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ブガッティがトゥールビヨンのデザイン決定過程を語る。「我々のクルマは100年後にも輝きを失ってはならないので、過去100年で色褪せていない技術に目を向けました」

ブガッティがトゥールビヨンのデザイン決定過程を語る。「我々のクルマは100年後にも輝きを失ってはならないので、過去100年で色褪せていない技術に目を向けました」

| たしかにブガッティの考えることは「もっとも」である |

このブガッティ・トゥールビヨンが実際の100年後に「どう見えるのか」は非常に興味のあるところである

さて、ブガッティのチーフデザイナーはアキーム・アンシャイト氏からフランク・ヘイル氏へと交代していますが、フランク・ヘイル氏の初仕事が他ならぬ”トゥールビヨン”です。

そして今回、同氏が「典型的なブガッティのデザイン哲学を新たな形で表現するスリルと挑戦について」語っており、まずは以下のように述べています。

「115年以上にわたるブガッティの歴史には、私たちが参考にできる豊かなデザインDNAの遺産があり、ブガッティを定義するものを強調するガイドラインがあるのです。私たちが考慮する必要があるのは、形状は常にパフォーマンスに従うということです」

03 BUGATTI Tourbillon Design
Bugatti

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ブガッティ・トゥールビヨンのデザインはこうやって形作られた

さらに同氏は、「現代のすべてのブガッティのデザインに反映されているように、トゥールビヨンはフロントからリアまで”スピードによって形作られている”」と語り、すべてのカーブ、吸気口、排気口、パネルを通じ、トゥールビヨンの全体的な構造は、新しいレベルのパフォーマンスを引き出すために細心の注意を払って作られている、ともコメント。

つまり空力性能はすべてのデザイン上の要素決定と密接に関係しているということになりますが、各モデルが誇る最高速度であれ、ボリードのような高いダウンフォース値であれ、そこにはパフォーマンス上の目的があるのか​​という前提が存在するのだそう。

26 BUGATTI Tourbillon Design

実際のところ、ブガッティは無意味な数値の追求をやめ、「実際に体感できるパフォーマンス」の追求へとシフトしていますが、そのためボリードは当初の計画から大幅に最高速が引き下げられています(当初計画されていた最高速を出せるサーキットは世界中のどこにも存在しないため)。

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ブガッティ・トゥールビヨンのデザインは「時代を超越すること」を目的に考案されている

そしてトゥールビヨンのデザインについては「時代を超越すること」が重視されており、ここに上述の「スピード」が絡んでくることになりますが、フランク・ヘイル氏いわく「ブガッティにとっては優雅さとスピードの相互作用が非常に重要です」。

「ブガッティのクルマは長い間存在し続けるため、タイムレスであると同時に、最新かつ流行に即したものにする必要もあります。クルマの時代を決定づけるのは、それが作られた当時の技術です。100年後には、今日の技術はもはや最先端ではなくなります。そのため、私たちは別の要素にに焦点を当てる必要があるのです。」

06 BUGATTI Tourbillon Design

つまり「スピード」によって様々な要素が決定づけられるといえど、最新の技術やデザインのみに依存していてはすぐに時代遅れとなってしまい、しかしブガッティのクルマは時代を超越したものでなくてはならず、よってブガッティが採用したのが「100年以上前に考案され、現代でも高級品として認知されている」機械式腕時計。

16 BUGATTI Tourbillon Design

そしてここからインスピレーションを受けて誕生したのが「(くだんのメーターだけではなく)真にユニークなアナログ体験」を得ることができるキャビンだといいます。

「体験。それが私たちがトゥールビヨンを特別に設計して呼び起こすものです。それは、運転席に座ったときの感覚、アルミニウムのスイッチギアに触れる感覚、ダイヤルを回したときの重さ、革の匂い、自然吸気の 9,000 RPM V16 エンジンの音です。」

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「トゥールビヨンのデザインは、進化的なアプローチと見なすことができます。しかし、このコンセプトの実現の過激さと極端さは、私たちがこれまでにやったことの何にも似ていません。このアプローチを通じて、ブガッティを運転し、所有し、一緒に暮らす体験は比類のないものだと信じています。ぜひ体験してみてください。」

この「ブガッティのチーフデザイナーであるフランク・ヘイル氏がトゥールビヨンのデザインを語る」シリーズは今回で二回目となり、「スピードがデザインを決める」「しかしスピードのみではなく様々な要素を融合させる必要がある」「時代の淘汰を経て生き残った技術を取り入れることで次の100年も輝きを失わない」という考え方が示されていますが、次回にはまた新しいトゥールビヨンの一面が語られることになりそうですね。

ブガッティのチーフデザイナーがトゥールビヨンのデザインについて語る動画はこちら

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参照:Bugatti

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