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マツダの販売台数が12ヶ月連続前年割れ、一方スバルは91ヶ月連続プラス。マツダはもう「デザインそのまま」で安いクルマを作るしか生き残る道がない?

2020/07/09

| 値段を下げれば売れることはCX-3の1.5リッターモデルが証明した |

2016年以降、アメリカでは自動車販売台数が徐々に減少しているそうですが、そんな中でも「全てのメーカー/ブランドが」縮小しているわけではなく、勝ち負けが明確に出ている模様。

今回報道されたのは「シボレーとマツダが12ヶ月連続で前年割れ」というもので、つまりこの2ブランドは1年間ずっと販売が下がりっぱなし。

もちろんこれにはコロナウイルスの影響があるということを否定できないものの、コロナウイルス前から下がっていたのもまた事実です。

マツダが「目指す」としたスバルは91ヶ月連続で前年超え

なお、この両者は「2011年以来、前半期としては過去最低の販売台数」になったと報道されていますが、上述のように「勝者」もいて、たとえばスバルはこの状況においても91ヶ月連続で前年を超える販売を見せ(スゴいな・・・)、2020年前半はコロナ禍にもかかわらず5.2%の販売増。

ちなみにシボレーとマツダのように「12ヶ月連続(もしくはそれ以上)販売を落としているブランドとしてはスマート、フィアット、ミニがあるそうです。

参考までに、マツダに関して言えば、北米法人の社長を20年ぶりに日本人へと置き換え、「スバルをベンチマークにする」と宣言したのが2017年。

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一方でベンチマーク認定されたスバルはアメリカにて凄まじい人気を誇っており、もうワゴン市場ではブッチギリ。

値引きをしなくても売れるために利益が厚く、さらに一度スバルを購入した人はリピーターとなる確率も他ブランドに比べてかなり高い(リピーター獲得率では、常に1位か2位という調査結果)とレポートされています。

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スバルの利益については「値引き」以外にも要因があり、プラットフォームの統一や、軽自動車/ミニバン/コンパクトカーという「売れ筋だが競争が厳しい」カテゴリから撤退し、勝てる土俵にて勝負に出たこと、ハイブリッドはじめエレクトリック技術の開発を行わないと決めたこと(必要になればトヨタから買うことができる)等があり、「割り切り」戦略によって利益を出しているとも言って良さそう。

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なお、北米におけるマツダの「頼みの綱」はMAZDA3ですが(見本で売れているCX-30は、アメリカだと小さすぎて売れないらしい)、こちらの販売も2019年の同期間比では21.5%減少しており、今のところ打つ手がないのがマツダの置かれている現状です。

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まぜマツダは売れなくなったのか

なぜマツダが売れなくなったのかということについては様々な見方があるものの、ぼくが思うのは「単に高いから」。

マツダは「現代のクルマはどうしてもコストが高くなり、そのまま値上げすると買ってもらえないので、さらにお金をかけてお客様が納得してくれるいいクルマを」目指した結果、MAZDA3のSKYACTIV-Xはフォルクスワーゲン・ゴルフの価格を超えてメルセデス・ベンツAクラスクラスやBMW 1シリーズ並みの価格となっています。

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この価格でマツダ車を買う人がワンサカいるというのは考えにくく、こういった「プレミアム路線」がマツダの現状を招くきっかけになったんじゃないかと考えているわけですね。

マツダのデザインにはファンも多い

一方、マツダは優れたデザインを行うことで定評があり、そのデザインには多くのファンがいることもまた事実。

それは多くのグラフィックアーティストたちが「マツダ車を題材にした」レンダリングを発表していることからもわかりますが、それだけアーティストの創作意欲を掻き立てるだけの魅力を持つという証左なのかもしれません。

ちょっと面白い現象としては、2020年6月の自動車販売状況があり、国産車全体としては前年比80.1%、つまり20%減という状況。

もちろんマツダ車もこの状況下で販売を大きく落としており、MAZDA3は前年比74.7%、CX-5は42.1%、CX-8は41.7%という惨憺たる結果(MAZDA2、CX-30については、昨年同時期に発売されておらず、比較ができない)。

ただ、それらの中で唯一前年比で販売が伸びたのがCX-3(150.7%)。

CX-3はCX-30発売後にそのシェアを食われてしまい(両者は価格にさほど差がない)、今年はずっとランキング圏外にて推移していたのですが、2020年5月にお買得モデルを追加して事実上の「値下げ」を行っています。

これによって6月の販売が大きく伸びることとなり、こういった事実を見ると、「マツダ車は価格さえ下がれば、買おうという人が多く存在する」ということが明確に。

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マツダは開発コストが高い自動車メーカー

なお、マツダは様々な特許出願が報じられることでわかるとおり、研究開発に熱心なメーカー。

SKYACTIV-Xエンジンを発表したり、今後だとFRプラットフォーム、直6エンジンを登場させることになるかと思われ、これらはちょっと前に発表されたEV「MX-30」のエレクトリックパワートレーン、ロータリーエンジンを使用したレンジエクステンダーと同じく「新開発」。

一方でスバルはプラットフォームを「SGP」の一本(とBRZ/86用のFR)にしぼり、エンジンやトランスミッションも同じもので統一したり、「何十年も」使い回すことも(そして上述の通り、エレクトリック関連にも手を付けていない)。

スバルが儲かってマツダが儲からない差はここにあり、スバルは「少ない販売台数でも利益が出る構造」を作ろうとしたのに対し、マツダは開発費用を多く投じているため「たくさんクルマを売らないと利益が出ない」会社になってしまったわけですね。

よって、「マツダが生き残る道」があるとすれば、もう新技術への積極投資はやめてしまい、既存のエンジン、トランスミッション、プラットフォームを使用し、「安くクルマを作る」ことを考え、その優れたデザインに汎用性の高いパワートレーンを組み合わせることでコストパフォーマンスの高いクルマを作り販売するしかないだろう、と考えています。

参照: Automotive News, 自販連

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