Image:Artisans de Genève
| ロレックス・デイトナに「グラデーション文字盤」は新鮮である |
アクセントはスカイブルー、そしてダークな色調の「タンタル」
さて、ロレックスやパテックフィリップ、オーデマピゲといったハイエンドウォッチブランドの腕時計を高度にカスタムすることで知られるアルチザン ドゥ ジュネーブですが、今回はロレックス・デイトナ(Ref.116520)をベースとしたカスタムモデル「ワーム バーガンディ」を公開。
ほかのカスタムデイトナ同様にリューズガードを削り取るなどレトロな仕上げを持っており、「タンタル製ローター」「タンタル製ベゼル(インサートはベークライト)」といった新しい要素、そして特徴的な「スモーク(グラデーション)ダイヤル」といった仕様を持っています。※タンタルは非常に高価な素材であり、腕時計に使用された例は聞いたことがない
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ロレックス・デイトナ「ワーム バーガンディ」はこんなカスタムウォッチ
このロレックス・デイトナ「ワーム バーガンディ」をオーダーしたのはサルヴァ・Kなるクライアントで、他の顧客同様、現代の腕時計には失われてしまった職人技を用いた仕上げをもとめ、アルチザン・ドゥ・ジュネーブの門を叩いたのだそう。
私は15年以上、主にアンティークの時計を収集してきました。特に、時計にはそれぞれ独自の物語があるという考えが大好きです。私は常に時計製造会社、特に今日の時計ではますます感じられなくなっている職人技と伝統を継承し続けている独立系ブランドに多大な敬意を抱いてきました。
結果が期待通りになるかどうか疑問に思うこともあります。アルチザン・ドゥ・ジュネーブとの仕事は、非常に豊かな人間との物語でした。カスタマイズのプロセス全体を通してサポートされ、注意深く耳を傾けて理解してもらいました。自分の時計がゆっくりと形になり、生き生きとしていくのを見るのは、本当にユニークな時計の冒険であったと思います。
そしてこの「冒険」はいつものように一枚のスケッチからはじまり・・・。
徐々に仕様を決定してゆくというプロセスをたどります。
そこでこのロレックス・デイトナ「ワーム バーガンディ」の細かい仕様を見てゆきたいと思いますが、まずダイヤルはユニークなスモーク仕上げのバーガンディ。
この「完璧な」グラデーションを実現するため、実に52もの文字盤を作成したのだそう。
サブダイヤルはスカイブルーのラッカー塗装とニス仕上げ、インデックスはホワイト ゴールド製で、ダイヤモンド カットが施されたのちに手作業によるサテン仕上げがなされています。
時針と分針は各面にダイヤモンドカットが施されるオリジナル品で、クロノグラフ針とサブダイヤルの針はブラックゴールド製、そしてヘッドの縁に打ち込みが施されることにより、よりテクニカルで構造的な仕上がりに。
クロノグラフ針の先端、時間表示のドット、および「DAYTONA」文字にはスーパールミノバが塗布されていますが、サブダイヤルのカラーと完全にマッチした色味を持っています。
ケースバックがスケルトン化されるのに伴いムーブメントも再構築され、テンプブリッジは「削り出し」、そして面取りさらには鏡面加工も(当然ながらすべて手作業で行われ、相応の時間を要する)。
ローターにはブラック(アンスラサイト)処理とコート・ド・ジュネーブ装飾が施され、ケースバック外周には「WARM BURGUNDY」そして「ARTISANS DE GENEVE」の文字が彫られ、凹部分にはサンドブラスト加工。
ちなみにベゼルインサートはセラミックではなく表面が盛り上がったベークライトを採用しています。
もちろんリューズガードを削り取ったシンプルなレトロ仕様。
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