知られている
- 「1967年」という特別な年:1967年のデイトナ24時間レースにて、NARTのフェラーリマシンが3位に入賞し、フェラーリによる「1-2-3フィニッシュ」の歴史的快挙に貢献(これが後の「365 GTB/4 デイトナ」の由来となる)
- 伝説のオープンモデル「275 GTB/4S NART Spider」:オープンモデルを強く好むアメリカ市場の顧客のために、チネッティがエンツォを説得して特別に作らせたのが275 GTB/4をベースにした「275 GTB/4S NART Spider」。当初25台の予定がわずか10台しか生産されず、、洗練された美しさと希少性から、現在ではオークションで2,500万ドル(約37億円)以上の値がつく伝説のコレクターズカーとなっている
以上の事情より、「LC67」という名称は、まさに「ルイジ・チネッティがNART Spiderを生み出した1967年」を象徴しているものと考えられます。

現代の「12チリンドリ」と伝説の「275 GTB NART Spider」の比較
もしフェラーリが「LC67」としてNART Spiderの現代的オマージュを計画しているとすれば、そのベースとして最も相応しいのがフロントミッドに自然吸気V12エンジンを搭載するフラッグシップGT「12チリンドリ」。
275 GTBの血統を現代に受け継ぐ12チリンドリは、クーペおよびスパイダーがラインナップされているほか、6速マニュアル(バイワイヤ方式)を組み合わせた限定モデル「12チリンドリ マヌアーレ」も登場し、クラシックなドライビングフィールへの回帰を見せていることから「もっとも論理的な選択肢」。
新旧のスペックと特徴の比較は以下の通りとなっていて・・・。
伝説のオリジナルと現代のベース候補のスペック比較
| 項目 | 275 GTB/4S NART Spider (1967年) | 12Cilindri(ベース想定・2024–2026年) |
| エンジン | 3.3L DOHC V型12気筒 自然吸気 | 6.5L F140 HD V型12気筒 自然吸気 |
| 最高出力 | 公称 300 hp | 830 PS (819 hp) @ 9,500 rpm |
| トランスミッション | 5速マニュアル | 8速DCT / 6速Manuale(バイワイヤMT) |
| 駆動方式 | FR(リアトランスアクスル) | FR(フロントミッドシップ・リア駆動) |
| ボディスタイル | 2ドア オープンスパイダー | 2ドア ベルリネッタ / 2ドア スパイダー |
| 生産台数 | 世界限定 10台 | シリーズ生産 / 特別限定仕様の可能性 |
| 歴史的価値 | 2,500万ドル(約37億円)以上のプレミア価値 | フラッグシップV12の最高峰 |
12チリンドリの美しいオープンシルエットに往年のNART スパイダーを彷彿とさせる専用の仕立てが施された「LC67」が登場すれば、世界中のコレクターが争奪戦を繰り広げることは間違いなく、しかし実際には争奪戦が起きる前に「フェラーリによって」そのオーナーが指名されることとなるのかも。
結論
現時点では「Ferrari LC67」という商標登録の出願が確認された段階であり、フェラーリ公式からの具体的な車輌発表はもちろんなく、商標防衛目的で未使用に終わる可能性も残されているものの、フェラーリが自社の豊かなヘリテージ(遺産)を巧みに現代へ蘇らせてきた歴史を振り返れば、大きな期待を抱かずにはいられないという状況です。
最新のテクノロジーと9,500rpmまで吹け上がるV12自然吸気エンジン、そしてルイジ・チネッティへのオマージュが融合した「LC67」が登場するのかどうかはわかりませんが、「もしこの世に生を受けるならば」どのような姿で現れるのか、マラネロからの正式なアナウンスを心待ちにしたいと思います。

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参照:Carbuzz











