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さすがの作り込み。しばらく前に入手したオーデマ・ピゲ・ロイヤルオーク・オフショアクロノ

2014/12/27

しばらく前に入手した、オーデマ・ピゲ・ロイヤルオーク・オフショアクロノ(Ref.26020)。
オーデマピゲはヴァシュロン・コンスタンタン、パテック・フィリップと並んで「世界三大(雲上)時計ブランド」のひとつと言われますが、ぼくにとっては、これが初オーデマピゲであります。

ケースは44ミリですが、サンドイッチ構造ということもあり、数値以上に大きく感じますね。
文字盤はホワイト、スモールセコンドもホワイト。インデックスはアラビア数字。
ベゼルはステンレスですね。
オリジナルは革ベルト(クロコ)なのですが、ぼくは革ベルトがあまり好きではないので、APよりホワイトラバー(21000円もする。これだけでスント・コアが買える)を取り寄せて換装しています。※それでもBELL&ROSSのベルトよりはずいぶん安い

なお、このベルトはシリコンではなくおそらくウレタン製で、かなり硬いのですが、その硬さがロイヤルオークの無骨な素材にマッチしているように思います。
またシリコンに比べて装着には力を要し、片手で簡単に(何かをしながら)装着することは出来ません。
しかしながら両手で注意深く腕時計を扱い、「時計を腕に”装着”する」という儀式のようなものを経ることで、この腕時計の存在を感じることが出来るようになっているのでは、と考えたりもします。
自動車で言えば、キーシリンダーにキーを差し込み、キーを捻ってエンジンをスタートさせるようなものですね。

ケース/ベゼルにおいてはステンレスの仕上げも抜群。
この質感のためにステンレスベゼルを選んだようなもので、ロイヤルオークの場合はブラシ仕上げの溝がほかの時計/ブランドよりも深く、微妙な立体感があります(なので、ぼくはロイヤルオークの”オーク”は本物のオークつまり樫の木の表面を意識したもので、その仕上げがこのステンレスの仕上げだと考えていた)。
そして、この部分と側面(というかカド部分)のポリッシュ部分との対比が実に見事なのですね。

IMG_9549

ロレックスの場合、多くのモデルとくにデイトナでは全体的に磨きが強く、美しい仕上げでドレッシーになっていますが、ロイヤルオークは微妙にワイルドな仕上げになっており、ダイアルも大きな凹凸のあるギョウシェ仕上げ(メガ・タペストリー)。ハンズも太く全体的にスポーティーであります。

ロイヤルオークの大きな特徴であるベゼル上の「ボルト」ですが、これはすべてベゼルの外周に応じた向きで取り付けられており、ベゼルとの固着や食い込みを防ぐためにホワイトゴールドを使用する、というこだわりよう。
ボルトをデザインの一部として用いた、というところは非常に新しいですね。
ウブロもボルトのヘッドがブランドアイコンの「H」となっていますが、必要な部品をあえて見せ、デザインを加えてそのブランドの特徴とする、という手法は素晴らしいと思います。

オフショアクロノは見ただけでも重量感と精密さの両方を感じさせるもので、こういった雰囲気を持つブランドは他に見当たらず、そこがオーデマピゲたる所以なのでしょうね。
オーデマ・ピゲは歴史の古いメゾンではありますが、セラミックやカーボン、ラバーと言った素材にいち早く取り組みを見せており、伝統と革新、そしてタフさとエレガンス、大胆さと精密、という異なる要素をうまく組み合わせた製品づくりを行っているという点では他ブランドに対しても排他性がある、と考えています。

なおロイヤルオーク・オフショアはダテに大きいだけではなく、ムーヴメントを軟鉄でカバーする耐磁構造を持っており、ロレックス・ミルガウス、IWCインヂュニアほどではないですが、24000A/mの耐磁性能(インヂュニアは80000A/m)を持っています。
ベゼルとケースとの間にもパッキンが入っており、非常に実用性の高いタフな時計に仕上がっていると言えますね。

腕時計という小さな製品にここまでのデザインと加工を詰め込めるか?という見本のようなもので、近代時計史に残る一本と言えるでしょう。

パっと見ると非常にシンプルなのですが、細部の加工が非常に繊細かつ大胆で、見ていても飽きない時計ですね。

なおムーヴメントは(このモデルでは)自社製ではなくジャガー・ル・クルト製のキャリバー2326/2840(28800振動、パワーリザーブ40時間)。
2007年に発売のロイヤルオーク・オフショアクロノ「ボルケーノ」では待望の自社開発ムーヴメント「Ca.3126/3846(21600振動、パワーリザーブ60時間)が搭載に。

将来的にはベゼルをブラックのセラミックに交換したいとも考えますが、相応の費用がかかると思われ、であれば頑張ってセラミックベゼルのモデルを購入したほうが良いかもですね。
できればプッシュボタンにガードが付いた、そしてプッシュボタンがスクエアなモデル(Ref.26078系)が欲しいと思いますが、そこまで行くとミニクーパーS一台分程度の出費は覚悟せねばなりません。

リューズ、プッシュボタンにはラバーを使用しており、これは使用を重ねるうちに劣化してくる可能性も。
そうなると、オーバーホールの時にでもここを最新モデルにも採用されるセラミックのプッシュボタン/リューズに変更できればとは考えています(可能かどうかは不明ですが)。

このモデルのデザインは過去にも有数の優れたモデルを世に送り出してきたジェラルド・ジェンタ。
パテック・フィリップの「ノーチラス(デザインテイストがロイヤルオークに似ている)」、カルティエのパシャ(これも腕時計においてはひとつの革命とも言える)」などをデザインした人です。
ジェラルド・ジェンタというブランド自体は最近ブルガリに買収され、ブルガリの直近のヒット「オクト」シリーズにも「ジェラルド・ジェンタ」の名前を冠していた時期がありました(今はより”ブルガリ”というブランドを強調するため、ジェラルド・ジェンタの名はなくなっている)。

ロイヤルオーク・オフショアクロノはF1パイロットとのコラボも多く、ミハエル・シューマッハー氏や、ヤルノ・トゥルーリ氏とのコラボモデルもラインアップ(最近ではシューマッハ氏が開発にも携わったトゥールビヨン機能付きのモデルも発売)。
ほかでは格闘家の魔娑斗氏、リオネル・メッシ氏(こちらはメガタペストリーのない珍しいデザイン)とのコラボモデルも有名ですね。
面白いところだと、アーノルド・シュワルツェネッガー氏も愛用者ということからか映画「ターミネーター3」とのコラボモデル、同じく映画「トランスフォーマー」に登場するバンブルビーとのコラボモデル(イエロー×ブラック)など、幅広いモデル展開を行っています。

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