
Image:Spyker
| スパイカーは過去に2度の破産を経験している |
「パガーニ」よりも早く自動車に芸術性を持ち込んだのがこのスパイカーである
美しいアルミ削り出しのインテリアと露出したシフトリンク機構にて2000年代のスーパーカー界を席巻したオランダの「スパイカー(Spyker Cars)」。
ぼくの認識だとパガーニよりも早く自動車に芸術性をプラスしたブランドではありますが、残念ながら2度の破産を経て一時は姿を消してしまったというのがちょっと前。
しかしこの伝説的ブランドがモントレー・カー・ウィークの「The Quail」にて圧巻のニューモデル「C8 プレリエーター XXV クーペ(C8 Preliator XXV Coupe)」をひっさげて鮮やかにカムバックを果たしたというのが今回のニュースです。
ウクライナの起業家であるヴォロディミル・ノソフ氏を新たなパートナーに迎え、完全新設計のアルミスペースフレームと800馬力のV8エンジン、そして「完全な(本物の)マニュアルトランスミッション」とともに舞い戻ったスパイカーの全貌を見てみましょう。

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この記事の要約
- スパイカー(Spyker Cars)奇跡の再復活: 二度の破産を乗り越え、創業者ビクター・ミュラーと新たな共同所有者の手により伝説のオランダブランドが復活。
- 限定25台の「C8 プレリエーター XXV クーペ」: 創業125周年・スパイカーの歴史を称える世界限定25台のハンドメイド・スーパーカー。
- 800馬力アウディ製V8+「本物の6速MT」: ABTチューンの4.0L V8ツインターボエンジンを搭載し、現代のハイパーカー市場では極めて希少な「マニュアルトランスミッション専用」として登場。
- 伝統の露出型シフトリンクと航空機意匠: スパイカーの象徴である「剥き出しのシフトリンク」、プロペラモチーフ、ローズゴールド仕上げの3Dプリント製グリルの美学。
- 幻のラグジュアリーSUV「D8」市販化への布石: 耐久レースへの再参入、そしてかつて世界を驚かせた「D8 Peking-to-Paris」の実現に向けたロードマップを表明。

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「本物のMT」へのこだわりと剥き出しのシフトリンク
現代の多くのハイパーカーがパドルシフト(DCT)を採用し、一部の限定車が疑似的なマニュアルモードを模索する中、スパイカー創業者でるビクター・ミュラー氏は一切の妥協を排しており・・・。
「フェラーリの新しいマニュアル(疑似的な機構)とは違う。私たちのマニュアルは『本物』だ。ミスをすれば相応の代償を払う。これこそが真のスポーツカーのあるべき姿だ」
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実際のところ、C8 プレリエーター XXV」に設定されるトランスミッションは6速マニュアルのみ。
そして、スパイカー最大のアイコンである「センタートンネル上に剥き出しで伸びるシフトリンク機構」は今作でも健在で、ミュラー氏は「私やノソフが生きている限り、この露出リンクをなくすことは絶対にない」と断言しています。

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ABTチューンの800馬力V8とトップエグゾースト
ミッドシップに搭載されるパワートレインはアウディRS6などに採用される4.0L V8ツインターボエンジンではありますが、これをアウディを得意とする有名なチューナー「ABT」が極限までチューニングを施し、最高出力800馬力(800 HP)、最大トルク1,000 Nmを発生させます。
- 最高速度: 350 km/h以上
- ブレーキ: カーボンセラミックブレーキ
- エグゾースト: スパイカー初となる、リアデッキ上面から極太のパイプが顔を出す「トップエグゾースト」を採用
軽量なオールアルミ製ボディとスペースフレームは、イギリスの「Coventry Prototype Panels」との共同開発による新設計で、燃料タンクをサイドシルからエンジンとシートの間のバルクヘッド中央へ配置変更するなど、最新の安全基準(USクラッシュテスト等)をクリアするための設計が施されています。

