| ランチア・デルタが蘇るとしても2027年、そしてEV |
どう考えても、ブランド再生を考えたときに「デルタ」を活用しない手はない
さて、このところ何かと周辺が騒がしいランチア、そしてステランティス。
つい先日は新しいデザイナーを迎えて「過去の威光を取り戻す」と発表しており、しかし今回は2024年から2027年にかけて、シティカー、コンパクトクロスオーバー、コンパクトハッチバックという3種類の新型車を発表する予定だと報じられています。
そしてもちろん、これらのデザインを手掛けるのは新デザイナー、そしてステラティス社のグローバル・チーフ・デザイン・オフィサーであるジャン=ピエール・プルエ氏。
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現在、ランチアのラインアップは「1車種のみ」
なお、現在のランチアのラインアップは「イプシロン」1車種のみ。
1車種だけでブランドが成り立っているというのはにわかに信じがたいものの、イプシロンはこの35年間で300万台程度を販売しており、比較的「好調」な部類に属するのだそう。
ただ、ベースはフィアット500であり、発売されたのは10年前の2011年なので、そろそろ「限界」も見えてくるのかもしれません。
これまでには2015年にフェイスリフト実施、2020年にマイルドハイブリッドバージョンの追加、2021年の再フェイスリフトなどアップデートを繰り返してきたものの、今回の報道によると、ランチアはついにイプシロンの後継モデルを発売するということになりそう。
そしてこのイプシロン後継はプジョー208やオペル・モッカにも採用されるCMP/eCMPプラットフォームの改良版をベースとしており、ガソリン車のほか、ランチア初となるピュアエレクトリックバージョンも用意されると報じられています。
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このイプシロン後継の「シティカー」は2024年登場と言われますが、2026年には「エレクトリッククロスオーバー」も登場し、こちらはステランティス傘下のブランドにて使用されることにあるSTLAミディアム・プラットフォームをベースにする模様。
ランチア・イプシロンはけっこう売れていた
なお、現在の自動車事情を考慮するとSUVを先に発売しそうなものですが、イプシロン後継を先に持ってきたのは、おそらく「イプシロンがけっこう売れているから」。
イプシロンは現在イタリア国内でのみしか販売されていませんが、1月~5月の間では22,783台の販売があり、これは驚くべきことに「イタリアで2番めに売れているクルマ」であることを意味し、さらに驚くのは、同期間における、欧州でのアルファロメオ全モデルの販売台数よりも多いということ。
これだけ売れているのであれば、まずはイプシロン後継を、と考えるのにも納得ですね。
ついにランチア「デルタ」復活か?
そして要注目なのが2027年に発売されると言われる「コンパクトハッチバック」。
こちらはあの「デルタ」の名を復活させたモデルになるといい、ランチアの本格的な復活の原動力となるかもしれません。
ちょっと前にはルノーが「5」をピュアエレクトリックカーにて復活させると宣言していますが、デルタも復活するとなると、欧州ではちょっとしたリバイバルブームが起こる可能性もありそうですね。
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なお、ステランティスCEO、カルロス・タバレス氏は、ランチア、アルファロメオ、DS等傘下の14ブランドに対して10年分の投資を確保したと述べており、それぞれのブランドはビジョンを明確にしてロードマップを構築し、長期的に存続できることを証明することになりますが、今回出ている「ランチアのニューモデル」もこういった計画の一環ということになるのかも(デルタ復活は話題性からしても、ブランド再生の近道だとも考えられる)。
そして「2027年」というとまだまだ先のように思えるものの、もしかすると、これは「バッテリー価格が下がり、EVがガソリン車よりも安くなる」と言われる2025年以降に開発を行うことを意味している可能性もありそうです。
ランチアはまず電動キックボードを発売
そしてこの「3つのニューモデル」のウワサをよそに、ランチアは電動キックボードを発売。
街なかでの移動を主眼においた「イプシロン eスクーター」と命名された製品で、同分野のスペシャリストでもあるMTディストリビューション社との共同開発だと紹介されています。
ランチアいわく「持続可能で、より革新的で、さらにスタイリッシュな」未来の世界からインスピレーションを得た製品だといい、1回の充電で約約18キロメートルの走行が可能です。
前後にLEDライトを装備し、アルミフレームを採用、8インチのホイール装備というスペックを持ち、使用しないときは簡単に折り畳んでクルマに積むこともできる、とのこと。
カラーはイプシロンにあわせた「マリーヌ」と「ゴールド」、そして価格は約38,000円程度だとされるので、(イプシロン人気とも相まって)けっこう売れるのかもしれません。
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参照:Automotive News