オーデマ ピゲ ロイヤルオークを表裏スケルトン化、さらにはアイスブルー文字盤にカーボンベゼル装着のカスタム腕時計「サイアノ」登場

Image：Artisans de Genève

｜　もともと美しいオーデマピゲ製のキャリバー4302がさらに”芸術的に”　｜

このカスタムには相応のコストが要求されることになりそうだが、そのぶん大きな満足感が得られると考えていいだろう

さて、ロレックスやパテック フィリップのカスタムを得意とするスイスの腕時計工房、アルティザン ドゥ ジュネーブがオーデマ ピゲ ロイヤルオーク（15 500）をベースとしたカスタムウォッチ「サイアノ（Cyano）」を公開。

これまでにも多数のカスタムロレックス（主にデイトナ）がリリースされていますが、おそらくオーデマ ピゲ ロイヤルオークのカスタムを行うのは「初」なんじゃないかと思います。

オーデマ ピゲ ロイヤルオーク「サイアノ」はこんな腕時計

このオーデマ ピゲ ロイヤルオーク「サイアノ」につき、最大の特徴は「スケルトン（オープンワーク）」化。

そこへアイスブルー文字盤やカーボンファイバー製ベゼルを組み合わせていますが、この腕時計をオーダーしたサイラス Z.氏からのメッセージは以下の通り。

私は幼い頃から時計作りに情熱を注いできました。15年間、ヴィンテージやモダンな時計を収集してきました。父は私のロールモデルです。父は美しい物に対する情熱だけでなく、これらの時計の背後にい人々についても私に伝えてくれました。私が時計製造会社を設立したとき、このユニークな職業の現実と難しさに気付くきっかけとなったのです。

そこでアルティザン ドゥ ジュネーブとサイラス Z氏はともにオーデマ ピゲ ロイヤルオークを再構築することとなり、そこで最初にサイラス Z氏が依頼したのが「中のムーブメントを見せて欲しい」。

そこからこのムーブメントをどうスケルトン化するかの協議を重ね、ムーブメントの曲線やパーツを一つ一つ計測して12枚のスケッチを作成し、手作業にて4302キャリバーをカットそして研磨してゆくことに。

なお、スケルトン化に際しては「目に見えるパワー」が追求され、単に肉抜きを行うのではなく”グラフィカルな”ラインを追い求め、17個の内角、8個の丸みを帯びた角によってユニークな装飾が施されることに（しかも装飾がさりげない）。

テンプ ブリッジは硬化鋼ブロックから削り出されたのちにバフ仕上げとヤスリ仕上げが施され、完璧な形状と帯びた光沢を持ち、この作成には「ビュラン」を使用し何時間もの作業が要求されるのだそう。

そしてこのムーブメントを見せるために文字盤もスケルトン化されていますが、アワーマーカーは（針とマッチする）ブルー仕上げに。

針は「焼入れ」によるブルーフィニッシュ、そして秒針の先端にはレッドのマーカー。※文字盤の「SWISS MADE」レターもレッド

ちなみに針は面取りされた上にダイヤモンドポリッシュがかけられていますが、針にどこまでの精度を出せるかが腕時計メーカーそして工房の腕の見せ所だとも考えています（より薄く、そして断面がわからないほどに美しく面取りされている針が良いのは言うまでもない）。

この角度からだと秒針の「付け根」の丸い部分がきれいに面取りされ、針部分との段差が設けられていることもわかります。

そして斜めから見ると、いかにオープンワーク化されたムーブメントの面取りが正確になされているかがわかりますね。

特徴的な8角形のベゼルは26層にも重ねられた鍛造カーボンファイバー製。※ボルトの受け部にはスリーブが装着されているようだ

私たちは皆、自分の中に個人的な物語を持っています。アルチザン ドゥ ジュネーブでの経験は、私の過去37年間を振り返り、そしてこれからの37年間を迎える真の機会だと考えています。私の時計の細部に至るまで、父と娘、そして私自身の物語が込められています。

サイラス Z.

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参照：Artisans de Genève