| ヒョンデ アイオニック5 Nは異常なほど称賛を浴びている |
たしかにボクも一瞬、アイオニック 5 Nを「欲しい」と考えた
さて、日本ではブランド自体の知名度が高くないせいか「それほど」ではありますが、海の向こう、とくに欧州ではヒョンデ IONIQ(アイオニック)5 Nの評価が非常に高く、カーメディアはもちろん多くの自動車愛好家から「地球上で最もドライバーオリエンテッドなEVである」と評されています。
そしてこのヒョンデ IONIQ 5 Nが広く受け入れられた理由としては、そのアグレッシブなルックスや、強化されたパワートレインやブレーキによるシャープな走りが挙げられるものの、もっとも重要な要素は「ガソリン車を連想させるサウンドとギアシフト」。
-
ヒョンデがサーキット走行に対応したEV、アイオニック5 Nを発表。ガソリン車の8速トランスミッションの動きを再現しドリフトも自在、「戦闘機」からサンプリングしたサウンドも【動画】
| ヒョンデは現在世界中でその存在感を強めており、「あなどれない」ブランドにまで成長している | キャッチコピーは「Never just Drive(単に運転するだけではない)」 さて、韓国ヒョンデが ...
続きを見る
このアイオニック 5Nにはいくつかの合成サウンドが搭載されていて、そのひとつが「V8エンジンっぽいサウンド」なのですが、この音はガソリン車であればマフラーに相当する部分に取り付けられたスピーカーによって「後部に放出され」、おまけに8速デュアルクラッチを模したシフトパターンと連動しており、外から見た時はもちろん、実際に運転した身としても「このクルマをEVであると認識することは非常に困難(つまりガソリンエンジン搭載のハイパフォーマンスカーとしか思えない)。
-
(後編)久々にオールマイティで完璧なクルマが出てきたな。ヒョンデ アイオニック5 Nを特設サーキットと公道で試乗、ドリフトも体験してみた【動画】
| いくつかの懸念事項は存在するものの、現段階でアイオニック5 Nは「限りなく完璧に近い」と考えていい | ヒョンデがここまでのレベルのクルマを作ることができるとは考えてもみなかった さて、ヒョンデ ...
続きを見る
ヒョンデ IONOIQ 5 NはBMW M社の認識すら変えてしまう
そこで今回明らかになったのが、「BMW M社がこのヒョンデ IONIQ 5 Nを適切に評価し、これに搭載される”EV向けにエミュレートされたギアシフトとフェイクサウンド”の開発に取り組んでいる」という事実。
ヒョンデ IONIQ 5はキア EV6の兄弟車であり、キアではそのEV6を「スポーティに」仕立て上げるために「パワーアップ、足回りとブレーキの強化」を施したEV6GTを発売していますが、ヒョンデの場合は「それに満足せず」上述のサウンド、そしてシフトプログラムを導入し、これによって総合的なドライビングエクスペリエンスを向上させているわけですね。
そして今回トップギアが報じた内容によれば、同メディアはBMW M社の最高経営責任者であるフランク・ファン・ミール氏へとインタビューを行い、同じ場でアイオニック 5 Nについて尋ねるたところ、以下のような回答がフランク・ファン・ミール氏から返ってきたのだそう。
彼らの考え方は大好きで、いまでは私たちも同じように考えています。やはりスポーツカーは車内におけるフィードバックが必要です。サーキットを走っているときは、スピードメーターやタコメーターを見る時間はない。レースをしているときにディスプレイを見れば、2台のライバルに追い抜かれるでしょう。だから、自分がどのギアに入っているかを知る方法、回転数を”感じる”方法が欲しいのです。
ギアが1つしかないEVでは、音も振動もないので、いま時速200キロなのか、250なのか、あるいはそれ以上のスピードで走っているのかわかりません。ですから、その解決策が必要です。スピードメーターを見るように強いることなく、ドライバーの脳とのつながりを見つけなければなりません。ですから、ヒョンデがギアのエミュレーションとサウンドで行ったこと、実は、私たちがすでに取り組んでいきたことなのですが、 これが正しいと思います。私たちのハイパフォーマンスカーには、そのようなものが必要です。
-
熾烈な競争率をくぐり抜け「ヒョンデ IONIQ5 N トラックデー」に参加してきた(前編)。スーパーカーも真っ青、650馬力のアイオニック5 Nはこんなクルマ【動画】
| ヒョンデは「後発」だけに他社をよく研究したブランディングを行っている | そのデザインの独自性、完成度は非常に高い水準にあると言っていい さて、先日お伝えした通り、ヒョンデ アイオニック5 Nの特 ...
続きを見る
BMWはEVに関して様々な「高度な運転体験を実現する」方法を模索中
ちなみにヒョンデ N部門の前責任者はBMW MのCEOをと詰めていたアルバート・ビアーマン氏で、その意味では「N」と「M」は浅からぬ因縁を持つということになり、そして今やBMW M社のボスがヒョンデの採用した方法を「正解」だと断じたのはちょっとした衝撃でもありますが、現在BMWはEVを「より楽しく、より速く走らせる方法」について様々な模索を行っているといい、フランク・ファン・ミール氏によれば「この問題に対する非常に興味深いアプローチがある」。
実際のところ、これまでにもいくつかの特許が出願されていて、その内容を見ると「ガソリン車を模倣する」というよりも「ガソリン車の優れた点を取り入れ、その上でEVでしか実現できないことを実装する」という考え方であるようにも見え、現在噂されている「1,000馬力オーバー、クワッドモーター装備のエレクトリックMモデル」の登場が楽しみになってきますね。
-
BMWがエレクトリックモーターの制御に関する新技術を特許出願!パフォーマンスを失わずに航続距離を確保する「新型デフ」装備、これはなかなか面白そう
| 各社ともEVのパフォーマンスと効率とを両立させる様々な技術を開発中、ここへきて各メーカーの「色」が出てきたようだ | 意外と自動車メーカーによって技術の「差」が出るかもしれない さて、電動化時代に ...
続きを見る
合わせて読みたい、関連投稿
-
BMWがEVのアクセル開度に対する「速度 / トルクカーブ」を自由に変更できる特許を出願!EVにしかできない制御でありトヨタの「フェイクMT」とは真逆の考え方
| BMWはトヨタと同じように「ガソリン車の継続生産」を行うと宣言しているが、トヨタと異なりEVにも多大なる注力を行っている | さらにEV経験が長く「EVにしかできないこと」を知っている さて、BM ...
続きを見る
-
次世代「電動」Mモデルは自社製モーターに高度な制御を組み合わせることで「これまでに見たものをすべて上回る」。BMW史上最高のパフォーマンスを発揮か
| BMWは現時点でEVにおいて一定のアドバンテージを持っていると考えていいだろう | もしかすると電動化時代に入ってはじめてBMWは「悲願のスーパーカー」を実現できるのかもしれない さて、BMWはト ...
続きを見る
-
ヒョンデが今年から開催される「eN1」クラス向けレーシングカー、アイオニック5 N eN1カップを発表。650馬力を発生、火災に備え電気火災専用消火器などの安全対策も
| eN1クラスはまず今年「トライアル」を行い、チームそして運営も”EVでのレース”に習熟することとなるもよう | いずれはEVで「耐久レース」を行うであろうが、その際のチャージ方法がちょっと気になる ...
続きを見る
参照:Top Gear