
Image:Pininfarina
| 伝説のNSXが華麗に「リバース(転生)」。ピニンファリーナのデザインとレース技術の融合 |
ホンダの長年のレースパートナーであるJASモータースポーツが、同社初の「スーパーカー」レストモッド(Restomod)モデル「JAS Tensei」を発表。
もちろんこの「Tensei」は日本語で「転生」を意味しており、初代NSXのDNAを忠実に継承しつつもイタリアの伝説的なデザインハウスピニンファリーナ(Pininfarina)によるスタイリング、そしてJASのレース技術が注ぎ込まれた一台となっています。
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技術・性能ハイライト
JASモータースポーツは当初技術的な詳細を伏せていたものの、今回は主要なスペックを公開しており、この「Tensei」は、単なる外装のアップデートではなく(JASモータースポーツだけに)レースで培われた本格的なパフォーマンス向上を伴う真のレストモッドともいうべき存在に。
| 項目 | 詳細スペック |
| ベース車両 | 初代ホンダ NSX(NA1型シャシーを使用) |
| ボディ | フルカーボンファイバー製(ピニンファリーナによる設計) |
| エンジン | オリジナルV6を徹底的に再設計 |
| 排気量 | 3.0リッターから3.5リッターに拡大 |
| 最高出力 | 420馬力 |
| 最大トルク | 350Nm |
| トランスミッション | 6速マニュアル(LSD付き) |
| サスペンション | KW DDC アダプティブダンパー |
| ブレーキ | ブレンボ製(オプションでカーボンセラミック設定あり) |
| 駆動方式 | 後輪駆動(RWD) |
| 生産台数 | 35台限定(NSX生誕35周年記念) |
| 価格 | ドナーカー(ベース車両)を除き、880,000ユーロから※約1億6000万円 |
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エンジンの「魂」はそのままに、パワーを大幅強化
JAS モータースポーツはオリジナルの自然吸気V6エンジンというNSXの魂を維持しつつ大幅なチューニングを施していますが、その内容はおおよそ以下の通り。
- 排気量拡大:新しいクランクシャフトと回転アセンブリによって排気量が3.0リッターから3.5リッターに拡大
- 吸排気系の改善:ヘッドが再加工され、バルブとポートが拡大。オリジナルのインテークレイアウトに代わり、6つの独立したスロットルボディが採用されることで”よりシャープなレスポンス”を実現
- トランスミッション:現代の高性能車では珍しい6速マニュアルトランスミッションが採用され、リミテッドスリップディファレンシャル(LSD)と6モードのトラクションコントロールシステムが組み合わされる
NSXレストモッド「転生」のデザインとコンセプト
「Tensei」のデザインは、ピニンファリーナが初代NSXの基礎となった「HP-Xコンセプト」を過去に手がけていたという因縁もあり、NSXのピュアなプロポーションを尊重しつつ、現代的なモータースポーツの要素が加えられています。
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- ボディワーク:オリジナルのシャシーをベースに構造セクションを複合材料で補強し、外装全体を特注のカーボンファイバーで再構築。これにより、軽量化と剛性向上が図られる
- 特徴的な変更点:
- ポップアップヘッドランプを継承しつつ、LEDデイタイムランニングライト(DRLs)を備えた再設計されたフロントバンパー
- ワイド化されたフェンダーと、よりクリーンなルックを実現するために作り直されたサイドベント
- リアセクションではL字型のフェイシアとレトロスタイルのLEDテールライトが特徴的。スポイラーがボディワークにシームレスに結合される
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JASとピニンファリーナの血統
- JASモータースポーツ:30年にわたりホンダの公式レースパートナーとしてツーリングカーからGT3マシンまでを手掛けてきた実績があり、そのレース由来のメカニズムがTenseiに注入されている
- ピニンファリーナ:デザインはすべてこのイタリアの名門デザインハウスが担当。内装についても、オリジナルのドライバー重視のレイアウトを維持しつつ、プレミアムな素材とモータースポーツにインスパイアされたルックによる”洗練”が加えられている
「Tensei」は、モータースポーツの専門知識とイタリアンデザインが融合し、90年代の象徴的なスーパーカーを現代に蘇らせたコレクターズアイテムとなることが確実視されており、納車は2027年から開始される予定だとアナウンスされています。
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