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| 次世代スーパーカーを示す異次元スペックとは |
なぜ今テルツォ・ミッレニオ?
さて、ランボルギーニが突如公式SNSに「テルツォ・ミッレニオ」の画像を投稿。
このテルツォ・ミッレニオは2017年に発表されたコンセプトカーで、当時ランボルギーニへとチーフデザイナーとして移籍してきたミッチャ・ボルカート氏による「最初の作品」です。
同氏は移籍後にアヴェンタドールSVJ、ウラカンEVO等を手掛けていますが、これらは前デザイナーによって形作られた製品の「手直し」であり、同氏が最初から考案したクルマとしてはこのテルツォ・ミッレニオが最初の作品ということに。
ここでテルツォ・ミッレニオとはいったいどういったクルマであったのかを振り返ってみましょう。
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この記事の要約
- 第3の千年紀へ: MIT(マサチューセッツ工科大学)と共同開発された、ランボルギーニ究極のEVコンセプト
- ボディが電池になる: ナノテクノロジーを駆使し、カーボンファイバー製の車体そのものにエネルギーを蓄電する革新的技術
- 自己修復機能: 炭素繊維の亀裂を自ら検知し、化学物質で自動補修する「セルフヒーリング」機能を想定
- インホイールモーター: 4輪それぞれにモーターを配置。V12サウンドに代わる新たな「官能的サウンド」を追求
ランボルギーニが描く「100年後のスーパーカー」
ランボルギーニが「第3の千年紀(Terzo Millennio)」の名を冠して発表したコンセプトカーがこのテルツォ・ミッレニオ。
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テルツォ・ミッレニオは市販を前提としたものではなく、その名の示す通り「ずっと先の」未来を見据えた存在であり、このまま時が進めば「デザイン」のみではなく「機能」もこういった発展を遂げるであろう、という考え方のもとに制作されています(つまり単なるデザインスタディではない)。
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「100%電気駆動」でありながら電気自動車(EV)の枠組みを遥かに超えており、ランボルギーニの魂である「エモーション」と「パフォーマンス」をいかに維持し、極限まで高めるかが最大限に追求され、そのためのパートナーとして選ばれたのがMIT(マサチューセッツ工科大学)。
このパートナーシップによって、ぼくらが抱く「自動車」の概念を根底から覆す”未来からのメッセージ”とも言えるコンセプトカーが誕生したわけですね。
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常識を破壊する5つの柱
テルツォ・ミッレニオの核心は、未来の技術を具現化した5つの技術的支柱にあります。
1. 革新的なエネルギー蓄積システム
従来の重いリチウムイオンバッテリーではなく、急速な充放電が可能な「スーパーキャパシタ」の採用をイメージ。これによって圧倒的な加速性能と効率的なエネルギー回収を両立させるという設定ですが、この「スーパーキャパシタ」はシアンFKP37、カウンタックLPI800-4にも実際に採用されていますね。※コストや容量の問題からか、その後の量産車には採用されていない
2. 進化した新素材
最大の特徴は「車体そのものがバッテリーになる」という発想です。ボディのカーボンパネル間にナノチャージを分散させ、構造材と蓄電機能を統合。驚異的な軽量化を実現します(クルマに必要なパーツに、別の機能を持たせ、あるいは統合して車両全体としての軽量化を図る)。
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3. 先進の車両アーキテクチャ
4輪すべてに電気モーターを内蔵する「インホイールモーター」を採用。これによりデザインの自由度が劇的に向上し、空力を極限まで突き詰めた未来的シルエットが可能となっています。なお、ホイールは「モーターのコイル」をイメージしたものだとアナウンスされています。
4. 官能的なサウンド
V12エンジンの咆哮を失う代わりに、電気駆動ならではの新しい「音の署名(ソニック・シグネチャー)」を開発。ドライバーの心拍数を高めるエモーショナルな体験を約束することを目指しています。
5. 自己修復(セルフヒーリング)
カーボン構造に微細な亀裂が生じた場合、システムが自動で破損を検知。内部に充填された修復用化学物質が放出され、損傷を修復する技術を構想しています。これにより、極限状態での安全性と耐久性が飛躍的に向上するというわけですね。
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スペック・特徴概要
| 項目 | 特徴・詳細 |
| パワートレイン | フル電動 (4モーター・インホイール駆動) |
| 蓄電技術 | 次世代スーパーキャパシタ + 蓄電型カーボンパネル |
| ボディ素材 | 自己修復機能付きカーボンファイバー複合材 |
| 駆動方式 | 全輪駆動 (AWD) |
| 主要コンセプト | 空力性能の極大化、軽量化、エネルギー回生 |
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未来のベンチマーク
現在、多くのメーカーが既存のプラットフォームを流用したEVスポーツを展開していますが、テルツォ・ミッレニオは「未来の素材」そのものから開発している点で一線を画しています。
これは「市販予定が前提ではない」からこそ実現できた手法でもあり、今後数十年間にわたってランボルギーニが採用してゆく予定であった「技術のロードマップ」そのものというキャラクターがここからも理解できるかもしれません。
実際のところ、上述のスーパーキャパシタの採用例のほか、ここで培われた空力技術や軽量化のアプローチは「レヴエルト」「テメラリオ」といった、ミッチャ・ボルカート氏が白紙からデザインした最新モデルにもエッセンスとして受け継がれ、フロントやリアの「Y字」発光グラフィックもレヴエルト、そしてWECを戦ったハイパーカー「SC63」へと引き継がれた意匠です。
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結論:ランボルギーニは「未来」も支配する
テルツォ・ミッレニオは、ぼくらが愛する「スーパーカーの刺激」が電動化の時代になっても決して失われないことを証明する存在。
車体が自ら傷を癒し、ボディそのものがエネルギーを蓄え、4つの車輪が独立して路面を蹴り上げる。
そんなSF映画のような世界を、ランボルギーニは本気で実現しようとしており、この「第3の千年紀」のビジョンがある限り、猛牛の伝説は終わることはない、という意思表示であるとも受け取ることが可能です。
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なお、ランボルギーニは過去よりも未来を重視する会社であり、ステファン・ヴィンケルマンCEOも「我々に必要なのは、大きな(未来を見据える)フロントグラス、そして小さな(過去を振り返る)バックミラーです」とも述べており、その視線の先には常に未来があることを示唆しています。
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参考:なぜランボルギーニはMITと組んだのか?
自動車メーカーが大学の研究機関とこれほど深く連携するのは極めて異例。
これは、もはや「既存の部品の組み合わせ」では、ランボルギーニが求める究極の性能に到達できないことを意味しており、素材の分子レベルから革命を起こす必要がある——。
この姿勢こそが、彼らを単なる自動車メーカーではなく、テクノロジーの先駆者たらしめている理由なのかもしれませんね。
Lamborghini Terzo Millennio: a concept that embodies the essence and looks straight to the future. pic.twitter.com/O0KR0pwGOq
— Lamborghini (@Lamborghini) February 16, 2026
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