|NSX GT3が空力、冷却性能、ドライバビリティを向上させNSX GT3 Evoへとバージョンアップ |
ホンダがNSXのレーシングバージョン、「NSX GT3」を2019年モデルとしてアップデートし、「NSX GT3 Evo」として発表。※発売はアキュラブランドから
今回のアップデートでは、最高速の向上を目指して空気抵抗の低減、クーリングシステムの性能向上、ドライバビリティの向上、とったところに改良のポイントが設定されたようですね。
NSX GT3 Evoはランニングコスト、信頼性も改善
さらにターボチャージャーが新型に置き換えられてスロットルレスポンスと燃費が向上したとされ(レーシングカーと言えど燃費重要。とくに耐久レースでは勝敗を分ける)、そのほかだとABS、インテリアの電装系も変更を受け、かつ「維持費が大きく下がった」とも公表されています。
なお、この「維持費」は重要で、レースに参加するとパーツの消耗や、クラッシュなどでどうしても「パーツ交換」が必要になり、その際の費用はチームの財政に直接影響することに。
近年、自動車メーカーにとってはこういった「レーシングカーの販売」は大きな収入源だとされていますが、プライベーターにマシンを選んでもらおうと思うと、”勝てる”マシンであることを前提に、”維持費が安い”というのも大きな訴求点だと思われます。
この点、「ウラカンGT3」や「アウディR8 LMS」は市販(公道走行可能)モデルと60%程度のパーツ共通性を持たせてパーツのコスト引き下げやメンテナンス性向上を計っているとされますが、もちろん今回のNSX GT3 Evoでもそこを大きく伸長させた模様。
NSX GT3 Evoのボディパネルはフルカーボン製で、車体後部ではディフューザーの形状変更、リアバンパーの幅を拡大することでエアの排出量を増やしているように見えます。
なお、こういった「GT3」マシンについては、日産がGT-R NISMO GT3を発表したところ。
加えてアウディR8も先ごろ「R8 LMS GT3」の戦闘力を強化していますね。
そのほかだとマクラーレンも「720S GT3」を発表していますが、これは相当に高い戦闘力を発揮しそう。
アストンマーティンは「ヴァンテージGT3」を投入の予定で、こちらは数少ない「フロントエンジン」。
ミドシップ勢に対してどれほどのパフォーマンスを見せることが出来るかに期待がかかります。
ちなみにこれまでのホンダNSX GT3はこちら。
比較してみると、フロントフェンダーやフロントフードに圧力や熱を抜くためのルーバーが設けられているようですね。
今回のNSX GT3 Evoについて、製造は公道走行モデルと同じオハイオの工場にて製造され、その後イタリアのJASモータースポーツにて最終の調整がなされる、とのこと。
ピレリ・ワールドチャレンジやIMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンシップ等に出場することになり、激しい優勝争いを見せてくれそうです。