| ヒョンデ、そしてジェネシスは後発だけあって「非常に良く練られた」コンセプトをもってこのセグメントに参入している |
さらには自身の強みと弱みをよく理解した秀逸な展開が光る
さて、ヒョンデの高級ブランド「ジェネシス」が”スポーティなドライビング体験を提供する”ことを目的に「マグマ・プロジェクトを始動させる」と発表。
この「マグマ」はBMW「M」、メルセデス・ベンツ「AMG」、アウディ「RS」、そしてレクサス「F」やスバル「STI」のようなハイパフォーマンス部門ということになりそうですが、ジェネシスいわく「それだけにとどまらない」。
ジェネシスによると、このマグマは「美しさとパフォーマンスの両方を最大化する高性能モデル」であり、パフォーマンス以外の要素も兼ね備えるといい、ジェネシスのチーフ クリエイティブ オフィサー、ルク・ドンカーヴォルケ氏は以下の通りにコメントしています。
ジェネシス”マグマ”は、ジェネシス専用モデルを開発するという最終目標を掲げ、高性能車の新しい解釈のためにパフォーマンスと高級感の限界を押し上げるエキサイティングな機会を提供します。このブランドは、技術的要素と美的要素の両方を注意深く考慮しながら、実験的なコンセプトを発表し続け、 たしかにスピードとパフォーマンスは重要ではありますが、ジェネシス マグマ プログラムはその先を見据え、運転体験を優先し、快適でスポーティなドライビングの喜びを燃え上がらせます。
まずはジェネシスGV60「マグマ・コンセプト」が発表
そこで今回、ニューヨーク・オートショーにてGV60 マグマ・コンセプトが発表されており、これはジェネシス初のEV専用モデルであるGV60 のデザインとパフォーマンスを向上させたクルマだとされ、ジェネシスによれば「ドライバーと車両との間により深い感情的なつながりを生み出すための第一歩」。
なお、ジェネシスが「マグマ」にてパフォーマンス以外の要素を追求するのは、そもそもジェネシス自体が高級ブランドであるということに加え、パフォーマンスを追求すれば「キリがない」と考えたのかもしれず、よってパフォーマンスとラグジュアリーとのバランスを求めたのかもしれません。
これらマグマシリーズに用いられるボディカラーはまんま「マグマ」で、これはジェネシスブランドのルーツである韓国精神にインスピレーションを得ているとされ、韓国の火山と韓国文化の感情、情熱、活気を表している、と説明されています。
GV60マグマ コンセプトを掘り下げてみると、エクステリアデザインだとシャシー、空気力学、熱力学を考慮して美しさを調和させ、スポーツ走行時の安定性を高めるため車高をワイド化&ローダウンし、よりダイナミックなスタイルと低重心化を実現することに。
フロントでは、バンパーの幅が広げられて低い位置にメインエアインテークが設置され、これによってバッテリー、モーター、ブレーキを効果的に冷却するほか、エアカーテンがエアロダイナミクス効率を高めますが、 GV80クーペ コンセプトと G80マグマ スペシャルからインスピレーションを受けたという「3つの楕円形のスリット」が外観上のひとつの特徴です。
-
スポーティを通り越してレーシー!ジェネシスがSUVなのに4座バケットシートを装備する「GV80 クーペ・コンセプト」を発表。すでに市販化のウワサも流れているが
| 現在のジェネシスは勢いに乗っているだけに何をしでかすかわからない | ほかブランドとの差別化のためにこういったクルマを発売するのも面白いだろう さて、韓国ヒョンデの高級車ブランド「ジェネシス」より ...
続きを見る
そのほか、大型化されたフェンダーと統合されたホイールハウスアウトレットによってブレーキの冷却性能が向上し、チタンカラーのフローフォーミング21インチ ホイールには一体型エアロ ディスクが装備されるほか、 ルーフ形状が変更されることでエアを効率的にリアウイングへと流してリアのダウンフォースを生成するなど空力性能が大幅に上昇し、インテリアにおいても「マグマとチタン」のコンビネーションが再現されていることにも言及されています(今回画像は公開されていない)。
ジェネシス「マグマ」のブランドパートナーはジャッキー・イクス
なお、このマグマのトピックはもう一つあって、それはF1やル・マン24時間レースで活躍したレジェンドドライバー、ジャッキー・イクスをブランドパートナーに迎えたこと。
就任したのが2月とのことなので、まだまだ両者の協業の成果は「これから」ということになりそうですが、ジャッキー・イクスは今回「自身の専門知識をマグマ・プログラムに役立てることを楽しみにしており、ジェネシスの文化的な優雅さとデザイン美学を常に賞賛している」とコメントしており、今後はなんらかの目に見える形での成果が提示されるものと思われます。
-
新型ポルシェ911”初”の限定モデル登場。F1で8回、ル・マンでは6回の優勝を獲得したジャッキー・イクスがモチーフの「911カレラ4Sベルジャン・レジェンド・エディション」
| ルマン6回の優勝のうち、4回はポルシェにて。私生活でもポルシェを愛することで知られる | ポルシェが911カレラに「911カレラ4Sベルジャン・レジェンド・エディション」を設定。おそらく992世代 ...
続きを見る
あわせて読みたい、ジェネシス関連投稿
-
ジェネシスが「X グラン ベルリネッタ ビジョン グランツーリスモ コンセプト」を発表。「V」「2ライン」「楕円」といった要素を用いて韓国文化を表現
| 現在の自動車業界において、ジェネシスは最高レベルのデザイン能力を持っているとボクは考えている | やはり有能なデザイナーを世界中から引き抜いてきた結果であろう さて、韓国ヒョンデの高級ブランド、ジ ...
続きを見る
-
ジェネシスが新型G80を公開し、あわせてドバイにてカスタムプログラム「ワン・オン・ワン」立ち上げを発表。今後は「超」高級ブランドへの移行を目指す
| 正直、デザイン面についてだと、ヒョンデ、キア、ジェネシスは現在自動車業界でもっとも高いプレゼンスを発揮する部類だと考えている | 電動化への移行を利用しヒョンデ、ジェネシス、キアは一気に自動車業界 ...
続きを見る
-
インテリアには「オンドル暖房」、ボディカラーは「韓国の夜空」をイメージ。ヒョンデの上級ブランド、ジェネシスが過去最大のNEOLUN(ネオルン)コンセプトを発表
| ここ最近のヒョンデ、そしてジェネシスはなかなかに優れたデザインやコンセプトを持つクルマを発表している | このネオルン・コンセプトが「これに近い姿と機能で」発売されれば、大きな競争力を発揮するだろ ...
続きを見る
参照:GENESIS