| クーペSUVはなぜか日本ではあまり人気がない |
ロシアのカーメディア、Kolesaがティグアン・クーペのレンダリングを公開。
ただしこれは「まったくの想像の産物」ではなく、実際に発売される可能性が高いニューモデルです。
ベースとなるのは主に中国にて販売されているティグアンのロングホイールベース「ティグアンL(市場によっては”ティグアン・オールスペース”)」。
そしてこれをベースにクーペ化したものがティグアン・クーペ(市場によってはティグアンX)ということになり、中国はじめいくつかの国で販売される、と言われます。
フォルクスワーゲングループは今後クーペSUVを拡充?
このティグアン・クーペについてはすでに今年3月にプロトタイプが目撃されており、今回のレンダリングはそのスパイフォトをベースにしたものですが、おそらくは「かなり実物に近い」とも思われます。
なお、フォルクスワーゲングループはその傘下にアウディ、ポルシェ、ベントレー、ランボルギーニ等を納めており、いずれのブランドにも共通するのが「SUV重視戦略」。
これはBMWやメルセデス・ベンツなど、ほかのドイツ車メーカーに共通する傾向ではあるものの、フォルクスワーゲングループがBMW、メルセデス・ベンツと異なるところが「クーペSUVの展開の方法」。
たとえばBMWはX6、X4、メルセデス・ベンツはGLCクーペやGLEクーペといったクーペSUVを早々に展開していて、しかしフォルクスワーゲングループがクーペSUVを発売したのは昨年のアウディQ8やQ3スポーツバック、ポルシェ・カイエン・クーペが「初」。
なぜSUV重視傾向の強いフォルクスワーゲングループがクーペSUVにて後手にまわったのかは謎ですが、これはおそらく戦略の差で、BMWとメルセデス・ベンツは「可能性のあるジャンルに一気に展開していった」ということになり、しかしフォルクスワーゲングループは「まず箱型SUV市場を制覇し、その後にクーペSUV」といった感じで、ひとつひとつのジャンルを順番に攻めていったということになりそうです。
中国ではクーペSUVが大人気
そして中国で人気なのがクーペSUV。
なぜ人気なのかというと「生活感がないから」だと言われ、メンツを重視する中国人は裕福に見えるクーペスタイルを好むとされるため。
ちなみに中国ではコンパクトカーやミニバンがあまり好まれず、というのも2ボックスや1ボックス車にて「荷物と同じスペースに乗ることが我慢できない」から(商用車に乗っていると思われたくない)。
よって、荷室とキャビンが分かれているセダンを好む傾向が強く、さらにセダンであっても「クーペ」が好まれるようですね。
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そういった理由もあって、中国ではセダンであろうがSUVであろうがクーペスタイルが好まれ、さらには仕切られた荷室が要求されるという性質があり、BMWが「GT」と「クーペSUV」という”外観がよく似たクルマ”を揃える理由はここにあるのかもしれません(クーペSUVは2ボックスだが、GTは3ボックス)。
なお、中国では多くのメーカーからクーペSUVが発売されており、ホンダが中国で発売するSUVのフラッグシップ「アヴァンシア」もやはりクーペSUV。
おそらくは中国市場の要望にあわせて「キャビンと荷室とを可能な限り隔てる構造を持つ」仕様を持っているのだと思われますが、こんな感じで中国の嗜好に合わせた製品作りが要求されるのが現代の自動車業界であり、今回のティグアン・クーペについてもVWが満を持して放つだけに、「ロングホイールベース」という中国で好まれる要素を取り入れていて、発売されればけっこうなヒットとなるのかもしれません(他社のクーペSUVにはロングホイールベースモデルは存在しないと思う)。
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