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顧客の求める「ヴィンテージ」を追求したカスタム仕様のロレックス デイトナ登場。そのカラーのみならず塗料や加工の技法にまで「過去の手法」をとり入れる

顧客の求める「ヴィンテージ」を追求したカスタム仕様のロレックス デイトナ登場。そのカラーのみならず塗料や加工の技法にまで「過去の手法」をとり入れる

Image:Artisans De Genève

| 文字盤の「ブルー」はイタリアのベニスでのみ入手可能なラッカー、そして7層に分けて塗り重ねることでこの発色を実現 |

リューズガードも削ぎ落として「レトロな」スタイルへ

さて、ロレックスやパテック フィリップの腕時計をカスタムすることで知られるスイスの腕時計工房、アルチザン ドゥ ジュネーブ。

これまでにもルーベンス・バリチェロやファン・パブロ・モントーヤ、レニー・クラヴィッツのためにカスタムしたロレックス・デイトナを公開していますが、今回は新作として「Scona(スコナ)」を発表しています。

ベースとなるのはRef.11650で、文字盤のみならずケースそのもの、さらにはムーブメントにまで手を入れるという大幅なパーソナリゼーションを行った一本です。

ロレックス デイトナのカスタム「スコナ」はこんな仕様を持っている

このデイトナ「スコナ」は「A.L.」なる人物によってオーダーがなされたもので、まずその意図は以下の通り。

私の腕時計は、間違いなく、ヴィンテージのライフスタイルコードと伝統的な時計作りへの情熱を組み合わせた、パーソナライズされた作品を作りたいという私の願望の証です。私は常にこの時代に魅了されてきました。モノ、クルマ、そしてユニークなノウハウだけでなく、さらにクリエイティブになりたいという意欲すらも。カスタマイズは、想像力だけが限界となる創造的な次元を与えてくれました。さまざまな専門家を集めて、私の理想の時計のビジョンを実現することは、時代を超えた時計作りの経験でした。

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このロレックス・デイトナ「スコナ」のカスタムは(アルチザン ドゥ ジュネーブの通例に従い)スケッチやムードボードから始まりますが、クライアントの求める「ヴィンテージ」を再現するため、クラシックカーにインスピレーションを求めることとなり、そのカラーを再現するためのラッカー(塗料)を探し回ったあげく、ようやくベニスにて入手することに。

なお、アルチザン ドゥ ジュネーブは顧客の要望に応えるため、既存の素材や技術に頼らず、常に(それを実現するための)新しい手法を模索しており、過去には「日焼けした文字盤」を再現するため、実際に文字盤を南国の島に「放置」したことも。※つまり、それっぽい見た目を再現するのではなく、「事実」を再現しようとしている

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そしてクライアントの求めるカラーを再現するには「7層もの」塗装が必要となり、各層をペイントした後に手作業で磨きをかけ、その後24時間乾燥させ、それを繰り返すことでこのユニークなドーム型のブルー部分が完成するのだそう。※たしかにこれは大量生産モデルでは実現が難しい質感だと思う

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タキメーターベゼルには(文字盤のライトブルーにマッチするよう)専用に開発されたブルーセラミックを採用し・・・。

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ケースバックをスケルトン化するためにムーブメントを鑑賞に耐えうるよう再設計し、ブリッジにはスケルトン加工 / 面取りがなされ、各ネジを手作業で磨くという職人魂を発揮しています。

テンプ受けは鏡面研磨された後に「焼入れ」によってブルーに染められ、デッキは自社オリジナルによる削り出し、そしてもちろんバフとヤスリで面取り加工済み。

ローターは21Kホワイトゴールドのブロックから作られ、5段階のコート・ド・ジュネーブ装飾が施された後に面取り加工、そして「ARTISANS DE GENEVE」の文字が掘られることに(最終的にPVD加工によってブルーへ)。

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針においても「ヴィンテージ」感が追求され、当時の腕時計の仕様を再現すべく、面取りされたうえでダイヤモンド研磨が施され、カウンターとクロノグラフ針はやはり伝統的な「焼入れ」によってブルーへと色味を変化させることに(カルティエはじめ、昔のいくつかの腕時計メーカーは炎で炙ることで針をブルーへと変化させていたが、これは色をつけることが目的ではなく酸化を防ぐために行うもので、ブルーへの”変色”は副産物である)。

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リューズガードは”削り取られて”レトロな雰囲気となっていますが、あらためてブラシ/ポリッシュ加工がなされ、ケース裏面にはサンドブラストが施されるなど様々な技法が用いられています。

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参照:Artisans De Geneve

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