| ロータリーエンジンを世界ではじめて実用化した人物が亡くなる |
マツダ「ロータリーエンジンの父」、山本健一氏(95歳)が11月20日に永眠された、との報道。
山本健一氏は旧海軍の技術者将校であり、戦後にマツダへと入社し世界で初めてロータリーエンジンの実用化に成功した人物。
その後にマツダの社長、会長、相談役、最高顧問も歴任しています。
ロータリーエンジンを継続して開発したのはマツダのみ
山本健一氏は東大卒業後に川西航空機へ入社し、その後開戦と同時に海軍技術少尉として招集され、そのまま戦後→マツダ(当時は東洋工業)という流れですが、けっこう破天荒な人物であったようで、様々なエピソードが残されています。
一方で設計技師としての腕はずば抜けており、36歳にして設計部門では誰もが認める存在に。
負けん気も強かったと見られ、ダイハツ・ミゼットに対抗するため秘密裏に開発を進めてK360を発売した、という話も残っていますね。
1963年に当時のマツダ社長の意向にてロータリーエンジン開発を任され、そのときに集められた47人「ロータリー47士」は非常に有名で、海外では47Roninと呼ばれたりも。
そして1967年にはついに初めてのロータリーエンジン搭載車「コスモスポーツ」が発売されることとなっています。
ロータリーエンジンは現在に至るまでマツダ以外は実用化に成功しておらず、多くのメーカーがチャレンジしながらも「諦めた」技術。※アウディ、メルセデス・ベンツも実用化まではこぎつけているが、現在は開発中止
軽量コンパクトなことが特徴で、マツダRX-7に搭載されることで大きくそのメリットが知られることとなりましたが、環境性能を満たせずにRX-8への搭載を最後に、残念ながら現在ではその火が途絶えています。
2017年は「ロータリーエンジン搭載車発売50週年記念」であり、東京モーターショーなどで「ロータリーエンジン搭載スポーツカー発表」が囁かれるも実現せず。
しかしながら山本健一氏の意思を引き継いだ精鋭が「極秘裏に」ロータリーエンジンの開発を進めていると度々報じられており、いつの日か必ずやロータリーエンジン搭載スポーツカーを発表してくれる、と信じています。
なお、マツダでは「マツダだけが持ちうる資産」としてロータリーエンジンを重視しており、オフィシャルサイトにおいても下記の通りコンテンツが公開中。
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