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知ってる?ポルシェには認証タイヤ制度が存在。一体普通のタイヤと一体何が違うの?

2018/10/22

| ポルシェの性能を存分に発揮させたいのであれば、認証タイヤを装着すべき |

ポルシェがそのオーナー向けの機関紙、クリストフォーラスにおいて、「認証タイヤ」について、そしてその重要性を特集。
意外と知らない人が多いのですが、ポルシェには「認証タイヤ」というものがあります。

これはポルシェが純正装着を認可した印として、タイヤに「N」の文字が刻印されるもの(N0~現在はたぶんN6まで)。
ただしこれはべつに「専用銘柄」というわけではなく、ブリジストンであればRE050に「N」がついているものとそうでないものがあり、ミシュランであればパイロットスポーツPS2にやはりNがあるものとそうでないものがある、という具合。

なので、タイヤ交換時には、同じRE050やPS2であっても、「Nマーク」つきタイヤをポルシェに装着するべきである、ということですね。

ポルシェほどタイヤに精通しているメーカーはない

ポルシェはこの「認証タイヤ」についてトレッドとラバーのコンパウンドを調整しているとしており、こちらにその認証一覧を記載。
この認証タイヤはポルシェの正規ディーラー(ポルシェセンター)でも販売していますが、普通のタイヤショップでも購入可能です。
経験上ではあるものの、NありとNなしでは値段がそう変わらないようで、ポルシェの性能はタイヤに大きく左右されるということを考えると(タイヤに依存しているという意味ではない)、やはり認証タイヤを選びたいところ(ポルシェと標準指定タイヤとの関係性は”湾岸ミッドナイト”でブラックバードも言及している)。

ポルシェ911はRRというレイアウト上タイヤに掛かる負担が大きく、かつその強力なブレーキもまたタイヤに高い要求を突きつけます。
よってポルシェはタイヤと共に進化してきたとも言え、ハイパフォーマンスタイヤの歴史はイコール「ポルシェの歴史」と言えるかもしれません。

実際のところポルシェは「ニュルブルクリンク最速」を記録した911GT2 RSのタイムについて「タイヤ技術の進歩がなければ、この記録は達成できなかった」と語っているほど。
そしてポルシェはタイヤについて、こんな風に語っていますね。

タイヤはクルマの特性を決定づける極めて重要なパーツであり、快適性や耐久性を犠牲にすることなく高いレベルのダイナミクスを実現するのは容易ではない。だからこそポルシェの車輛開発現場では、タイヤのテストが重要視されている。「タイヤは車にとってシャシーの性能を発揮するための重要な要素です。しかし、全ての性能を兼ね備えるタイヤはそうありません」と語るのは、ポルシェでタイヤ開発に携るミヒャエル・ハウプトだ。数ある自動車メーカーの中でも、ポルシェほどタイヤに精通しているメーカーはまずないだろう。彼らはまるでオーダーメイドの靴を選ぶように、個々のモデルに最も相応しいタイヤを厳選するのだから。

なお、ランボルギーニの場合は認証タイヤに「L」マークが入っていて、ほかにメルセデス・ベンツなども認証タイヤを定めています。
最近のクルマは複雑な4WDシステム、トラクションコントロールを持つので、それらの機能を正しく発揮させるためにも、やはり認証タイヤは必須だとぼくは考えています。

そしてポルシェは今回クリストフォーラスにおいて、モデルごとに「ベスト」なタイヤを定めており、たとえば911カレラGTSだと「ピレリPゼロ コルサ」がベストマッチング、とのこと。
グリップは最上級だが転がり抵抗が大きい、しかし卓越したハンドリングを実現し、比類なき制動力とトラクション性能を発揮する、としています。

そのほか、パナメーラ・ターボS Eハイブリッドだとミシュラン・パイロットスポーツ4がベストだとし、これはドライとウェットでの性能の両立、転がり抵抗の低減、高いスタビリティ、優れた制動力とトラクションが特徴。

そしてポルシェは、改めて下記のようにタイヤの重要性について述べていますが、こういった内容を見ると、「やはりN指定タイヤを選ばねば」と考えてしまいますよね。

タイヤの性能とキャラクターのバランスを表す所謂 “タイヤ・コンセプト” は、車輛開発の中核をなす要件のひとつである。当たり前だが、タイヤはまずホイール・ハウジング内にきれいに収まらないといけないし、車輛総重量や重量配分、駆動輪にかかるエンジン・トルクなども考慮しなければならない。さらに、走行ノイズやウェット性能、転がり抵抗、耐久性に関しても厳格に定められた規定をクリアする必要がある。ニュルブルクリンク北コースのラップタイムは技術指標であり、最も重要なデータだと考えるポルシェのタイヤ開発を担当するカーステン・ホフマンは、次のように語る。「我々はタイヤ・メーカーにテストで計測した制動距離や北コースでのラップタイムに関する詳細なデータを伝え、然るべき性能と特性を備えたタイヤの開発をお願いしています」。

タイヤ開発の流れを大まかに説明するとこうだ。開発計画は新型モデルの生産が開始する 4 年以上前に始動し、タイヤ・メーカーはヴァイザッハから出された要件定義に則り、通常は 3 か月ほどかけて数種類のプロトタイプを製作し、それぞれ前輪用、後輪用にいくつかのバリエーションを用意する。プロトタイプがポルシェに届くと、タイヤ開発スタッフが納得するまでテストを繰り返す。完成までにかかる時間は膨大だが、このテストと調整の日々は、ポルシェにおいては絶対に妥協のできない重要プロセスなのである。かくして全ての条件をクリアしたタイヤに『N』のマークが与えられる。ポルシェの顧客は、通称『N 指定』タイヤを選んでおけば、まず間違いない。

ポルシェでは現行の全モデルに『N』が刻まれたミックスタイヤが装着される訳だが、前後のタイヤサイズが異なるため、前後タイヤの外径を微調整してポルシェならではのドライビングを最適に実現している。後輪駆動の 911 を例に挙げると、ミックスタイヤを装着することでリアのトラクションと走行安定性が確保される上に、フロントタイヤはダイレクトな反応特性が約束される。こうして相互作用によって、流れるような自然な走りが実現されるのだ。

VIA:Christphorus

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