| 完成したスープラ・ワイドボディはスーパーカーミーティングに乱入して存在感を発揮 |
さて、先日紹介したとおりSEMAに向けて急ピッチで各チューナー/ショップが進めるトヨタGRスープラのカスタム。
トラッンスミッションのマニュアル化、ワイドボディ含むエアロキット装着など様々なカスタムが施されていますが、もっとも注目されるカスタムのひとつはやはり「MTスワップ」。
これは今までにもフェラーリ等でMTスワップを実現させてきた「ヨーロピアン・オート・グループ」が進めるもので、今回はその過程を収めた動画「第三弾」が公開されています。
ここでその内容を見てみましょう。
単に「パーツ流用」でのMTスワップは難しいようだ
トヨタGRスープラは「BMW Z4と共同開発」されていますが、現実的にほとんどBMWと言っても良いクルマ。
エンジンやトランスミッション、それらをコントロールするシステムもBMWからの供給となり、生産されるのもZ4と同じ工場、そして同じライン。
ただ、これにはメリットも多く、「BMW他車種のパーツが流用」できるというのもその一つ。
今回、ヨーロピアン・オート・グループもやはりBMWのパーツを流用してスープラのMT化を行っていますが、たとえばマニュアル・トランスミッション・マウントは3シリーズ(335)のMT車用パーツを流用(マニュアル・トランスミッションそのものもBMW用だと思われる)。※しかしながらマウントは「ちょっと短く」位置の調整が必要だそう。
そして(マニュアル・トランスミッション自体が短いのか)ドライブシャフトも3インチ延長が必要になり、一旦カットして「継ぎ足して」あるようですね。
クラッチペダルアッセンブリーもBMWから。
しかし取り付けにあたってはサイズ的に適合しないためにアッセンブリを再調整する必要があったり、内装の足回りを分解してバルクヘッドを改造してこのクラッチペダルを取り付ける必要があるなど、かなりの「大工事」。
ちなみにトランスミッションマウントやクラッチペダルアッセンブリーについても、同じBMWながらも「モデルによって形状やサイズが異る」ようで、ヨーロピアン・オートグループでは、いくつかのモデル用のパーツを取り寄せ、試行錯誤を繰り返しています(こういったところを見ても、MT化が”安くならない”理由がわかる。時間はもちろん、テストのためロスするパーツのコストも必要に)。
次の動画ではクラッチラインと最終の組み上げを紹介するとしているものの、出展するSEMAの開催が迫っており、突貫工事にて作業を進めているようですね。
なお、ヨーロピアン・オート・グループではすでにこのスープラ「MT化」の予約受注を受けており、その費用は約130万円ほど。
トヨタ自身は新型スープラについて「MTの需要があるのは承知している」とコメントしており、状況次第ではMT版スープラの発売もあるのではと期待してしまいますが、BMWの既存パーツを流用して「簡単にMT版スープラを作れるわけではない」ということがこの動画からも判断でき、つまり新規に多くのパーツを製造する必要があり、そのためのコスト、そして実際に販売されるであろう台数を考えると、トヨタから「マニュアル・トランスミッション搭載」スープラの発売は望めそうにない、とも考えています。
さらにはこんなスープラも「建造中」
そしてその他にも多くのチューナー/ショップがスープラのカスタムを進めていますが、「ストリートハンター」と命名されたワイドボディスープラも製作中(画像は完成予想図)。
動画ではもともとのフェンダーをカットし、そこへエアロパーツを仮で取り付け、調整を重ねながら進めてゆく地道な作業が紹介されています(これはパンデム/ロケットバニーの製品ではなく、自分たちで設計したオリジナルエアロ)。
こちらは先日紹介した、過激すぎるリアウイングを装着したGRスープラ(出力も650馬力にパワーアップ)。
すでに完成し、スーパーカーミーティングに乱入して視線を独り占めする様子が動画にて公開されています。
VIA: European Auto Group , Tj Hunt, SOS Customz , DailyDrivenExotics