| キアへと移籍後、確固たる地位を築く |
キアがフランクフルト・モーターショーで発表する「プロシード(Proceed)コンセプト」をオンラインにて先行公開。
これは現行車種Pro_Cee'dの後継と位置付けられているモデルですが、これまでのPro_Cee'dが持つ典型的なハッチバック形状からスタイリッシュなワゴンへと変身することを予告しているようですね。
「キア(起亜)」は韓国の自動車メーカーで、おそらく誰も興味はないと思われるものの、意外と「侮れない」メーカーであり、ここでその理由を見てみましょう。
キアは現在韓国二位の自動車メーカーですが、1998年に現代グループ入りしており、ヒュンダイとの共有パーツも多いメーカー。
漢字で書くと「起亜」で、これは「亜細亜から起き上がる」という意味となっており、創業は1944年。
現在のCEOはペーター・シュライヤー氏ですが、この名を聞いて「おや?」と思う人も多いはず。
ぺーター・シュライヤー氏は初代アウディTTの開発を行ったチームを率いた人物で、フォルクスワーゲン・アウディグループにおいても重要な役割を果たしたことで知られます。
フォルクスワーゲン・アウディグループでは主にエクステリアを担当し、アウディにおいてはコンセプトスタジオ、フォルクスワーゲンではエクステリアデザイン部門にて勤務(2005-2006年はVWデザイン部門のトップを務めた)。
彼のグループはTTの他だと「A2」を手掛けており、これら車種を見る限り「新しいデザイン言語」を作り出すことに長けていたようで、2006年に起亜へスカウトされて移籍したのちには「これといって個性のなかった」キアにおいて「タイガーノーズグリル」を導入。
これはBMWで言うところのキドニーグリルのような独特な形状を持っていますが、今に至るまで通じるデザインアイコンとなっています。
なお、ペーター・シュライヤー氏は「ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの名誉博士号」を授与されており、これはセルジオ・ピニンファリーナ、ジョルジェット・ジウジアーロに続いてカーデザイナーではわずか三人しか与えられていない栄誉。
もちろん現在もペーター・シュライヤー氏はキアのCEOを務めますが、キアは「デザイナーがCEOを務める、非常に珍しい会社」であり、これが意味するところは「キアはデザインのためには多大なコストを投じる準備がある」会社である、とも言えます。
加えてキアは現在急速に品質を上げており、世界的にみても「無視できない」メーカーとなっていますね。
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なお、キアはこの「プロシード・コンセプト」について「ワゴン」と呼ぶことを嫌っており、「エクステンデット・ホットハッチ」と呼んでおり、「新しい選択肢の一つ」としています。
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