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未レストア、40年間リビングに飾られていた「幻の」ランボルギーニ・ミウラが競売に。内外装は「ブラウン、ベージュ、ゴールド」という同系色

未レストア、40年間リビングに飾られていた「幻の」ランボルギーニ・ミウラが競売に。内外装は「ブラウン、ベージュ、ゴールド」という同系色

Image:Gooding & Company

| このランボルギーニ・ミウラ P400S「4614」は失われた個体だと思われていたが |

おそらくその落札価格は「常軌を逸したレベル」になるだろう

さて、クラシックカーにおいて価値を押し上げる要素がいくつかあり、大きなものとしては「モータースポーツへの参加履歴と入賞履歴」、そしてほかには「オリジナル性を保っているかどうか」。

後者についてはシャシーやエンジン、トランスミッションとのマッチングナンバー、自動車メーカーの与える認証などによってそのオリジナル性や真性が証明されることとなりますが、ここで重要な要素となりうるのが「レストアされているかどうか」。

もちろん美しく、そしてオリジナルの仕様に忠実にレストアされている個体の評価は高くなるものの、「全くレストアされていない」個体の価値が非常に高いと認識される場合があり、たとえばその車両の流通価格がレストア費用よりも遥かに高い場合は「未レストア」のほうが好まれる場合もあるようです(逆に取引価格がレストア費用を下回る場合、未レストア車は敬遠されることが多い)。

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このランボルギーニ・ミウラ P400Sは40年間「インテリア」の一部として飾られる

そして今回、グッディングズ・ペブルビーチ・オークションへの出品がアナウンスされたランボルギーニ・ミウラ P400Sはなんと「未レストア」で、これまでレストアされることがなかった理由は「オーナーが運転することを考えていなかったから」。

そして運転しようと考えなかったのは「40年間自宅のリビングルームにオブジェとして置いていたため」で、つまりこのミウラP400Sのオーナーはこのミウラをクルマとしてではなく芸術品として捉えていた、ということになりそうです。

実際のところ、ランボルギーニ・ミウラは「自動車史上、もっとも美しい」とも評されるクルマのひとつであり、このオーナーの心境も十分理解できるものの、魅惑的なV12エンジン搭載スーパーカーを目の前にして「運転したい」という衝動を抑えるのは一苦労であったのかもしれません。

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このランボルギーニ ミウラP400S(シャシーナンバー4614)は338台のみが生産された「P400S」で、「SV」へと置き換わる1年前の1970年7月に完成しています。

ボディカラーはルチ・デル・ボスコ(ブラウン=森の光という意味)に塗装され、ゴールドのホイールとサイドスカート、インテリアはゴビ(ベージュ)のビニール張りにファブリックという「内外装同系色」というコンビネーションをもつ”非常に珍しい”ミウラです。

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最初のオーナーであるマリーナ・ペドラッツィ氏は、トリノを拠点とするディーラー、ランボオートを通じて納車を受けており、その後1972年、1973年と続けてオーナーが変わり(いずれもトリノ在住)、その後1980年代初頭になると米国に渡ってスポーツカー愛好家のポール・D・ネイデル氏が購入することに。

そしてこのポール・D・ネイデル氏は、1980年代半ばにこのミウラ P400Sの登録を切ってニューヨーク州イージー・ロックアウェイにある自宅のリビングルームに置き、40年間そのまま放置したのだと説明されています。

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つまり、このミウラP400S「4614」はこれまでレストアされたことがないばかりか「一般に売りに出されたこと」もなく、今年はじめにポール・D・ネイデル氏の自宅で発見されるまで所在がわからなくなっていた「幻のミウラ」でもあるそうで、そして今回競売に供するに際しては自宅の壁を取り壊すなどの工事が必要であったことも伝えられています(自宅に展示されていた際の画像や工事中の写真はない)。

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そしてリビングルームのオブジェとして使用されてたということもあって、このミウラP400Sは驚くほど良好な状態を保っており、走行距離計は 42,000キロ強、エンジンやベルトーネによるボディはもちろんオリジナルのまま。

フロントとリアのクラムシェルは再塗装されていて、へこみや色ハゲ等あるものの、ドアとルーフの塗装はオリジナルのままであり、ウインドウ、ライト、その他のモール類もオリジナル。

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ブラウンとベージュの内装はさらに素晴らしい状態ですが、助手席左側のボルスターに見られる破損が唯一の欠陥だといい、出品元のグッディング&カンパニーは「機関や外装をレストアしたとしても、内装は(破損を除いて)そのままにしておくべき」と述べているほど。※この車両を購入したオーナーはボディやエンジン等を含めレストアするか、この状態を保存しておくかでかなり悩むことになりそうだ

このミウラP400S「4614」には、当時のイタリアのナンバープレートとイタリア自動車クラブの記録、オリジナルのパーツブック、オーナーズ マニュアルとサービスマニュアルのコピーが含まれ、グッディング&カンパニーによれば「長期間の静置保管のため、現在は運転できない可能性があり、公道使用前に機械的な手入れが必要である」。

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予想落札価格は200万ドル(現在の為替レートにて約3億円)から250万ドル(約3億8500万円)というエスティメイトが出されているものの、このミウラの価値はまさにプライスレスであり、この予想をはるかに超える買える価格で落札されても不思議はないかもしれませんね。

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参照:Gooding & Company

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