ときどき欲しくなる中古車、トヨタ・ソアラ。
ぼくが欲しいと思うのは3代目のZ30型、もしくは4代目のZ40型。
最近は90年代のスポーツカーやスポーティカーの価格が上昇気味ですが、意外や高級スポーティクーペの代名詞、ソアラはほぼ手つかずのままで非常にお買い得。
まずはZ30型から見てみましょう。
これは1991-2000年の間に生産され、国産車としてはかなり長寿といえるモデル。
しかし裏返せば「それだけ生きながらえるだけの魅力を持っていた」ことにもなり、さすが元祖ハイソカーといったところですね。
※画像はカタログやオフィシャルフォトからですが、この頃はオフィシャル画像であっても「撮り方」がイマイチだったんだなあ、と実感
このモデルから北米では「レクサス」ブランドで販売されることとなり、そのためデザインもカリフォルニアにあるトヨタのデザインセンター、CALTYで行われています。
そして、このころ北米で人気だった尻下がりのデザイン(日産Jフェリーも同じような丸いトランクリッドを持つ)を採用した、なんとも不思議なデザインに。
ただ、その不思議さが日本市場においては妙な魅力を演出することになり、独特の存在感を放っているのもまた事実。
サイズは長さ4860、幅1790ミリと今でもけっこう大きいと思えるサイズで、これはやはり北米を強く意識した結果なのでしょうね。
直6ツインターボの2.5(のちにシングルターボ化)、V8/4リッターエンジン(のちに3L化)がラインアップされていましたが、両車乗り比べた印象では2.5リッターのほうがキビキビ動く印象があります。
トランスミッションは前者にのみ5MTがありますが、市場に出回るのはほぼ4AT(5MTはもともと販売数が少ないということもありますが、ドリフト用にほぼ買われて改造されたり、事故で廃車になっているものと思われる)。
4WSやアクティブサスペンションを備えるグレードもあり、当時としてはかなり「最先端」でお金のかかったモデルといえるでしょう。
当時としては幅広な車であったためか乗降性を考慮していったん外に出てから開くドアが秀逸で、初めて乗る人はまずこれに「おっ」と思わされるのは確実。
内装においても直線基調の一般的な日本車とは一線を画し、曲線基調でボリュームを感じさせるもので、「いかにも高級」という感じのデザインです。
メーターもこれまで続いてきたデジタルを踏襲しながらもホログラムっぽい見せ方をする面白いメーターでしたね。
現在のところ、先日のセリカとは異なってかなりタマ数はあり、価格も30万円~90万円くらいが中心。
FRということもあってドリフト用に改造されたもの、MTなどはときどき100万円超のものはありますが、それらは例外と考えて良いでしょう。
そしてさらにお買い得とも言えるのがZ40型のソアラ。
これはレクサス上陸に伴い途中から名称を変更して「レクサスSC」となりましたが、ここではお買い得度を考えて「トヨタ版」のみを考えます。
このZ40型は2001-2005年の間に「トヨタ・ソアラ」として販売され、長さは4515ミリと短くなったものの幅は1825ミリと拡大。
エンジンについては4.3リッターとかなり大きくなり、トランスミッションはATのみの設定という「ラグジュアリー仕様」。
そのため本木目、レッドレザーやホワイト(エクリュ)レザーを採用して贅を極めたインテリアが採用され、オープンとなったボディ形状とあわせて大きくイメージチェンジすることに。
デザインはCALTYではなくフランスのデザインスタジオによって行われ、そのためややボッテリしたルックスに(90年代のフランスのデザインはボッテリしたものが多かった)。
とにかく贅沢という印象が強く、当時としてはトヨタで初めて18インチサイズのホイールを標準装備したり、マークレビンソンのオーディオがオプション設定されたり、と今のレクサスの流れを作った第一号車といっても良いでしょうね。
国内販売はわずか5400台と伝えられますが、反面中古市場には相当数の車体が出回っており、中心価格帯は80~150万円くらい。
改造のベースとしては人気があるので一部改造された車が高値をつけていますが、それはここでは無視しても良いでしょう。
とにかく100万円あればけっこう質の良さそうな個体が手に入りそうであり、一時のトヨタのフラッグシップとも言える車で、4.3リッターV8エンジン搭載車が100万円で(しかも2000年代の車)手に入る、というのはある種の驚きでもあります。
元の価格からの差額や、発売された時期、オープン/本革内装ということ、メカニズム的な信頼性を考慮してもZ40のほうがコストパフォーマンスが高いと言え、また売る時のことを考えてもZ40型のほうが良いかもしれませんね。