| 自動車史上、まれに「珍車」が誕生することがある |
この日産エクサもそういった珍車のひとつであり、高い志と技術が反映されている
さて、日産はときに「時代に先駆けた」クルマを作ることがあり、テクノロジーに関してはR32スカイライン(コンセプトカーだとMID4)、そしてデザイン面だとパオやBe-1、フィガロなど一連のパイクカーを思い浮かべる人も少なくはないかもしれません。
ただ、忘れることができないのが「EXA(=エクサ。北米だとパルサーNX)」であり、今回米オークションサイトに走行わずか 9,300 マイル (14,966 km) というグッドコンディションの個体が出品されてぼくの心を鷲掴みにしています。
日産エクサとは何だったのか
この日産エクサはもともとパルサーの派生車種として誕生していて、初代は「パルサーエクサ」、しかしこの二代目(1986-1990年)では「エクサ」という名称に(マークIIやインテグラのように、サブネームがそのまま正式名に昇格することはいずれの自動車メーカーでもよく見られる)。
最大の特徴は「車体後半の形状をユーザー側で変更できる」というもので(日本では登録の関係上、変更ができない)、「クーペ」「シューティングブレーク」へとその姿を変えることができ、今回出品されているのは「シューティングブレーク」。
これはガラスキャノピーを装着したモデルですが、北米ではユーザーがボディ形状を変更できたことから「モジュラー日産パルサーNX」と呼称されています。※リア上部を完全に取り外し、クーペでもシューティングブレークでもなくピップアップトラックのように使用することもできた
なお、北米ではクーペとして販売され、このガラスキャノピーは「オプション扱い」だったのだそう。
ちなみにルーフは「Tバー」。※捉えようによっては、このオープン状態が「第3のボディ形状」だとも言える
ヘッドライトは”リトラクタブル”を採用するものの、3軸構造を持つなど、日産のこだわりが詰まったディティールを持っています。
さらにテールランプは現代の基準から見ても斬新なデザインを持っていて、とにかく発表当時に各方面を驚かせることになった「隠れた名車(もしくは珍車)」でもありますね。
参考までに、ドアハンドル形状にも配慮がなされ、空気抵抗を削減することでクーペ版ではCd値0.34という(当時としては)優れた数値を記録しています。
なお、テールランプはコンセプトカーであるNX-21、このドアハンドル(バーチカルスリット)はMID4に採用されていたもので、ある意味ではこのエクサは「市販版コンセプトカー」であったと言えるかもしれません。
この日産エクサのコンディションは上々
そしてこちらはこの日産エクサのインテリアですが、見ての通りコンディションは上々。
当時としては斬新なシート形状を持っています。
現在のところ価格は15,850ドルにまで上昇しており、この年代、そしてこの排気量(1.8リッター)のクルマとしては破格の値段で落札されることになるのかもしれません。
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参照:Car&Bids