| この低さは1970年代的 |
ジウジアーロ親子が創立したデザインカンパニー、GFGスタイル。
この会社は「ジョルジエット&ファブリッツォ・ジウジアーロ」の頭文字を取ったものですが、自ら設立した「ジウジアーロデザイン(イタルデザイン)」は現在ランボルギーニ傘下にあり、ジウジアーロ親子は所有していた(ジウジアーロデザインの)株式全てを売り払ってしまったので、もはやジウジアーロデザインとは関係がなく、創立者なのにその名を使用できないという事情があるのだと考えられます。
そして今回、そのGFGスタイルが「バンディーニ・ドーラ」そして「2030デザート・レイド」を発表。
ここでそれぞれを見てみましょう。
バンディーニ・ドーラはこんなクルマ
まずはバンディーニ・ドーラ。
ピュアエレクトリック4WD、そしてバルケッタ(簡素なオープン)というパッケージングを持っていますが、車体はスペースフレームにカーボン製のボディパネルを被せており、エレクトリックモーターの出力は544PS。
ジウジアーロ親子によると、このバンディーニ・ドーラは「快楽主義的な」オープンカーだとしており、そのイメージはかつてイタリアはロマーニャ地方に存在した自動車メーカー「バンディーニ」のクルマ。
この「バンディーニ」はイラリオ・バンディーニによって設立されていますが、もともとはプライベートレーサーであり、その後にアルファロメオディーラーを開いた後、1947年には自身の名を冠したクルマを製作し、1992年までに75台のクルマを生産しています。
エンジンすらも自社製であったといい、優れた性能を持っていた、とされています(右の赤いクルマがバンディーニ750スポーツ・インターナショナル・バルケッタ)。
このバンディーニ・ドーラにて特徴的なのはフロントからリアにまで通る「棒」ですが、これはオープンカーということを考慮し、万一の際にはロールバーとして機能することを想定した、とのこと。
インスピレーション元はF1マシンに装着されるハロだそうですが、ドライバーを守るという点では同じ目的でもありますね。
バンディーニ・ドーラのボディサイズは全長4,800ミリ、全幅2,000ミリ、全高わずか1,150ミリ。
低く構えた車体にウエッジシェイプというところは1970年代のコンセプトカー的で、ガルウイング(正確にはシザースドア)というところもやはり70年代的。
なんとなくベルトーネやピニンファリーナなど「カロッツェリア全盛」であった時代のクルマを連想させますね。
なお、走行性能としては0-100km/h加速3.3秒、最高速度は250km/h。
バッテリー容量は90kWh、一回の充電あたり走行可能距離は450kmだとアナウンスされています。
なお、インテリアは「スイッチレス」で、車両操作のほとんどはタッチスクリーンにて行うようですね。
ヴィジョン2030デザート・レイドはこんなクルマ
そしてGFGが発表するもう一台のコンセプトカーが「ヴィジョン2030デザート・レイド(Desert Raid)」。
ジウジアーロは以前にもアウディR8をスタイリッシュなオフローダーにコンバートした「パルクール・コンセプト」、昨年秋には「カンガルー・コンセプト(下の画像)」を発表しているので、「スポーツカーとオフロード」というコンセプトがけっこう好きなのだと思われます。
【動画】あのジウジアーロ親子がスーパーカースタイルのハイパーSUV「カンガルー」を公開!ガルウイング採用、オフロード走行も可能
そしてこちらが2030デザート・レイドですが、そのルックスはやはり「スポーツカー」。
全長4,770ミリ、全幅2,120ミリ、全高1,360ミリというサイズを持ちますが、全高のうち20センチくらいは「最低地上高」のようにも見えるので、車体自体はかなり「薄そう」。
実際のところ、乗降性を考慮してか、ルーフパネルがパカっと開く構造を持つようです。
車体後部にはスペアタイヤが積まれ、工具などを入れるスペースも。
後方確認は「カメラ」にて行うようですね。
パワートレインはバンディーニ・ドーラ同様にピュアエレクトリックを用いており、出力は510馬力、駆動方式はもちろん4WD。
0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は250km/h。
バッテリー容量は90kWh、一回の満充電あたり走行可能距離は450kmだと公表されています。
VIA:GFG Style