先日200台限定で発表されたシトロエンC4カクタス。
かなり本気で購入を考えたのですが、結局購入を見送ることに。
その理由としては「エンジンとトランスミッション」で、今のぼくの使い方だとちょっと厳しい、と考えたことが理由です。
シトロエンC4カクタスはエンジンが83馬力でトランスミッションはETG5(クラッチレス5速MT)となりますが、高速走行が多く、かつ坂道の多い地域に住むぼくにとってはやや扱いにくく、かつ燃費面でも不利になるという判断です。
パワーが低く、ギア比が高いのでこまめに変速を行う必要があり、かつ変速ショックが大きく、変速ショックを和らげるにはそれなりの慣れを要することになるわけですね。
ただ、これはあくまでも「ぼくの用途」に即して考えただけであって、その用途だともっと他に選択肢があるということであり、シトロエンC4カクタスそのものの評価が低いわけではありません(逆に”走りを楽しむ”のであればETG5はダイレクトで面白く、エンジンにおいても高回転を積極的に利用しNAならではのレスポンスの良いところを楽しめる)。
ということで次に考えているのがシトロエンC3。
これはC4カクタスの特徴でもある「エアバンプ」を採用して顔つきもC4カクタス風に。
さらにはアクセントカラーも用いられることでポップな印象が増しており、なかなかバランスが取れたデザインだと思います。
現状では日本への導入時期、そして投入されるグレードなど不明ですが、できればもうちょっとパワーのあるエンジン、そしてETG6もしくはトルコン式AT、できればデュアルクラッチを組み合わせて「ズボラ」に乗れるようになれば、と考えているのですね。
ただしC4カクタスの導入を見ても分かる通りシトロエンは日本市場に力を入れておらず、かつ「DSブランドではプレミアム路線、シトロエンブランドでは価格訴求力を追求」という戦略があり、本国と同じ選択肢を日本市場でも持たせるとは考えにくく、その上パワフルなエンジンや新開発したトランスミッション(があれば)をシトロエンのベーシックなシリーズに乗せるということがあまり想定できないという懸念も。
となるとやはり新型C3もぼくにとって「買いにくい」車になりますが、ほかの一部の人にとってもそれは同じかもしれず、そうなるとシトロエンは日本では売れない、売れないから本社も力を入れない、という「堂々巡り」になるのかもしれません。
なお「パリ症候群」というものがありますが、シトロエンと日本市場はそれに近い関係にあるとぼくは考えていて、つまりシトロエンは「外車」で、かつ「フランスの車」ではありますが、実際は一般に人々が抱くそれらのイメージと日本に導入されているシトロエンのそれはかなりかけ離れている、というところは否めないと思います(シトロエンはC3やC4をマーチやフィット、ヴィッツと同じような位置付けとして捉え、販売しようとしていると思われる)。
それは戦略の不一致というところで、多くの日本の人々は「ちょっと高くても輸入車らしい」装備や乗り味を求めているかもしれません。
日本市場では上半期にシトロエンの販売が841台、DSが545台の販売ですが、同じセグメントであってもシトロエンよりもずっと高価なDSブランドの販売がシトロエンに肉薄している、というところもこの裏付けかもしれない、とぼくは考えます。
本国(フランス)ではシトロエンやプジョー、ルノーは「実用車」であり小排気量エンジンをマニュアル・トランスミッションを駆使しながらキビキビ走るという使われ方が多いと思われますが、日本ではやはり車体が本国よりも高くなり、さらには「もっと安価で性能が良い」日本車との比較もあって本国とは異なる売り方をしなくてはその存在価値を発揮できないのでは、と思うのですね。
なおルノーが日本へ参入するときに、ルノー側はルノー車のプロモーションにおいて「実用性」「経済性」を押し出そうとしてカタログの写真に実用性アピールのため「タンスを積み込んでいるところ」やスペックにおいても燃費性能を押し出そうとしたものの、日本の販売サイドでは「いやいや(日本における)フランス車のイメージはそうじゃないし、その(フランス側の考える)役割は日本車がもう果たしているので」となり大きなギャップが生じたという話がありますが、やはり問題は「そこ」なのかもしれません。
台数が出ないので価格も下がらない、販売拠点も増やすことができない、選択肢も増やすことができない、しかし価格を下げて販売拠点を増やし選択も増やさないと売れないという連鎖がちょっと悩みの種ではあり、しかしこのままだと日本市場に対する「先行投資」も望めそうになく、いろいろと難しい問題ではありますね。
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なおこちらは新型DS3の動画レビュー。