もう後戻りはできない
ポルシェが新型エレクトリックカー「タイカン」のティーザーキャンペーン開始にあわせ、そのワゴンモデル「タイカン・クロスツーリスモ」を2021年に発売する、と発表。
ポルシェは2019年9月にタイカンを正式発表する計画を持っており、その翌年には最初の派生たるタイカン・クロスツーリスモを発売することになりますね。
なお、ぼく個人的にはタイカンよりもタイカン・クロスツーリスモのほうがバランス的に優れると考えていて、というのもタイカン・クロスツーリスモのほうが車体に対してトレッドが広くタイヤも大きいので視覚的安定感があり、長いルーフがむしろスポーティーに見えるため。
ポルシェは昔からボディ下部を内側に絞り込む傾向にありますが、(クロスツーリスモではない)タイカンは特にその傾向が強く、これが(軽快感は出るものの)視覚的安定感を損なう、とも考えています。
ちなみに現時点でタイカンの購入を希望している顧客は世界に2万人いると言われますが、これは2018年のポルシェの販売台数256,000台の約1/13。
この数が多いのか少ないのかはわからないものの、ポルシェは受注に応じる形で生産数を「引き上げる」としているので、予想よりはかなり多かったと考えいて良さそう。
もちろんピュアエレクトリックモデルのみではなくPHEVも含みますが、ポルシェは「エレクトリックモデルの販売比率を、2025年には全体の半分にする」と公言しており、まずは幸先の良いスタートを切ることができたのかもしれません。
ポルシェはいったいいくつのEV用プラットフォームを用意?
なお、ポルシェのエレクトリック・プラットフォームについては謎が多く、この「タイカン」「タイカン」クロスツーリスモに採用されるものが一つ、そしてアウディと共同にて開発しているものも別に存在。
フォルクスワーゲングループとしては「MEB」「PPE」「SPE」が存在し、このほかタイカンに使用されるもの(タイカンの開発はこれらの計画よりも前に、ポルシェ単独ではじめている)、さらには最近発表された「次世代ボクスター用のEVプラットフォーム」がここに加わると、結構な数のプラットフォームが存在することに(しかしこの状態ではあまりに非合理的なので、その数はどこかで絞り、よってミッションEのプラットフォームもPPEあたりと統合されるのかも)。
次世代マカンについては「エレクトリック化」されることが決まっていますが、おそらくこれはアウディと共同開発したEV用プラットフォームを使用することになりそうで、「SPE」についてはランボルギーニでもこれを使用するのではというウワサも。
なお、普及版となる「MEB」については、フォルクスワーゲンがその普及を促し、コストを下げるために「サードパーティーへの供給を行う」こともすでに発表済みであり、ポルシェを擁するフォルクスワーゲングループはとにかく「エレクトリック一筋」という印象がありますね。
そしてバッテリーについては2023−2024年あたりに現在のリチウムイオンからソリッドステートへと変更されることになろうかと思われ、EVについてはまだまだここから大きな変革が訪れるものと思われます。