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スパイカー C8 プレリエーター XXV クーペ スペック一覧
| 項目 | 詳細・仕様 |
| 生産台数 | 世界限定 25台(車名のXXVはローマ数字の25を意味する) |
| パワートレイン | 4.0L V8 ツインターボ(ABTチューン) |
| トランスミッション | 6速マニュアル(完全マニュアル/露出型シフトリンク) |
| 最高出力 | 800 HP |
| 最大トルク | 1,000 Nm |
| 最高速度 | 350 km/h 以上 |
| シャシー / ボディ | 自社開発アルミスペースフレーム / オールアルミボディ |
| 乾燥重量 / 目標重量 | 1,525 kg / 目標:1,490 kg |
| 足回り | 6モード調整式トラクティブ・サスペンション(フロントリフト機能付) |
| 車内デザイン | アナログメーター、トグルスイッチ、液晶画面ナシ(バックカメラはルームミラーに統合) |

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航空機に着想を得た究極のクラフトマンシップ
スパイカーのアイデンティティである「航空機ヘリテージ(前身のスパイカー社は1910年代に航空機を製造)」は、今作でさらに先鋭化されていて・・・。
- リアタートルフィンとルーフスクープ:1919年の名車「スパイカー C1 エアロコック」の複葉機のようなリアエンドにオマージュを捧げた、ルーフスクープ一体型の「リアフィン」を装着。アフターバーナー形状のLEDリアライトと相まって戦闘機のようなオーラを放つことに
- 3Dプリント製ステンレスグリル&ローズゴールド仕上げ:グリルのメッシュ構造には、航空宇宙産業由来の軽量・高強度の「イソグリッド格子パターン」を3Dプリント(ステンレス鋼)で生成。リアパネルは9つのパーツを溶接したのち、手作業で研磨されローズゴールドメッキが施される
- 液晶画面を排したアナログへのこだわり:ダッシュボードにはエンジンターン(魚眼文様)加工が施されたアルミニウムを採用。デジタル画面は一切存在せず、後方確認用カメラの映像はルームミラー内へと表示。一台の制作にかかる時間は800時間、内装のレザー加工だけで40時間が費やされる

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結論
数々の危機を乗り越え、奇跡的な復活を遂げたスパイカー。
「C8 プレリエーター XXV クーペ」は、現代のハイパーカーが失いつつある「手応えのあるマニュアル操作」「アナログな造形美」「人間の情熱が詰まったクラフトマンシップ」を完璧な形で体現しています。
すでに全25台の大半が売約済みとされており、スパイカーが持つ唯一無二のカリスマ性が今なお世界中のコレクターを惹きつけて止まないことを証明することとなっていますが、最高峰のクラフトマンシップと最先端のテクノロジーが融合したこの究極のアナログ・スーパーカーが「自動車の歴史に新たな1ページ」を刻むことにななるのはまず間違いないであろうと思われます。
【理解を深める関連情報・補足】
- 車名「Preliator(プレリエーター)」と「XXV」の意味「Preliator」とはラテン語で「戦士(Warrior)」を意味しており、二度の破産という凄惨な歴史を乗り越えて戦い続けるブランドの強い意志が込められています(フロントフェンダーにはスパルタ兵のヘルメットをあしらったプレートが飾られている)。また「XXV」はローマ数字の「25」を表し、限定25台の生産台数を象徴しています。
- 伝説のSUV「D8 Peking-to-Paris」市販化への期待:スパイカーは2006年にラグジュアリー・ハイパーSUVの先駆けとなるコンセプトカー「D12(のちにD8へと解明) Peking-to-Paris」を発表し、世界中に衝撃を与えることに(当時は経営難により市販化断念)。今回のプレスリリースにおいて、CEOのビクター・ミュラー氏は「耐久レースへの再参入」とともに、「D8 Peking-to-Paris SSUVの近未来における開発」を公式に表明。ランボルギーニ・ウルスやフェラーリ・プロサングエが存在する現代に、ついにスパイカーの伝説的SUVが解き放たれる可能性が高まっています。
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参照:Spyker










