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トヨタはどうやら既存ガソリン車を「水素」「電気」にコンバートする壮大な計画を持っているようだ!オートサロンで発表したハチロクは「はじまりにしかすぎない」

2023/01/17

トヨタ

| 豊田章男社長ほどその考えを理解するのが難しい経営者も他にないかも |

もしかすると「愚か者」、しかしもしかすると「最も優れた自動車メーカーの経営者」なのかも

さて、トヨタは東京オートサロン2023にて、ハチロク(AE86)のガソリンエンジンをそれぞれ水素、ピュアエレクトリックへと換装したトレノとレビンを公開していますが、発表時のプレスリリースによれば、「これらは市販化の計画がない、単なるコンセプト」。

ただし今回報じられたところによれば、どうやらトヨタは「既存のガソリン車を、ゼロエミッション車にコンバートする」キットを本気で発売しようと考えているようです。

トヨタが「ハチロク レビン / トレノ」をそれぞれ「水素」「EV」へとコンバート!これがトヨタの考えるカーボンニュートラルだ
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トヨタ「電気自動車の発売だけでは不十分」

今回豊田章男氏がカーメディアに語った内容によると、「我々自動車メーカーが目指すべきはカーボンニュートラルです。多くの自動車メーカーが内燃機関搭載車の販売を近い将来に停止し、ラインアップの全てを電気自動車にすると発表していますが、これでは不十分なんです。すべての新車が電気自動車に切り替わったとしても、すでに何百万台も走っているガソリン/ディーゼル車の排出するCO2を減らすには全然足りない」。

そこで豊田章男氏が考える「どうしたらいいのか」についてですが、これはズバリ「既存自動車のパワートレーンをカーボンニュートラルな動力源に変えること」で、さらに具体的な言及を行うならば「完全な電気自動車にコンバートするか、あるいは水素エンジンを搭載するか」。

そこでトヨタが東京オートサロン2023で発表したコンセプトカーに戻ってみると、AE86 H2 Conceptではそのエンジンを「水素エンジン」へとコンバート。

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水素エンジンはガソリンエンジンとの共通性が高いといい、トランスミッションなどもそのまま流用できるため、エンジン本体はそのままに「燃料噴射装置、燃料パイプ、スパークプラグエンジン」を水素エンジン仕様へと置き換えることでコンバートが完了するということに。

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一方のエレクトリック版「AE86 BEV Concept」だと、タンドラ(ハイブリッド)に搭載されるエレクトリックモーター、プリウスプラグインハイブリッドのバッテリーパック、その他トヨタやレクサスの市販モデルからのパーツが使用されています。

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そして意外なことに、このクルマにはマニュアルトランスミッションが搭載されていますが、「ガソリン車からのコンバート」を前提にしているのだとすれば、このトランスミッションは「フェイク」ではなくもともとのマニュアル・トランスミッションを活用しているのかもしれません。

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トヨタは「すでに存在するクルマにも選択肢を提供」

豊田章男社長はこれらのコンセプトカーについて「長い開発プロセスの最初のステップに過ぎない」と語っており、つまりは本気で既存ガソリン/ディーゼルモデルを水素もしくはピュアエレクトリックパワートレーンへと入れ替えるコンバージョンキットを発売する計画を持っているのだとも考えられます。

加えて(上述の繰り返しになりますが)「多くの自動車メーカーは、2030年から2040年の間に、バッテリーEVに100%移行することを目標としています。しかし、新車販売台数をすべてEVに移行するだけでは、2050年までにカーボンニュートラルを達成することはできないのが現実です。その解決のためには、すでに所有しているクルマに選択肢を提供することが重要なのです」とコメントしており、豊田章男社長の言う「真に目指すべきは電気自動車の発売ではなく、カーボンニュートラルである」という考え方がここにも現れていると考えていいのかも。

ちなみにトヨタの社長はほぼ「世襲制」であり、その地位は他の自動車メーカーの「雇われ社長」に比較すると安泰だと考えてよく、そのため多くの自動車メーカーのCEOのように「自分の在任期間中に成果を出さなければクビ」ということにはならず、よって自分が退任した後のことを考えた長期的な経営ができるのが一つの特徴。

つまりは別の豊田一族にバトンタッチすることを前提に、先代は後継者のための「基盤づくり」を行うことが優先されるものと思われ、よって豊田章男社長も後継者(豊田章男社長の息子ではないかと言われている)のため、自分の任期を超えた長いタームにてカーボンニュートラル化に取り組めるのかもしれません。

こういった特殊な事情もあり、トヨタについては、ほかの自動車メーカーのように、「電気自動車を発売する」という手段に固執することなく、「カーボンニュートラルを達成する」という本質的な目標に向かった大きな動きができるのだとも受け止めています。

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参照:Automotive News

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